
隣人 新装版
永井するみ
双葉文庫
女性向け、かなり辛口スパイスの効いた短編集
表題作もほかの短編も「え?」って意表をつく結末。もしかしたら私たちの日常に潜んでいるかもしれない、人間のダークサイドを炙り出している。 「隣人」なるほど!そうきたか!一見、子供はいないが幸せそうな夫婦。だが、実は心の奥深いところでは・・・。世間のダンナ様方、お気をつけて・・・。 「伴走者」これもよかった。この結末も「え?!」って意表をつく。男と女、一体相手は何を考えてるのかわからなくなる。 あまりまともなレビューになってなくてすみません。ネタバレしちゃうと困るので。男性よりも女性にオススメです。ムフフっ!サラッと読めちゃいます。
4投稿日: 2016.11.08
煙か土か食い物
舞城王太郎
講談社文庫
結構計算されたつくりなのか・・・
初めての舞城氏の作品。 いじめや傷の生々しい描写も実は計算されているのか、その対比で後半のクライマックスが俄然際立ってきている。 主人公やその兄弟は冷血なヤツかと思っていたが、血が通った人間で良かった~と思える。 文体が読む人によって好みは分かれると思う。私は面白かった。 一気に読めます。
3投稿日: 2016.09.21
一角獣
小池真理子,門坂流
角川文庫
印象に残った1篇
最後の「光きらめく海」。 なんだろ、大人の恋というか、切なさが残る。 そうそう、「マディソン郡の橋」のような感じ。(反対意見もあるでしょう) 一生に一度の恋。一生のうちのほんの数週間。 愛を誓い合ったわけでもないのに、心ではとても強く結ばれる二人。そうプラトニック。 でもおそらく二度と合わないであろううたかたの恋。ところが出会ってしまう。。。 ちょっと憧れます。
2投稿日: 2016.09.21
ジヴェルニーの食卓
原田マハ
集英社文庫
西洋絵画に興味ある方は是非!
この本を読んで美術展に行くと、面白さ倍増します。 「ああ、そうそう。この作者と誰々は親しかったんだよね」とか、時代背景などがスムーズに浮かんできます。 絵画好きの主人にも薦めてます!
2投稿日: 2016.09.21
恋
小池真理子
ハヤカワ文庫JA
わかる!主人公の気持ち
小池真理子氏の小説は2冊目。最初はミステリー。さてこの本は? おもしろい! 気持ちがわかる!こういうことってなさそうだけど、あるかもしれないって感じます。 ネタバレになるから、あまり詳しく書けませんが。 途中から謎の中身が見え始めて、ああやっぱり・・・と同感しました。布美子の死の間際に語られる秘密。ピュアな性格ゆえ恋してしまう。それは報われることのない恋、やがて悲劇が。そして切なく哀しい最期。小説最後のほうはもう涙・・・。 ここのところのチョイスは「アタリ」小説ばかりで、なんだかとても幸せな気分です!
2投稿日: 2016.02.16
神々の山嶺(上)
夢枕獏
集英社文庫
山岳小説ではなくエンターテイメント小説!
初めての夢枕獏氏の小説。山岳小説かと思いきや、立派なエンターテイメント小説でした。 ミステリー、アクションも織り交ぜつつ、読者をどんどん引き込んでいきます。まったく山に関しては無知な私ですが、かなり楽しめました。 先ず冒頭のツカミ。 マロリーはエベレストに登頂したのか?彼のカメラらしきものが見つかる。これに心臓をグワっと鷲掴みにされ、一気に読み進み、マロリーのカメラ(?)から数々の謎、その謎を解いていこうとする中で出会うたくさんの人物・・・。まるでジェットコースターに乗ったみたいに一気に読み進めます。 しかし、羽生丈二。すごい!こんな人間がいるのか?ってくらい個性的。余談ですが単独無酸素と言い張る登山家さんに読んでほしいくらいです。 最後の「その後」のくだりは必要なかったかもしれません。個人的には、「そのままで・・・」が良かったかな。 間もなく映画も公開されるし、読んでおくことをお勧めします! 配役にはえー?!とは感じますが、映画も観てみようかと思っています。
2投稿日: 2016.02.16
アメリカン・スナイパー
クリスカイル,ジムデフェリス,スコットマキューエン,田口俊樹
ハヤカワ文庫NF
アメリカン・ノンフィクション
映画も観たうえでのレビューです。 うーん、正直主人公には肩入れできません。何もかも自分を正当化しているようで、葛藤なんて露ほどで、自分らが殺されないために殺す・・・って意識です。これが正義なのか。正直戦争狂いのアメリカ人って印象。それだけ精神を病んでしまうような行為という意味では、このノンフィクションの意味はあったかもしれない。 9・11でたくさんの犠牲者が出たことは、とても悲しいこと。でもだからといってテロには武力でって構図は賛成できない。対話はないものなのか。もっとたくさんの犠牲者が中東やアフリカの紛争地域で出ていることを忘れてはいけないと思う。それを助長するようなアメリカの参戦には同感できない。 それと、映画はもう少し良心の呵責もある主人公として描かれている。ハリウッド映画感たっぷり。さすがイーストウッドです。 素人だから仕方がないが文章力もないし、読み進むにつれつらくなってきた。本人が亡くなってしまったことは、残念。一つ、奥さんの苦悩だけはとても共感できた。
3投稿日: 2015.10.02
土漠の花
月村了衛
幻冬舎文庫
今だからこそ読んでほしい
集団的自衛権やら国会で審議されている最中、これを読みました。今も継続中ですが。どうなるのでしょうね。 これ読むと、(もちろん小説ですが)こんなことも自衛隊派遣において、起こりうるかもしれないと考えさせられる話です。 銃撃戦の緊迫感、土漠の暑さ、自然の驚異など、まるでハリウッドの戦争映画を観ているようです。一気に読めます。今だからこそ読んでほしい一冊です。
5投稿日: 2015.09.08
峠うどん物語 上
重松清
講談社文庫
昭和のかをり
いまどきの中学生っぽくない淑子。おじいちゃん、おばあちゃんのうどん屋で手伝うことが大好き。うどん屋は公営斎場の前。通夜や告別式を終えた人たちがちょっとだけ立ち寄る場所。だからおいしい手打ちうどん屋にも関わらず、常連さんがいない店。 寡黙なおじいちゃんがいい。背中で語るようなタイプ。まさしく職人気質。かっこいい。 おばあちゃんはお節介やき。家族のことよーくわかっているからこその優しさがある。 おませな淑子は、少しいい子過ぎる。中学生ならもっと子供っぽさが欲しいな。 こじんまりまとまった短編集。じーんときたり、ほのぼのしたり。ただ少しだけパンチが欲しかったような。似たり寄ったりの小説が多いので。 ただ、これを読むととてもうどんが食べたくなります。(実際食べました!)
2投稿日: 2015.07.03
最悪
奥田英朗
講談社文庫
おとな or 社会のイジメ問題か
こんなにひどい状況に陥ってしまう人っているんだろうか。特に銀行員のみどり。同じ女性として悲しいし切ないし、人生やりきれない。弱い人なら自殺するかも・・・と。最初はどうなるんだ?がんばれ!と心の中で思いつつ読み進めていくと、だんだんと展開が読めてきてしまった。そのためか後半1/3くらいは、面白さがやや減ってきてしまったのが残念。 ただ、文体のリズムがいいので、一気に読めます。
2投稿日: 2015.07.03
