fujiteaさんのレビュー
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11
このユーザーのレビュー
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いなくなれ、群青(新潮文庫nex)
河野裕 / 新潮文庫nex
青春ファンタジーでミステリー
3
住民達が何故そこに居るのかわからない島、階段島。
出るためにはその人が失った物を見つけなければいけないらしい。
ヒロイン真辺由宇の理想主義(?)キャラや主人公の無感情には好みが別れるかもしれないけど…、最後まで読めば許せると思います。
物語の最後はどっちに転んでも甘酸っぱい、青春ハッピーエンドで良いと思えます。
ちなみに、これが面白かった人は、著者の代表作「サクラダリセット」も超オススメです。
続きを読む投稿日:2015.10.26
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ひとりっ子
グレッグ・イーガン, 山岸真 / ハヤカワ文庫SF
SF初心者にはかなり厳しい
1
書籍説明で、科学+ヒューマンドラマ的なものを期待した人は、悪い意味で裏切られるしかないと思います。
短編集で、内容的には主にインプラントという脳内をコントロールするマシンと、多世界解釈を中心にした話…が主ですが、途中数学や物理、コンピューターの用語が登場して、前提知識がないと理解できない所が多いです。
とは言え、雰囲気やストーリーはそれなりに楽しめるところもあり、本書の楽しみ方としてはそれで良いような事が訳者後書きにも書いてあります。
ちなみに、訳者後書き曰わく、この作者の作品としては、「祈りの海」の方が初心者向けのようです。
続きを読む投稿日:2015.10.27
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魔法使いの弟子たち(上下合本)
井上夢人 / 講談社文庫
最初から引き込まれます
1
導入からいきなり事件が発生して主人公達が巻き込まれてと、トップギアに入るまでがかなり早く、
すぐに物語りに引き込まれてしまいます。
個人的には物語序盤がローペースな作品だと、クライマックスまで我慢でき…ずに投げてしまう事が多いので、
この作品はまさにそういう自分にはぴったりでした。
内容としては、医療物というよりはSFアクションで、ミステリー要素は薄めですが
ミステリーだと思って手にしても期待は良い意味で裏切ってくれます。
続きを読む投稿日:2015.06.23
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とらドラ!
竹宮ゆゆこ, ヤス / 電撃文庫
良くも悪くもラノベ
1
連載当初一度読んで、この度再読しました。
年を取ってから読んでも、青春っぷりがとても微笑ましいです。
一巻の完結度合いから言って、二巻以降でやっている事が一巻の壮大なやり直しに感じます。
整合は取れ…ているものの、二巻以降を読む人は一度一巻の内容は忘れた方がいいでしょう。
文章はやはりラノベというか、セリフとはいえ文語体としていただけない箇所が結構有るので、受け付けない人はアニメを見るのが良いと思います。こちらもかなりの完成度です。改変部分は、私の記憶ではエピローグが変更されているくらいだったと思います。
続きを読む投稿日:2015.10.26
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ボトルネック
米澤穂信 / 新潮文庫
米澤穂信さんの作品の中で一番好きです
1
兄の命日に迷い込んでしまったパラレルワールドには、生まれなかったはずの姉がいて、死んだはずの人が生きていて、何もかもがうまくいっている世界だった。
バタフライエフェクトのバットエンドの主人公がグッドエ…ンド見せられたような話です。
先日久しぶりに読み返しましたが、若い頃に読んだ方が感度が高い気がします。 続きを読む投稿日:2015.10.29
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その白さえ嘘だとしても(新潮文庫nex)
河野裕 / 新潮文庫nex
青春ミステリー第二弾 とても良かったです
1
階段島シリーズの第二弾です。
一作目は「いなくなれ、群青」というタイトルで、未読であれば先にそちらを読むことを強くオススメします。
本作は一作目の真相が前提になっているので、冒頭でそれがネタバレしてい…ますので、先にこちらを読んでも楽しめると思いますが、一作目の方の楽しみを奪う可能性があります。
真相というのは階段島の秘密の事で、前述の通り一作目で核心が明らかになっているので本作はどういう内容なのか不安でしたが、秘密はバックグラウンドで重要な要素として物語に生かされています。その分本作は階段島自体の謎に関するファンタジーな内容は薄めです。
登場人物は「いなくなれ、群青」とほぼ同じで、階段島で噂のクリスマスの七不思議に主人公達が各々の都合で関わっていく形で進んでおり、かなりサブキャラクターにスポットが当たっています。
そのため、話の主観が頻繁に切り替わりますが、混乱することもなく読めると思います。
全然本編とは関係ありませんが、『ミステリ小説の犯人には大抵「やっぱりね」と思うけど、それはとりあえず全員疑っているからだ』という言葉は至言だと思いました。
続きを読む投稿日:2016.01.04