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しゅららさんのレビュー
いいね!された数38
  • 人魚は空に還る

    人魚は空に還る

    三木笙子

    創元推理文庫

    帝都東京のホームズ譚

    超絶美形の天才絵師と雑誌記者。二人の関係は明らかにホームズとワトソンなのですが、この物語ではワトソンが事件を解決する探偵役なのです。 礼の描く絵にも、礼自身にも『心酔』している高広は、彼の頼みは拒めないのですねぇ・・・ワトソンです、全く。なのに「お前がホームズだ。」この逆転が面白い。高広の義父は、マイクロフト?と、思ってみたり。 正典ホームズ好きな人にも楽しめると思います。上質のパスティーシュ作品です。思えば短編で構成された作品、どれも派手な殺人とかがある訳ではなく、その雰囲気も正典の香りがします。 とはいえ、ホームズを読んでいなくても作品としては十分面白いので、ご安心を。 西洋と東洋が入り混じる帝都東京の物語です。その「魔都」的な雰囲気もこの作品の魅力。 私は二人の関係はBL的とは思えないのですが(ホームズ、ワトソンですあくまで。いや、彼らがそういう関係だとは…) そんな視点で読むのも面白いかも。

    5
    投稿日: 2015.02.07
  • 青い鳥 眠る探偵(4)

    青い鳥 眠る探偵(4)

    榎田尤利,石原理

    講談社X文庫

    そして、探偵は…

    完結編。結局このラストしかなかったでしょう。色々な捉え方があるかも…とあとがきで作者の榎田さんもおっしゃっています。ネタバレになってしまうので詳しくは書けません。 この物語の主人公は実は槇だったのでは?無論彼は多くの命を殺め、弄んできた許さざるべき犯罪者です。けれど彼自身の求めていたものは純粋な一人の人への想いだけ。痛々しいまでです。彼の罪を思えば許されてはいけないのではありますが…。 真音と妻の恵美さん、二人のエピソードは残念ですがあまり描かれなかったけど、この最終話で彼女がどんな女性だったか垣間見ることができます。 青い羽根の天使は・・・彼を許したもうたのでしょうか? レヴューを書くのにずいぶん時間がかかりました。一気に読み進める方も、ゆっくり読み上げる方も。榎田さんらしいこの物語の完結に納得いただけると、思います。

    1
    投稿日: 2015.02.07
  • 会社は踊る【電子特典イラスト付】

    会社は踊る【電子特典イラスト付】

    鳩村衣杏,小椋ムク

    フルール文庫 ブルーライン

    会社って?

    リーマン物・・・というより学園物のようなノリ? こういうイベント満載な会社、私的にはついていけない感じです。(スミマセン) 体育会系の勢いで、男同士の恋愛もいけてしまうのでしょうか。うーん。 歳も性別も関係ない。そう言い切るスーパーリーマンの攻。主人公が惚れてしまうのも無理はない?

    0
    投稿日: 2015.02.07
  • 傀儡の巫女 眠る探偵(3)

    傀儡の巫女 眠る探偵(3)

    榎田尤利,石原理

    講談社X文庫

    苦悩する探偵・・・

     遂に槇の手が、真音の懐深い所へ伸びてきました。前巻が間接的だっただけに、一気にという感じです。義兄・連雀利彦と真音との絡みもあって、BL的には読みごたえありですが・・・。    純粋過ぎて、一途すぎる槇の想い。でもその表現は「狂気」としか言いようがない。ある意味槇と表裏一体である真音は、どうしても拒みきれない(身体の関係も含め)。  でも、槇とは違って真音には守りたいもの、大切なものは他にもある。本来ならどちらかを選ぶことなど必要ない筈なのですが、槇の狂気(孤独)の前にはそれは許されない。槇の想いを痛いくらい理解できる故に苦脳する真音。辛いです。  次巻遂に完結です。ここまで一気に読んだのですが、何となくラストを知るのが怖くて、そして物語が終わってしまうのが惜しくて。いったん手を止めました。  でも、槇はやはり殺し過ぎです。もうこれ以上彼をこのままにはしておけない、止めなければ、終わりにしなければ・・・というのは、真音も(そして読者も)思う筈。    榎田さんの作品ですから、きっと救いのあるラストになると信じつつ、完結巻へ突入します!

    0
    投稿日: 2014.05.06
  • 鏡よ、鏡 眠る探偵(2)

    鏡よ、鏡 眠る探偵(2)

    榎田尤利,石原理

    講談社X文庫

    超絶美形の探偵・・・

    「眠る探偵」第2巻です。 顔の見えない男、三条槇。前巻で明らかになった真音との関係。複雑すぎて怖いくらいです。  とはいえこの巻はインターバルというか、眠る探偵の本領が発揮されたとある事件と、弟(でも見た目は兄)の隆との出会いの2編が収録。槇の影はちらつくものの、普通の探偵ものとして読んでも面白いです。(その分BL的要素はほぼなしですけれど。)  榎田さんの作品は一般書としても充分読みごたえありです。このまま探偵ものとしてシリーズ化してもよいような気もします。  しかし、やはりこの物語の核は、真音と槇との関係の行く末にある訳で・・・それ抜きでは語れないのです。    次巻が怖いような、楽しみなような・・・。目が離せません!

    0
    投稿日: 2014.05.06
  • 人形の爪 眠る探偵(1)

    人形の爪 眠る探偵(1)

    榎田尤利,石原理

    講談社X文庫

    美貌の眠る探偵・・・

     榎田尤利さんは大好きな作家さん。ほとんどの著作は紙本で読了済。でもこのシリーズは未読でした。とはいえ、最初に目に留まったのは麗しい表紙イラストから。プラス榎田さんの作となれば・・・。  他人の『夢』を見る、という設定はよくあるかな?と思いつつ主人公が「美貌の・・・」と言われれば魅力増。見るもの皆が見惚れるほどの美しさ・・・なのにひたすら軽いノリの眠る探偵市羅木真音(素敵なネーミング)。  榎田さんの作品は、心の深層に「トラウマ」を抱えて生きる人物がよく描かれるのですが、けれど根底に流れる「明るさ」があって、結構シリアスなエピソードもあるのですが安心して読めるのです。魅力的なサブキャラ(仲間)も多く、目が離せません。    挿絵は石原理さん。シリーズどれも麗しい表紙です。真音と絡む後ろ姿の人物。重要人物であるのに、敢えて顔が描かれていないのは意図されたことなのでしょうね、やっぱり。挿絵も収録されているし、嬉しい限り。次巻以降も目が離せません!

    1
    投稿日: 2014.05.05
  • VIP 聖域

    VIP 聖域

    高岡ミズミ,佐々成美

    講談社X文庫

    聖なる場所、それは・・・。

    『VIP』シリーズは、ずっと気になっていて、いつか読みたいと思っていました。 きっかけはやはり表紙。どの巻も麗しい主人公二人のツーショット。佐々成美さんの描く久遠はホントにカッコイイ。故に電子での購入は二の足を踏んでいました。実際、挿絵がはいったのは、ひとつ前の巻からですし…。 でも、どうしても読みたくなって結局この最新刊まで電子で読んでしまいました。続きがすぐ読みたくなった時、やはり電子はいい。 他の巻のレビューは追々書くとして、今回、「聖域」です。 いつもタイトルも意味深です。 久遠の身に起きた大事件を経て、互いが離れられない存在であることを認識した二人。和孝にとってのもう一つの大切なもの『BM』の行く先も気になります。 そして今回の表紙、うっとりしてしまう程です。和孝、まるで聖母です。すべてを預けて眠る久遠の表情は今までの表紙とは、少し違って感じました。カラーでぜひぜひ見て欲しい。

    0
    投稿日: 2014.03.29
  • カフェオレ・ランデブー【電子特典イラスト付】

    カフェオレ・ランデブー【電子特典イラスト付】

    栗城偲,藤たまき

    フルール文庫 ブルーライン

    元気になるコーヒー、どうぞ。

    古風な純喫茶のバリスタ、無口で、黙って熱いコーヒーを差し出す…と勝手にイメージしてました。 すみません、平北、駄洒落的格言(?)をとばしながらコーヒーを差し出す(その都度コーヒーに名前がつくのですがそのネーミングがまた…)ひたすら明るいキャラでした。 苦い恋に傷ついた久能は、徐々に彼に魅かれていくのです。 色々あって想いが通じ合って、二人の初めての夜は、平北の年下わんこ攻めらしい『余裕ない』がっつきぶりが初々しいです。 久能の元彼笹野がとんでもない奴で、読みながら何度も「何、こいつ!」と叫んでました。ほんっとにサイテー野郎です。別れの場面スカッとしました。 イラストは藤たまきさん。表紙の平北に無口ないい男をイメージしてしまいました。挿絵では、明るく一生懸命な平北が描かれてます。たまらずキスする表情がいいですね。

    2
    投稿日: 2014.02.01
  • 雨の塔

    雨の塔

    宮木あや子

    集英社文庫

    少女たちの選択。

    女子校が舞台の『少女小説』は何作か読んだことはあるのですが、本作は少し違った印象を持ちました。 岬の先の隔絶された学校。螺旋階段のある塔の寄宿舎。それぞれに違った事情を抱えた4人の女の子たち。物語に登場するのはほぼこの4人のみ。学校が舞台ならクラスメイトや教師等が出てきそうですが、全く描かれず。そのせいでしょうか、学校というより、ひどく特殊な場所が舞台のようです(リアルとは程遠い学校ではあるのですけれど)。 ひたすら閉ざされた空間で、4人の心象が交差し、語られていきます。 実は初読なのですが、百合的な場面もあります。BLとは違うドキドキ感ですね。(でも、私はBL的に『お父さんと秘書』の関係も気になる。) 煙るような雨の風景と、雨上がりに水面に光を映す海、そして甘いお菓子の香り…。永遠に続くかのような時間は、それぞれの選択によりあやうく崩れていきます。   去ることも、留まることも切ない、永遠の終わり。 不思議な読後感の物語です。

    1
    投稿日: 2014.01.31
  • 裏切りのディスタンス

    佐々木禎子, 石原理

    裏切りのディスタンス

    佐々木禎子,石原理

    シャレード文庫

    ひと目惚れってやつだ。

    ハードな復讐ものと思ったのですが、惚れてしまったら…。 まぁ、もっと悪い奴は他にもいて、主人公瑛は結構ボロボロになるのですが。 憎むべき相手である麻生に意外な一面をみて、戸惑う瑛。憎しみはあるのに、麻生に魅かれていく自分自身の心に戸惑い、揺らぎ、傾いていきます。 そして麻生も、また…。「抱かれるつもりで帰ってこい」ドキドキしてしまいます、この台詞。最後は足腰たたなくなる位の激しい絡みのシーン。クールな麻生のメロメロぶりがいいですね。我慢していたんですねぇ。 その後も瑛は結構色々突っ走って無茶ばかり。この先大丈夫かと作者さんもあとがきで心配しているくらい(笑)。 サデスティックな悪役(?)大谷氏のお話も読んでみたい気がしますが、こちらは更にハードになりそうで怖いです。 イラストは石原理さん。挿絵も小さなカットですが入っています。クールビューティを描かせたら、天下一品ですね。麻生…カッコいいです。

    0
    投稿日: 2014.01.26