
解錠師
スティーヴ・ハミルトン,越前敏弥
早川書房
結構、さわやか
翻訳ミステリーの中ではかなり読み安い。翻訳者がうまいのか、原作者がうまいのかがわかりませんが。話しはクライムノベル系で悲惨な主人公の現在の境遇となぜそうなったかの過去をいったりきたりしながら集約していく見せ方を取っているので話しが見えない前半は読むのに時間がかかる。読後感は青春小説ぽいので意外とさわやか。
1投稿日: 2013.10.15
プラスティック
井上夢人
講談社文庫
井上夢人の長編第2作目
毎回、従来のミステリーという枠では語れない仕掛けを用意して読者を驚かせる作者であるが、本書でもひとつの大きな仕掛けを用意している。取り扱っている題材自体は、それほど目新しい物ではないのだが、それを一人称視点で語るというところにこの小説の面白さがある。ともすると物語の主人公と同等に読者は混乱と混沌の渦に巻き込まれ、ミスデレクションに追い込まれてしまう。 題名の「プラスティック」は可塑性という意味で、しなやかさ、適応能力、進化する適性という意味で使われている。岡嶋二人最後の作品「クラインの壺」もそうだが、毎回挑戦的な仕掛けを用意する井上夢人の力が如何なく発揮された作品。
1投稿日: 2013.10.11
バスジャック
三崎亜記
集英社文庫
現実世界と少しズレた世界
「となり町戦争」と同じ世界設定。前作はイマイチだったのですが、本作は良かった。現実世界と少しズレた世界、パラレルワールド的な世界で展開するちょっと不思議な話。余韻を残す話しが多くこれがこの作家の持ち味だったと認識しました。他の三崎ワールドも体験してみたくなりました。
0投稿日: 2013.10.07
アンドロイドの夢の羊
ジョン・スコルジー,内田昌之
ハヤカワ文庫SF
題名に無理やり合わせた感がある
最初は誰が主人公なのかがわからず戸惑った。また後半の敵エイリアンの名前が複雑で利害関係が見えず頁を行ったり来たり。そのせいか集中できず思いの外読むのに時間がかかった。内容はいつものSF冒険活劇、ですが今までのスコルジー作品と比べると微妙というのが正直な感想。題名の「羊」を絡ませる為にいろいろと無理をしているように思えた。。。それでも並の小説よりは十分面白いですがね。
0投稿日: 2013.10.07
Gene Mapper -full build-
藤井太洋
ハヤカワ文庫JA
拡張現実って
作者は、近未来の生活様式はこうなるよと一番言いたかったのだろう。そのせいかメインの話よりも拡張現実などを使った日々の仕事の仕方についてが微に入り細にわたりリアルに描かれている(かなりビジネス寄りではありますが)。しかし技術用語のオンパレードで業界の人以外、ついていけてるのかなあ?
0投稿日: 2013.10.04
銀河英雄伝説1 黎明篇
田中芳樹
らいとすたっふ文庫
田中芳樹の代表作にして星雲賞受賞のSF叙事詩
銀英伝ですが、もうかれこれ10回はシリーズ読んでいます。同じ作品をこんなに繰り返し読む事は他の作品にはなく、ホントになにかの歴史書を読むのと同じ感覚で読んでいます。架空の歴史書ではあるのですが、古今東西の歴史に名を残した人々がいつかどこかで語った言葉や行動を、ある時はそのままで又、ある時はアレンジして登場人物の誰かに語らせたり、行動させている。まさに歴史のいい所取りであり、その凝縮された世界に人間の賢さ、愚かさをすべて詰めた人類の箱庭とでもいいましょうか・・・・。そこにどっぷり浸る気持ちのよさがこの小説の魅力なんだと思います。 で、銀英伝の話題になると「まず登場人物で誰が一番好きか?」という話になるわけですが、私はオーソドックスにヤンです。これは、やはり彼の悲しき中間管理職的なところが好きで、必ず制約条件の中でどう戦術的にベストを尽くして戦うかというワザ師的なところがいいのです。皆さんは誰がすきですかね?
1投稿日: 2013.10.03
震度0
横山秀夫
朝日新聞出版
捜査のプロである警察が。。
本部長、警務部長、刑事部長、警務課長、警備部長などなど、とにかく漢字の役職が多すぎて・・と最初は、誰が誰のことかわからなかった。そのうちそれぞれの性格や個性がわかって来て面白くなってくるのだが、今度は逆に話が複雑化して、さらにそれぞれの嫁も巻き込んでの権力争いに突入する。本当にここまでドロドロした派閥争いをしているのかどうかはわかりませんが、かなりリアルなんでしょうね。 しかし組織というものは、一個人が消えただけでこうまで崩壊してしまうものなのでしょうか。体面や利権に拘るあまり事件の本質を見逃してしまう、一番の捜査のプロである警察がその陥穽に落ちてしまい真相を見誤ってしまうところにこの小説の本質と皮肉があるのでしょう。
3投稿日: 2013.10.03
D-LIVE!!(15)
皆川亮二
少年サンデー
「D-LIVE!!」最終巻
前巻の百舌の裏切りで次々と倒されるACEのエージェント。たぶん、最終局面で百舌と悟の一騎打ちになるなあと思っていましたがやはりそうなる。また百舌の真の目的もはっきりわかり、キマイラとの最終決戦。パターン化しているもののやはりそこはお約束通りの展開、読んでいて気持ち良かった。普段はボーッとしているが、マシンを操ると別人の斑鳩悟。毎回いろいろなマシンを登場させて時にはコミカルに時には感動的に話とうまく絡めてストーリーを作っていた。最近あまり現実世界を舞台にした等身大のヒーローを描く漫画が減っている中、好きな漫画だっただけに終わってしまうのは残念である。あと悟の父、真の活躍を描く番外編「A-LIVE!!」全3話も収録されていてこちらが思いのほか面白かった。父親真の現役時代の話、オウルや悟の幼年時代も描かれている(オウルの乗り物酔いの原因には笑った)。
0投稿日: 2013.09.30
御社の営業がダメな理由(新潮新書)
藤本篤志
新潮新書
タイトル買い
まずタイトルが響いた。新書シリーズの題名は「バカの壁」以来凝ったものが多くなってきている。のでまたその類だろうと思っていたが、中間管理職の私としては会社から売上げがどうだと言われることも多く、自分のことは棚に上げて営業のせいにしているわけで、そこにこのタイトル。読みますわなあ。 結論からいうと面白くて明快。 世に言う2:8の論理ならぬ2:6:2の論理。 スーパー営業マンは、ほとんどいない。 本来、やらなければならない仕事って何? 普通の営業マンの集団でいかに営業力をあげるか? など読んでみると非常に当たり前の事を論理的に説明している。自身が実際に経験や試行してきているだけに説得力もある。営業だけでなく他の組織でも流用は可能。 うちの営業にも読んで欲しい!
0投稿日: 2013.09.29
グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
辻野晃一郎
新潮社
ソニーとグーグルのキーワードに興味があれば
ソニーの栄枯盛衰及びグーグルの強みについて個人視点で語っている。ビジネス書というよりは、私小説に近いか。内容自体は面白いが、本書を読んでソニーが何故今のようになったのかをもっと知りたくなった。別のソニー本も読んでみよう。
3投稿日: 2013.09.29
