
高校事変 XI
松岡圭祐
角川文庫
読書で地団駄を踏む気持ちになる…
緊急事態庁発足に、油田発掘、 原子爆弾と、いよいよ物語大詰めで 何でもありになってきた。 やや現実離れしたこのストーリーに グイグイ引き込まれるから、 これまたたまらん。 今度こそ絶体絶命の危機なはずの結衣。 とはいえ最終回でもなし、主人公が 死ぬはずもなく。 あぁいう事にしたのね。 ミジンコもぬかりのない架祷斗が、 あんな凡ミスおかすはずがないと 言えばそれまでだが、読者側としては そこが面白い。 ベールに包まれていた結衣の母親の 正体が明かされ、ダークヒロインの サラブレッド度が増す。 次回、最終回だろうか。 いてもたってもいられない気持ちで 12巻を待つしかない。
0投稿日: 2021.09.29サラマンダー殲滅 下
梶尾真治
徳間文庫
SF苦手でもイケる…
上巻に続き読了。 SFは得意じゃないのに、この作品に 限っては生ビールのごとくグイグイ いけました。 上巻でも思ったが、登場人物ひとり ひとりが個性的で楽しい。 登場人物が多いと読書中に、 あれ?この人誰だっけ?と、よく やらかす僕ですら何の混乱もなく 人物相関が理解しやすかったな。 特に人間離れした体躯の女戦士 ドゥルガーが個人的お気に入り。 ドゥルガーには無事に生還し、 よき相手を見つけてほしかったが…。 読了してみると主人公であった はずの静香は、むしろ脇役的に 終わった感もあるが、何にせよ 30年も前のSFとは思えない良作 だった。 ご満悦・.:+:(´∀`):+:.・
0投稿日: 2021.07.31サラマンダー殲滅 上
梶尾真治
徳間文庫
SFと復讐のミスマッチストーリー…
SF小説でありながら「復讐」が 題材という、あらすじに釣られ 読書開始。 主人公の名前が静香って昭和な ところといい、静香に戦術を 叩き込んだ巨大女戦士ドゥルガー といい、その他もいちいち出て くるキャラが際立ってて面白い。 ミステリーや他のSF小説みたく、 小難しい罠も張られてないので、 見たまま読めばいいところが 感覚的にいい。 時々グロい場面も出るには出るが まぁ苦手な人でもキャパ超えは しないでしょう。 SF小説なので当然SF要素があり、 その要素が下巻へどう繋がって いくがが楽しみです。 期待値超え作品なので速攻下巻 へとダイブします! 注、上巻の最後に解説があるが 下巻の結果にも触れてあるので ネタバレになってる。 解説は読み飛ばした方が無難。
0投稿日: 2021.07.14殺した夫が帰ってきました
桜井美奈
小学館文庫
どんでん返されなかった…
なんとなく、葉真中顕氏の 「絶叫」という作品を思い出した。 ミステリー要素を含んだ サスペンス?作品。 殺した夫が帰ってきて、一体どう やって話しをもっていくん だろうか?と興味を持ちましたが。 あぁいう事情にもってくのね。 よく考えてあると言いたいところ だが、やはり少しチカラワザかも しれない。 謎解きや伏線が凄い場合は純粋に 感心できるが、いまいちな粗削り 加減。 謎がわかる前まではワクワク しながら読んでたけど、謎が 解け出したら何だか眠たく なってきた。 それぞれの謎を、もっと別の かたちにしてほしかったな。 どんでん返されなかった。 それに比べたら、葉真中顕氏の 「絶叫」にはどんでん返された。 話し全然違いますけどね。
1投稿日: 2021.07.04身分帳
佐木隆三
講談社文庫
すばらしくはない…
人生の大半を獄中で過ごした 男の実話。 内容的に興味深いところもあり、 さくさく読み進んだが。 実在モデルが急逝したことも あったのか、竹を横一線に割った ようにスパッと終了。 あとは関係者のあとがき的な 話しが、タラタラと述べてあるのみ。 面白かったとか、なにか心に残った かといえば、なにも残らない残念な 作品かもしれない。 (あくまで個人の捉え方次第だが) 主人公とは違うんだが、 僕の亡父は癇癪持ちでそれでいて、 真っ直ぐな性格だった。 なにげに父を思い出した。 あと映画化は #役所広司 さん 主演だが、イメージが違い過ぎて 違和感しかないな。
0投稿日: 2021.06.28本性
伊岡瞬
角川文庫
最後がやや雑…
いじめで自殺した男子中学生の 身内?の、復讐劇。 謎の女「サトウミサキ」。 いじめに関連したであろう、 ありとあらゆる人物に謎の女は 接触する。 それが各章に語られていて、 なかなか引き込まれた。 途中から、あぁこれかな?と ストーリーの当たりを付けられる と思うんだけど。 ラスト、大根を切ったように ストンと終わったのは肩すかしを 食ろうたな。 え~、なにこの中途半端感、 どぉしてくれんの?とも思った けど、考えてみればスッキリ 終わるのが嫌いな性分なので、 逆にモヤモヤして面白かったのかも。 ま、ズバリ言わしてもらえば、 こんな話し絶対にないけどねぇ。 注、このくらいのいじめは 現実に起きてると思うけど。 この復讐劇が有り得ないと 言う意味(補足)
0投稿日: 2021.06.16罪人が祈るとき
小林由香
双葉文庫
いじめなき社会にしたくなる…
いじめにより息子を亡くし、後追い にて妻までも亡くした風見室長。 同じく激しいいじめにより絶望 しつつも復讐を画策し、公園で 出会った謎のピエロ・ペニーと心を 通じ合う、少年時田。 果たして復讐は成るのか、風見は 立ち直れるのか、ペニーとは一体 何者なのか。 ふぅ~、面白かった。 ちょっと2度ほど目頭熱くなって しまった。 これ読みながら、おそらくは 現実社会においても、作り話に 思えるほどの激しいいじめは発生 してるんだろうな、と思えた。 本作もけして幸せな結末では なかったが、これを現実に 有り得ない社会にしないといかん と心から思った。
0投稿日: 2021.06.09リフレイン
五十嵐貴久
幻冬舎文庫
怖さそのものは減るかも…
初刊のリカからすると、リカ自身が 徐々に「偶像」というか、 「残穢」というのか。 実在しない者のように思えて、 怖さだけを求めれば物足りないかも しれない。 そこをいけば初刊のリカは震え上がる ほど怖かったなぁ。 まぁ、最後に作者の真意的なものが 書いてあるので、どう捉えるかって のは人それぞれ。 ストーリー中に出てくる 「マヅルカ」なる曲も、ものすごく 気になる。 YouTubeあたりで検索すれば聴ける らしいのでリカシリーズを読み返す 時があれば、是非マヅルカを聴き ながら再読してみたい。 作者もそれを推してました。 僕好みの読後感の悪さでした。
0投稿日: 2021.05.24スーパーカブ reserve
トネ・コーケン,博
角川スニーカー文庫
カブ乗りにはたまらないお話し…
今回の小熊も例外なく A級殺し屋のような、 およそ女子高生らしからぬ ハードボイルドな語り口で 各々ストーリーは進んでいく。 短編集。 reserve。バイクでいう ところの、予備の燃料。 とはいえ予備の燃料タンク ではない。 同一のタンクの底から残りの 燃料を使い切る仕組みの 燃料コック。 小熊、礼子、椎の3人の おもいおもいのカブライフ。 細かいところまで話しを 搾り出した短編に仕上がって いる。 女子高生が何十年とバイク整備を している職人のように振る舞う のは納得がいかないが、そこは 小説ということで【笑】 カブ乗りにはまさしくたまらない お話しですね。
0投稿日: 2021.04.29最高の離婚(下)
坂元裕二,百瀬しのぶ
フジテレビBOOKS
ドラマノベライズ版下巻…
上巻から匂わせていた復縁チック な部分が、下巻からはドンドン 垣間見えてきた。 まぁ、なんやかんや言うても、 嫌よ嫌よも好きのうちって ストーリー展開でした。 でも考えてみれば、 あの時あの子が妊娠しなければ、 光生はそのまま突っ走ってたんだ ろうなと思うと、結局、光生が 一番のロクデナシな気がするんだが。 夫婦って本当に難しいですよね。 まるっきり赤の他人が一生を 添い遂げるんだしな。 (添い遂げない人もいるけど) うちも妻には、めんどくさいやつと 思われてるはず。 これを機に少しは見習おうかな 来年頃から予定で…。
0投稿日: 2021.04.27