
妖奇庵夜話 人魚を喰らう者
榎田ユウリ,中村明日美子
角川ホラー文庫
今回はやったね脇坂くん!
妖奇庵の住人たちと、脇坂くんとの自然と顔が緩んでくる話のやり取り。特に洗足さんのツッコミ最高!笑えます。 そして、リアルな会話やメール・電話などの、何かしら怖くて不安にさせられる先の見えない現実。現在進行形の犯罪の臭い。 この2つの世界が交互にやってくる、緊張と緩和の加減が効果的に働いて、より禍々しさや、より優しさがしみ渡ってくる。 シリーズ①からの脇坂くんの刑事としての成長も見逃せません。が、際立った推理力や、刑事としての行動力なんかは要らないから、みんなが認める女子力や広い交友の輪で攻めて行って欲しいなと思います。 なんと一番居て欲しくない人物青目と、洗足さんとの関係が明かされ次のキーワードだなんて!めっちゃ気になる。
1投稿日: 2014.08.05
生き屏風
田辺青蛙
角川ホラー文庫
雪になってふわっと。
妖と人が近い存在で時代が流れていた時代。 妖たちの日常もまた人と変わりなく同じように思い悩み、楽しみを見つけながら暮らしている中。 皐月を取り巻く妖と人との穏やかな交流。 なかでも私のいちばんは、青年次郎が、意識が雪になってふわっと気が遠のく程に溶けてゆく感覚。 皐月への淡い思いのたけ、ちょっとせつなくもあり、この2人だったら似合うのになあって思う。 なぜか心がとんがっている人には是非。
1投稿日: 2014.07.19
動物園の鳥 ひきこもり探偵シリーズ3
坂木司
創元推理文庫
動物園の檻
『はあ~、ええお湯やなあ』っていうお風呂の温度が42度。熱すぎたり、ちょっとぬるいかなって感じる。でも42度のお湯を飲んだ事がないので、熱くはないだろうけどどれくらいなのかが分からない。ややっこしい例えですみません。この本を読んでふっと出てきたのです。今までは男性と女性などあるいは大人と子供などという表面上のくくりで物事を見てしまっていたかなと。 登場人物たちの、私が知る初めての感性や、私の想像もつかなかった感情におどろき引き込まれました。付いて行くのがやっとでしたが『ほっ』と完結良かったです。 動物園の檻の話が出てきます。私など檻の意味など考えることすら及びもしない。でもここでは本当に心に収まる檻の存在意味がありました。是非シリーズ読んで感じてください。
1投稿日: 2014.07.03
任侠病院
今野敏
ジョイ・ノベルス
実はほのぼのとした心緩む物語です。
現実の社会ではこのような団体が存在するだけで到底容認する事はできないけれど、それはそれとして、 阿岐本組のおみごと個性ある面々にはついつい後押ししたくなるという不思 議な感覚。 日村さんの本音の部分とそれを言えない心の叫び、そして母親との想い出。 なかでも真吉と稔が買ってきた たこ焼き。 『こいつは、俺にとってはごちそうだ』 う~ん、いいねえ! 『任侠学園』も含めて、最後はほのぼのとした、じわっと心が緩む涙でまあるくおさまりホッとします。
2投稿日: 2014.06.19
嘘猫
浅暮三文
光文社文庫
『魔法の国』での事は、今すばらしい宝物となっているはず。
その時代を生き抜いたという確かな息遣いと力強さがあり、事実であることの安心感がずっとついてくるので、 読んでいて頼もしい限り! しかも、ねこちゃん達のしつけやお勉強をりっぱにやってのけ、なんとも言えないおかしみの中にも愛情がいっぱい。 最後に『嘘猫』の意味を知ることになるのですが、想い出はいっぱいあればあるほど人生を豊かにしてくれると思います。
0投稿日: 2014.05.16
虹の岬の喫茶店
森沢明夫
幻冬舎文庫
心温まるキーワードがいっぱい!
平々凡々な人生送ってきたわたし。少しでもこの物語に寄り添えたら良いなと思い、6つの楽曲をダウンロードやら歌い手・曲を調べたりと、読み勧めました。聞いたことのない曲もありじっと聞き入りました。 この物語にはホント素敵な心温まるキーワードがいっぱい!『ハッピーのドキドキ』『驚くほどの恩恵』『ロッケンロールな道』『ブルームーンのカクテル言葉』などなど。これらの言葉たちを紐解いて自分のものにさせて頂きたいと思います。 大きな海や自然の中にいると、そしておいしいコーヒーと音楽があれば、人は等身大でモノを感じ考える事ができるのかな。と。
6投稿日: 2014.04.22
午前2時に、キミを待ってる。
椿ハナ
魔法のiらんど文庫
胸がキュン、心ざわめく。
青春ど真ん中 胸がキュンと締め付けられ、心がざわめくのはなぜ? 女子高生美和さんの普通じゃない境遇にありながらも、素直な心情と心の機微を共感できるからかな。 豊かな、心の動きや言葉のやり取りの表現がとてもおもしろく新鮮。自然に表情が浮かんできて泣き笑いの連続です。 そしてそしてまさに『午前2時に』、お互い何年もの間心の隅に見え隠れしていたもやもやが、解かれ消えるのです。よかったあ!
1投稿日: 2014.03.21
ペンギン・ハイウェイ
森見登美彦
角川文庫
アオヤマ君の未来に乾杯!?
いきなりですが文中の『雲の下の方は墨汁をまぜたような色になっている。食べたらお腹をこわしそうである。』『湯気の立つスープがテーブルにおかれたとき、ぼくはまるでその匂いまでぜんぶ自分が食べてしまうような気がした。』などなどいっぱい。いいなあこの感じ。 なにげない日々の生活の中で、想像を膨らませたり、目をとめて疑問を感じたりという事をしていない自分に気付いた今日この頃。たぶん子供の頃にはあったこの感性。一つでも呼び戻せたら すごいぞ! そして小四男子アオヤマ君の未来に乾杯!?
2投稿日: 2014.03.09
片桐酒店の副業
徳永圭
新潮社
配達する品物がまあ面白い!
第1章ではバイト君たちとのクスッと笑えるストーリーだったので、そのつもりで先を読めば、あらまあそれぞれ全く違う雰囲気、切り口。期待感ブンブン湧いてきて裏切らない。でも最初からあるものが繋がっていて『ああなるほど』。過去に囚われている主人公の心の置き所も少しづつ変化し、(平凡な)読み手へと近づいて来てくれました。シリーズを待ちます。
0投稿日: 2014.03.06
思い出のとき修理します2 明日を動かす歯車
谷瑞恵
集英社文庫
時が積み重なって
なんて事!この第2巻を読み始めた時、約30年使用のまさしく機械式腕時計が動くのをやめてしまいました。今見積に出していますが、たぶんおしゃれな新品の時計が買える金額だと思います。う~ん。この巻の3章「夢の化石」に「化石は、時が止まっているものじゃないからね。時が積み重なってできたものだろう?」という行があります。本当にいい言葉にめぐり逢えたと思いました。時計と30年も時を共有してきたんですね私。セレンディピティーという言葉がありますが、明里さん、秀司さんってこの能力もってますよね。幸せのおすそ分けを願って、見積りが出たら何とかGOサインを出したいものです。
0投稿日: 2014.02.06
