先生の本棚さんのレビュー
参考にされた数
263
このユーザーのレビュー
-
変身
フランツ・カフカ, 中井正文 / 角川文庫
海外古典の入口
1
古典、というほど古くもないですが。
ジッドとかカミュとか、なんだか賢そうな作家たちに挑戦していく入口として、カフカ。
村上春樹好きなら、とりあえずカフカ。
ホラーで文学したい人は、さりげ…なくカフカ。
ヘッセの代表作は青春くさすぎる、ヘミングウェイの釣り話はまだちょっと重い、くらいの人に。おもしろいですよ。 続きを読む投稿日:2013.10.05
-
博士の愛した数式
小川洋子 / 新潮文庫
一番泣ける本、の一つ
1
泣ける本とか書かれると、薄っぺらい感じがして、鼻で笑って、食わず嫌いで、読まないで、そのまま過去の本になっちゃうこと、ありますよね。
そんなヤツのめんたまつかんで、この本の最初のページにぐりぐり…押しつけたい。
いいから読め、って。
泣けるとか、いいから。気にしなくて良いから。言っちゃってアレだけど、泣けないかもしれないんだけど、いいから読めって。良い本だから。絶対良い本だから。
泣くから。 続きを読む投稿日:2013.09.25
-
自由殺人
大石圭 / 角川ホラー文庫
熱い熱い、人間讃歌。
1
悪魔のささやきによって掘り起こされた無意識と、様々な人々が、それぞれの方法で対峙する。卑屈さを、嫉妬を、恐怖を抱えながら。自己に眠る破壊衝動に襲いかかられたまま醜く懊悩する彼等の中でしかし、主人公の…心に棲む獣は頭を垂れることを許さない。強く、気高く、走り抜くことを強要する。
ホラー小説で感動を覚えたのは初めてかも知れません。まぁ僕は感動屋なので、それほど参考になりませんが。 続きを読む投稿日:2014.02.28
-
天地明察 上
冲方丁 / 角川文庫
力抜いて良いですよ
1
「みずみずしくも重厚に」なんて言われたら、本好き以外は引いちゃいますよね。本好きであっても、重いのはだめって人も。
この本の作者さんはライトノベルも書いてます。時代劇とか歴史小説に興味が無くても…、きっと楽しめますよ。
そして、感じて欲しい。
「数学、カッコイイ」 続きを読む投稿日:2013.09.25
-
寄生獣(1)
岩明均 / アフタヌーン
人間讃歌なんです。
0
お母さんには知らせずに、こっそり子どもに読ませたい。
中学も2年生くらいになれば、耐性ついてるんじゃないかなあ・・・。
心にヒマがある生き物。人間、なんと素晴らしい。
どんなに忙しく…とも、心のどこかに必ずヒマはあるものだから。自分のソレを、潰してしまわないでいて。
読者の、人間としてのあり方に、影響を及ぼす可能性を持っている。力強いマンガです。 続きを読む投稿日:2013.09.27
-
ペンギン・ハイウェイ
森見登美彦 / 角川文庫
饒舌な少年に憧れよ。
0
あくまで傍流、確固たる私。
語りに語る少年の、言葉の城は、そびえ立つ。
言葉の海で身を尽くし、己の愛を高まらす。
そんな小学生いるか!!!
いいじゃない。憧れよう、揺るがない傍流たる彼に。投稿日:2013.09.27