
SRO8 名前のない馬たち
富樫倫太郎
中公文庫
幸せな最期って・・・
今回は、近藤房子との絡みは特になかったが読後はなんだか切なくなる内容だった。 馬の飼育に関する内容が含まれていたが、動物も人も幸せな最期を迎えるのは今の世の中難しのかな、と思わせる内容だった。 難しい要因として、法の整備や金銭的なことが書かれていたが、それがなければ満足できないのだろうと思うが、犯人が最後に言った一言が人生における満足感を表すのであれば他人との喜びを分かち合うことも難しくなりつつある世の中を反映しているのかなと思う。 近藤房子の満足度を上げるために新たなターゲットの仕込みが済みつつような形で終わっていたので次回作からは、違ったステージでの対決になることになりそうだ。
0投稿日: 2019.11.10
ドミノ倒し
貫井徳郎
東京創元社
気が付いていないだけかもしれない?
日本の村社会の象徴のような話だと思います。 特定の組織や団体だけに通用する常識観が 殺人事件を通して表現されていると思います。 確かに外の人間から見れば非常識でも中にいる人間に取っては 当たり前のことなんてゴマンとあるのかもしれない。 中にいておかしいと思っても自分が所属する組織や団体から 疎外されないようにするために加害者になるなんて最近の 企業の不祥事と相通づるところがあるかもしれないと思わされます。
0投稿日: 2016.12.25
人形家族 熱血刑事赤羽健吾の危機一髪
木下半太
幻冬舎文庫
本当のことはわからない
連続殺人鬼の心の闇なんて、本当のところ誰も何もわからないのだろう。 殺人の事実に対して、加害者の経歴より動機を解明して真実として 納得したいのは人の性かもしれない。 被害者は、悲しみ、憎しみを抱えてシリアルキラーへと変貌する。 シリアルキラーが誕生し事件を起こすたびに赤羽健吾がかかわっていく その事件の背景には、祖父、赤羽光晴が絡んでいる。 祖父との因縁めいた事件の絡みは、伝説の刑事と呼ばれた 赤羽光晴を超えるための試練なのかもしれない。
0投稿日: 2016.12.04
夢の国から悪夢の国へ―40年間続いたアメリカン・バブルの大崩壊
増田悦佐
東洋経済新報社
今、アメリカで何が?
米大統領選、共和党候補のトランプ氏が注目を浴びている。 新聞のコラム欄や識者に批判されたりしているが一般大衆から支持を得ているようで選挙戦は勝利を重ねている 知識層と呼ばれる人達と一般の大衆の間で今何が起こっているのだろうか? 日本のニュースではアメリカ国内の事情はよく分からないが、いまのアメリカ社会の実情を理解するにはいい本だと思う。 年金資金株式市場に投入や中間層と呼ばれる人たちの貧困化など 今後の日本の社会の未来図のような印象を持ちました。
0投稿日: 2016.03.19
中国大破綻
宮崎正弘
PHP研究所
中国バブルの崩壊間近?
最近は、TVでも何かと中国の話題がいろいろ流されていますが そんな中国の経済においての不動産バブルの崩壊に至っている状況が詳細に述べられています。 先のリーマンショックでは日本経済の打撃が大きかったが著者の見解では中国のバブル崩壊は それ以上に影響が大きいとのことでした。 日本に何かと影響が及ぶお隣の国の事情ですがバブル崩壊の影響は対岸の火事であってほしいと思います。 中国人の思考を知るにはいい本ではないかと思います。
0投稿日: 2015.05.06
悪意のクイーン
井上剛
徳間文庫
人間の本性
人の心理がうまくストーリに組み込まれていると思います。 憎しみや嫉妬といった感情から起こる悪意が復讐に至る過程が丁寧に展開されています。 集団における人間の本性はやはり主従、優劣の立場満たすことに力点が働いているのだと思わされます。 読んでいてコミュニティー・学校・会社でありえることだなと実感さえします。
1投稿日: 2015.03.21
アヒルキラー 新米刑事赤羽健吾の絶体絶命
木下半太
幻冬舎文庫
殺人鬼の系譜
警察官と殺人鬼の3代にわたるつながりが面白かったです。 残酷な殺人鬼だけでなく知能犯との組み合わせとの 数奇な因縁も面白かったです。 ストーリーに引き込まれて一気読みしてしましました。
1投稿日: 2014.12.28
カリスマ(上)
新堂冬樹
幻冬舎文庫
マインドコントロール
20年ほど前に連日TVをにぎわせた某宗教団体がモデルになっています。 読みながら当時のTVで流れた映像が思い出されました。 上中下と長く内容も人の心の醜い部分が前面に出ているためか内容が暗いです。 なかなか読み進めるのがつらい感じがしました。 洗脳(マインドコントロール)の過程と内容が詳しく書かれていましたが 人は何かに依存するのがいいのか、それとも自立することがいいのか考えさせられました。 今の不確実な世の中にあっては小説のようなカルト教団に依存する人も多いのでは? と読後に思いました。
0投稿日: 2014.11.16
あすなろ三三七拍子(上)
重松清
講談社文庫
泣けて、心に響きます。
社長命令により45歳のサラリーマンが大学の応援団入団するが 無理難題や理不尽な「団」の決まりごとに悪戦苦闘しながら立ち向かう姿は 涙あり笑いありですがすがしさを感じました。 中年オヤジから見た大学生の若者に対する説教臭さや若さに対する羨ましさ そんな人間臭さもとてもよく表現されています。 現在の合理主義や効率優先の世に中にあって人を応援することの 理屈でない感情を表現しているところに心動かされます。 人はなぜ汗をかいて努力するのか、なぜ応援したくなるのか 応援される人は、「よくやった」 応援する人は、「ありがとう」 その一言のためにひたむきになれるのかもしれない。 甲子園が開催します、こういった場面を多く見れる時期が来ました。
1投稿日: 2014.08.10
ロスト・シンボル(上)
ダン・ブラウン,越前敏弥
角川文庫
一気読み
ストーリーの展開がスピーディーで面白く上中下巻一気に読み終えました。 秘密結社フリーメイソンの成り立ちや秘密儀礼、ピラミッドとのかかわりの記載もあり 日本の小説ではない面白さがありました。 アメリカ社会におけるフリーメイソンの立ち位置を考えると さまざまな事件における陰謀論が起こるのも何となく理解できると思える小説でした。
0投稿日: 2014.06.29
