shirokuma-pandaさんのレビュー
参考にされた数
19
このユーザーのレビュー
-
もう過去はいらない
ダニエル・フリードマン, 野口百合子 / 東京創元社
88歳と78歳の知恵比べ! 決して高齢者と侮るな。
0
近々『死』がやってくることは間違いない。既にその兆候は日増しに顕著である。現に、前作で負った傷が故で歩行記が手放せない状況だ。
携帯は使えても、孫のテキーラが持っているスマホのことは分からないし、孫の…はなし《GPS? SNS?ets.》は、正直 理解不能だ。
だが、それがなんだ! 若い奴らはそんなものに答を頼り切ってるが、長い人生を生きてきて学んだことはそんなものでは学べない。
だから 奴イライジャの考えている答は 違うものだと直感的にわかるのだ。
ストーリーは、現在と過去の 約40年を行き来しながら進行してゆく。 40年の年月は、はたして長いものなのか 案外短いものなのか?
ユダヤ人の強制施設でアウシュビッツよりももっと酷いところがあった「行き先は?アウシュビッツ!よかった」らしい。
だが、88歳にマグナムが撃てるのか?
続きを読む投稿日:2016.02.02
-
その日のまえに
重松清 / 文春文庫
その日の前 その日 その日の後
0
『生きる、とは何か?』というテーゼは、人類の誕生と共に人間に等しく与えられた永遠の宿題であるが、その”答えのひとつ”がここにある。 その答を 哲学的あるいは宗教的なアプローチではなく、あくまで文学(小…説)的に探っていくと、こんな人間的で、日常的で、悲しくて、でも優しさに溢れた”答えのひとつ”に辿り着くことができるのかもしれない。
しかしその答えは一方で、とても残酷で『非人間的』で『非日常的』なことと紙一重でもある。。 なにしろそれは、『その日』が来るのは明日でもなく明後日でもないと思っている我々が、常日頃は 考えない、考える事を後回しにしている(しかし、いつかはそれに絡み取られる日が来ることが約束されていることは解かっている…だからこそ日常生活に持ち込む事を常に小休止している)『その日』についての答えだからだろうか。
続きを読む投稿日:2015.05.25
-
もう年はとれない
ダニエル・フリードマン, 野口百合子 / 東京創元社
300万ドルの金塊
0
第2次大戦時 ナチスの収容所で過酷な経験をし その後刑事となって 今や「伝説の刑事」ももはや引退して 現在齢87歳。当然 足腰は往年の頃の面影もなく弱り、あまつさえ、いつか いや既に認知症になっている…のではないか と怯える毎日。
ある時、収容所時代の旧敵が 豊富な逃亡資金をもとに身分を偽り アメリカ国内に潜伏していることを知り、孫の助けを借りながら捜索を始るハメとなった。 というのが主なブロットであるが ハードボイルド小説ではありがちなことではあるが、読ませるものは、主にストーリーだけではなく、洒脱で粋な(やせ我慢的な)生き方にある。アナログでしか生きてこれなかった主人公が、孫の駆使する先端技術ご結局理解できないまま しかし その優秀さを認めつつ進行する過程も面白い。 最後は…。 ネタバレになりそうなので。
(粋な)主人公の 続きを読む投稿日:2015.05.14
-
クリスマスのフロスト
R・D・ウィングフィールド, 芹澤恵 / 創元推理文庫
う~ん!困るよなァ
0
こんな人物が身近にいたら ましてや上司だったりしたら 困るよなァ。で、小説上のその身近な部下達が結構優秀でフロフト自身彼らに助けられている事が本当に分かっているのかどうか?(現実よくありがちな話)
で…も、なぜか憎めない性格(雑だけど)と変についてるような ついてないような展開で結局難事件を解決してしまう。 う~ん!このシリーズ買うべきかどうか!困るよなァ 続きを読む投稿日:2014.04.17
-
白ゆき姫殺人事件
湊かなえ / 集英社文庫
井上真央?
0
トリック解明に至るブロットは twitterを使った斬新さが面白かったが、私は読みながらも女性主人公(?)を勝手に想像していたイメージでは、決して井上真央ではなかったので(誤解のないように言っておきま…すが私は彼女のファンですが)、その意味ではドラマが始まる前にこの本を読んでおいてもいいかな と思います。一方、真央ちゃんがどんなふうにこの役を演じるのか?期待もしています。 続きを読む
投稿日:2014.04.17
-
泥棒は詩を口ずさむ
ローレンス・ブロック, 田口俊樹 / ハヤカワ・ミステリ文庫
ニューヨークっ子の小粋さ
0
ローレンス・ブロックは全て読破した(つもりですが)。いつもながら私を寝不足にさせてくれて感謝しています。相手の表情のちょっとした変化や 言葉の端〃に鋭い洞察で真相に迫る展開は、読む者を退屈させない。毎…度ながらさすがブロックは巧妙に読者をひきつけてやみません。 続きを読む
投稿日:2014.04.14