sazankasazankaさんのレビュー
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少し変わった子あります
森博嗣 / 文藝春秋
世の中というものは
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杳として知れない、ということか?
匿名であることが、最終的にすべてを匿名化してしまう。
最終話が闇に紛れてしまうように。
あれほど、拘っていた鉄塔さえも闇に紛れてしまった。
静寂を楽しむ会話も同席する…女性も、そして、例によって女将の顔も。
すべては匿名性のうちに、あやふやなうちに処理されてしまう。
最終話が闇に紛れて、ついには探し続けていた友人の名前さえ紛れてしまうのには、ゾッとしたが、一度きりの場を離れて思い出したときにはホッとした。
それにしても、代償とは何か?
ゴジラの話はいくらなんでも忘れそうにないと思われるが、初めての話のように聞かされているのは、やっぱりゾッとした。
何の代償でこうなってしまうのか?
すべては闇に紛れてしまう。
続きを読む投稿日:2015.10.23