ararakorara2000さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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パレード
吉田修一 / 幻冬舎
虚構
0
共同生活する 5人の若者 の日常を描く群像劇として進んでいく。
5人それぞれのエピソード、日常描写がリアルで面白い。
しかし、「ふーん そうなんだ」という感じの域は出ない。
「サトル」の章で、がらっと…雰囲気が変わる。
伏線が無く唐突に起きる最終章の意外な結末は、全体のバランスを崩し違和感だけが残った。 続きを読む投稿日:2016.04.12
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シェエラザード(下)
浅田次郎 / 講談社文庫
戦争
1
「弥勒丸」沈没の謎と金塊探しにまつわる話は興味深く、現在と戦時下が入り混じりストーリーが展開する。物語の前半は面白いが、残念かな後半は失速。同じ話が何度も何度も繰り返され、「弥勒丸」を執拗に「彼女」と…擬人化し崇める。設定が良いので全体としては十分に楽しめるが、感動するところまで至らないのはこの辺が原因かもしれない。
日本が先の大戦に至る過程や理由を、学校教育ではしていないと思う。
このような小説に触れることも、戦争がもたらす理不尽さを理解する一助になると思う。
「戦後」である現在が、「次の戦争」の戦前にならない事を願うのみだ。 続きを読む投稿日:2016.02.25
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終わらない歌
宮下奈都 / 実業之日本社文庫
清々しい
0
たまたま読んだ「よろこびの歌」に、いたく感動したので今作を読んだ。
前作から少し大人になった彼女達が経験する試練と躓き。そして悩みを抱えながらも自分の道を歩き出す姿に心を動かされる。
遠い昔、確かに感…じたトキメキやほろ苦さを思い出させてくれる。
長い長い人生、まだ始まったばかりだ。五年後、十年後、歩んで行く彼女達をまた描いて欲しい。
またしてもやられてしまった。 続きを読む投稿日:2016.02.04
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三人の悪党~きんぴか(1)~
浅田次郎 / 光文社文庫
とにかく面白い
3
恥ずかしながら、浅田次郎を読むのは初めてです。純文学の偉い先生のイメージでした。
ところがドッコイ、少しどころかだいぶ変な愛すべき三人の悪党の話。
主役たちはもちろん、いろいろな登場人物がみんな面白…い。自然と笑いがこみ上げてくる。三人それぞれの異質なエピソードからできているので全く飽きない。
笑いも涙もあり気分爽快、元気が出てくる。
あー、もう終わってしまった。次に行こう。 続きを読む投稿日:2016.01.12
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アンタさん
阿川佐和子 / 文春文庫
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約束の森
沢木冬吾 / 角川文庫
マクナイトにまた会いたい
0
世捨て人の中年男と見捨てられた犬。潜入捜査。
ハードボイルドらしい設定だ。
擬似家族の人間模様、マクナイトとの交流が丁寧に描かれている。全編通じて面白い。
敵の組織は大きすぎてよくわからないが、理屈…抜きでスカっと楽しめる。
正にマクナイトは奇跡の犬だ。終盤のアクションシーンは緊迫感に溢れていて、頁をめくるスピードが速くなる。
読みながら誰も死なないで欲しいと、思いがこみ上げてくる。
ああ、面白かった。 続きを読む投稿日:2015.11.05