tariさんのレビュー
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10
このユーザーのレビュー
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心を動かす 無敵の文章術
千田琢哉 / マガジンハウス
読みやすい
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章ごとのタイトルや強調された文章だけで要点がつかめ、スラスラ進む読みやすい一冊です。
文章を書くことを一から学びたいと思う方にはオススメです。
私も今一つ自信がなくて読んでみましたが、自信を得る部…分とこれからの課題を見つけたように思います。自分を客観的にとらえることにも役立ちました。
ただ、すぐ読めてしまうので、あっけなさがありましたが。
まあ、長ければいいものでもないですね。
手にとっていただければわかりますが、そこは作者の狙いでもあり能力なのだと思います。
続きを読む投稿日:2019.02.16
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ノラガミ(19)
あだちとか / 月刊少年マガジン
早く次が読みたい^^;
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息を飲むような展開の18巻からひとまずの19巻。
解決したのではなく、関わった人々すべてに傷口は残ったまま。
夜トを取り巻く一人一人に焦点を当てているとまだまだいろんな事が起こりそう。
夜トの決…意に泣きたくなる思いでした。 続きを読む投稿日:2018.09.01
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ダスト 下
ヒュー・ハウイー, 雨海弘美 / 角川文庫
長かった…ホントに面白かった!
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この三部作を日々少しずつ読んでいて、やっと終わったというのがほんとの実感。長くだらだらと読んでしまったけれど、この最後の巻はほぼ一気読み。とにかく最後の最後までどうなるのやら、ホントに終わるのか分から…ない展開の連続でありました。解説でもありましたが、状況を打破しようとする人々の苦難は終わることがなく、打ちのめされることばかり。読んでいて辛くなることも度々。
生と死のはざまにあって選択するものが、最善なのか最悪なのかなんて分からないし、世界のなかで人間の営みなんて些細なものかもしれないけれど、絶望や自分でも分からない大きなものにのまれるよりは、嘘でもいいから希望の方を向いた方が事態は開ける。例えそこでダメでも何もしないで倒れるよりはましなんじゃないかと、社会の仕組みにのまれて、不安な将来を思う自分としては、十分に我が身を震わせてくれるような作品でした。
三部作と長いので、さあさあどうぞと気軽にオススメできかねるのが残念ですが、次の作品を求めてこちらにたどり着いた方はぜひ、『wool』から読んでみてください。 続きを読む投稿日:2017.03.12
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ウール 上
ヒュー・ハウイー, 雨海弘美 / 角川文庫
予想もつかぬ展開。
1
限定された世界の中で生きる人々、独自のルール、罰。
読む側はその世界を理解しようにも、何も知らされず、描かれる人々を通して理解していくしかない。
何が起こるかわからない、その先がどうなるのか、全く予想…がつかない展開にぐいぐい引き込まれていく。
淡々と事態が動いていく中にも、その人々の心の有り様が丁寧に書かれていて、いつの間にか、物語のなかに深く入り込んでいる。
この上下二冊の先にも続きがあるのだが、本当に驚きの連続で、この特殊な状況のなかに生身の人間の有り様をこうも描くことが出来るとは!
作者の想像力と表現力に脱帽です。
続きを読む投稿日:2017.01.30
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紙の動物園
ケン・リュウ, 古沢嘉通 / 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
SF文学
4
短編集だがけっこうボリュームがある。長編小説を読み終えたような満足感があった。
文章が繊細で表現力に富んでいて、登場人物の心を読ませるまさに文学といっていいと思う。別にSFじゃなくたっていいじゃないか…と思うのだか、一編一編読み終わる度に、ベースがSFでないことにはストーリーが成り立たないことに気づく。
彼らの舞台は現在とは違う場所にあるのだが、そこにできるストーリーは現在の私たちとは何ら変わらない人間がつくるのだ。気持ちも行動も現在の延長線上にある。その上、SFのアイデアも加わるのだから面白くないわけがない。近未来の日常、フィクションを舞台にした日常、うまく溶け合って馴染んでいてうまいなあと感心してしまう。
この世界観をずっと読んでいたい。もっと翻訳本が読めるといいのにと思っている。 続きを読む投稿日:2016.11.14
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教団X
中村文則 / 集英社文芸単行本
希望?絶望?
4
帯のイチオシ、マジオシとあったのと、どこかで作者のインタビューを読んだのがきっかけです。
世界に居場所を見つけようとしても、どこまでも暗闇。裏側でみた世界から見える、本当の世界を光にさらけ出すことで自…らも光の元に行けたなら…。
共感しやすい現実と限定された人しか体験できない非日常が、下手をすると物語の中で解離してしまいがちですが、そこはうまく繋がっていてあまり違和感はありませんでした。
救われない日々をどう生きていけばいいのか、作者は行き先を示してくれたように思いますが、暗闇に足をすくわれることなく希望を持つことも難しいですね。
読んでいて場面や話題が様々に飛びすぎ、何が言いたいんだか良くわからなくなりましたが、膨大な参考資料を見ると、伝えたいことが凝縮しきれてないんだなという印象を持ちました。
最後まで読んで正直ほっとしますが、唐突な感じもします。希望をいだくのはなかなか大変なことなのです。
この小説はフィクションというより、となりにある現実です。それは十分に感じました。 続きを読む投稿日:2016.02.20