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このユーザーのレビュー
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合本 竜馬がゆく(一)~(八)【文春e-Books】
司馬遼太郎 / 文春e-Books
もっと若い時に読んでおくべきだった・・・(再レビュー)
12
昨年6月か7月に「竜馬がゆく 全8巻セット」にレビューを投稿したのですが、いつの間にか「該当コンテンツは、現在取り扱っておりません。」と表示・・・(←レビュー投稿者にとっては、かなり悲しいですよね。)…気づいたのがこれで3作目。Reader Storeさん、せめてレビューだけは削らないでくださいな。
商品名?が変わっただけで、小説そのものが変わったわけではないので再投稿です。
高校生の時、一度読もうとしましたが、
部活でへとへとになっていることを言い訳に
挫折してしまった本です。
あれから うん十年、恥ずかしながら電子書籍化を機に
ようやく全巻を読むことができました。
読んだのは2013年の9月から10月にかけてです。
(その時は文藝春秋の本はレビューを書くことが
できなかった?のが、いつの間にか記入可能に…)
司馬遼太郎氏によって、激動の時代の日本を生きた
数多の人物がいきいきと描かれ、惹き込まれます。
坂本龍馬の生き方、考え方、人生の軌跡に
ますます魅力を感じ、憧れをも抱きます。
仕事上の不平不満や目先の損得で物事を考えている
小さい自分に気づかされ、猛省させられました。
人生とは、人との出会い、そして別れの連続
それは偶然なのか必然なのか どちらにせよ、
人との出会いを大切にして人生を歩んでいきたい。
私にとって 人生必読の本となりました。 続きを読む投稿日:2015.01.31
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雷の季節の終わりに
恒川光太郎 / 角川ホラー文庫
長篇も いいですよ~♪
9
神隠しの異世界・穏(おん)の物語と
現世の物語の
クロスオーバー・ホラー・ファンタジー
2つの物語が交差するとき・・・
ミステリー的な展開もよかったです。
「夜市」「風の古道」に通じる
幻想的で抒情的…な異世界の情景と
そこに存在する謎めいた人々の営みの描写
不条理で残酷な物語・・・
それでいて、雰囲気が静かに沁みこんでくる美しい文体に
妖しく、せつなく、哀しい読後感
もっとこの世界観に浸っていたかった
―――そう思わせる長篇小説でした。 続きを読む投稿日:2015.01.27
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千里眼 キネシクス・アイ 下
松岡圭祐 / 角川文庫
人の可能性
1
「千里眼」新シリーズ第10弾・下です。
日本人女性初のF15Jイーグルドライバーにして現在、臨床心理士。鍛え抜かれた動体視力と心理学に裏打ちされた観察眼をもち、瞬時に相手の心理を読み取る。各種格闘技…にも長け、ピアノやバイオリンも弾きこなす。博学多才で凛田莉子のようなロジカル・シンキングと浅倉絢奈のようなラテラル・シンキングを持ち合わせ、優れた洞察力と推理力、判断力で日本のみならず世界の危機を幾度となく救ってきた、才色兼備の無敵のヒロイン 岬 美由紀 人呼んで「千里眼」
唯一、人を愛することの
人に愛されることの 強さに気づかない女
そして、多くの人に愛されていることに気づけない女・・・
自己犠牲という優しさをもって 他人のために命を懸ける
自分はどうなっても構わない 大切な人を巻き込みたくない
独りで生きる道を選ぶ そんな独りよがりの強い思いでも
岬 美由紀を愛する人たちは 協力を惜しまない
命の危険を顧みず 勇気を奮って
岬 美由紀のために力を尽くす 読む者の胸をも熱くする
たとえ不可能と分かっていても 死ぬとわかっていても
最後の最後までけっして諦めない 意志の力
人の感情が 人の可能性が 心の力が
圧倒的な機械の力に立ち向かう
新シリーズ全10巻。2009年のこの巻以降、
続編は執筆されていないようです。
もっとも、2010年からはQシリーズが始まるわけですが・・・
まだ いくつかの謎が残されている千里眼シリーズ
いつの日か、岬 美由紀に再会できることを願っています 続きを読む投稿日:2015.01.04
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千里眼 キネシクス・アイ 上
松岡圭祐 / 角川文庫
すべての始まり
2
「千里眼」新シリーズ第10弾・上です。
岬 美由紀 小学校6年生のエピソードが語られます。
今まであまり詳しく語られることのなかった、岬家の様子が描かれ、なんだかホッとします。小6からすでにメフィス…ト並みの心理戦、駆け引きを経験して、というよりは才能でしょうか。大胆な行動力と正義感は、すでに持ち合わせていたのですね。国語のテストの文章に感動して問題を解く時間が無くなるなんて、凛田莉子を彷彿とさせます。
千里眼としての岬 美由紀の人生が始まった日ともいえる、
あの日、あの事件が描かれます・・・
岬 美由紀の思考や感情さえも
瞬時に読み取ってしまう機械「キネシクス・アイ」
人と機械の戦いにどう決着をつけるのか、
運や偶然に頼るしか対抗する術は無いようですが・・・
っていうか、もし運や偶然で解決したら、
Readerを2階の窓からほん投げます!ってくらいの
熱い気持ちで、これから最終巻?を読みます! 続きを読む投稿日:2015.01.03
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千里眼 優しい悪魔 下
松岡圭祐 / 角川文庫
最終回のような 一抹の寂しさ
2
「千里眼」新シリーズ第9弾・下です。
岬 美由紀とジェニファー
ダビデとジェニファー
そしてダビデと岬 美由紀・・・
今回はいろんなことに決着がつきましたね。
別れ 旅立ち・・・ぐっときました。
ラ…ストのダビデの優しさにウルッときちゃって、
男の自分でも、ほ、惚れてしまいましたよ!
クラシックシリーズの天才マジシャンと
水晶体のあの女までもが登場し、
ある意味、最終話で大団円って感じでしたが・・・
一ノ瀬恵理香、李 秀卿にも登場してほしかったなあ~
クラシックシリーズが友里佐知子、鬼芭阿諛子との決着
新シリーズがメフィストとの決着
と いったところでしょうか。
さて、新シリーズも残すは1作「キネシクス・アイ」
岬 美由紀 最後の闘い?に刮目しようと思います。 続きを読む投稿日:2014.12.30
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千里眼 優しい悪魔 上
松岡圭祐 / 角川文庫
メフィスト VS ノン=クオリア
3
「千里眼」新シリーズ第9弾・上です。
クラシックシリーズからの古キャラである
ダビデとジェニファー
2人の過去が語られます。特にダビデは、なぜか憎めない敵キャラでしたが、おお!そんな過去があったのだ…ね と一層感情移入してしまいました(脳内イメージは いかついジャン・レノ)。タイトルの「優しい悪魔」って、きっと彼のことなのでしょう。
ある精神疾患の患者さんたちに対するアプローチが、岬 美由紀とダビデとではまるで異なり、その対比が興味深かったです。ダビデのやり方は、小説ならではのダイナミックなスケール! それもちゃんとストーリーに絡んでいて、読む者を飽きさせないどころか、納得のいく展開。
第8弾で出現した謎の組織ノン=クオリア。というより、クラシックシリーズからすでに伏線が張られていたようですが、メフィストとノン=クオリアの表立った対立がここで初めて描かれます。
さて、どうなる?どうなるの~?と気になる下巻へと続きます。 続きを読む投稿日:2014.12.29