asphericさんのレビュー
参考にされた数
30
このユーザーのレビュー
-
寝ながら学べる構造主義
内田樹 / 文春新書
「なるほど」となるのが快感
1
岡田斗司夫氏との共著「評価と贈与の経済学」を読んで以来気になっていた内田樹氏の著書。
構造主義に興味があったわけではないが、読み始めると翻訳文では何を言っているのかさっぱりわからないニーチェらの哲学的…な主張も、独特のわかりやすい例えを引き合いに出して説明しているため、何となくわかった気になる。 続きを読む投稿日:2015.08.05
-
技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道
畑村洋太郎 / 講談社現代新書
現実を直視し意識を変える
1
戦後50年間はどこに向かって進めばよいかが明確で高度経済成長を謳歌できました。しかしその後の20年間は行き先さえ分からずにただジャパンアズNo1という幻想を抱き、自信過剰、傲慢になりました。このことに…そろそろ気づき始めたのではないでしょうか。原発の電源喪失に見る「想定外」、半導体産業での敗北、電機メーカーの不振と、事例は枚挙にいとまがありません。
本書では日本の置かれている現状、日本がこれから意識するべきこと、日本の生きる道について、失敗学の畑村洋太郎氏が三現(現地、現物、現人)を実践して語っています。
印象に残ったのは、品質幻想。高品質を誇り韓国製半導体を粗悪品と油断していた日本の半導体メーカーは何社生き残ったでしょうか。know/howにこだわっていると思考が停止します。大事なのはknow/whyまたはknow/what。 続きを読む投稿日:2015.08.10
-
「快速」と「準急」はどっちが速い?~鉄道のオキテはややこしい~
所澤秀樹 / 光文社新書
鉄道には不可解なことが多数ある
1
本書のタイトルでもあるがどちらが上位かわからない列車種別、自社線は走らずひたすら他社線を徘徊する電車、「普通」と「各駅停車」はどう違う、JRの乗車券原紙に"小田急電鉄"と印字されている指定券などなど、…鉄道にまつわるオキテのややこしさ、ものめずらしさを「へぇー」と楽しむ1冊。怪現象を具体例で解き明かしてくれる。
時々挿し込まれている往年の特急車両の写真は、最近の無表情・クールな顔つきの車両に比べると愛嬌がありなぜかホッとする。個人的には阪神電車の生い立ちが「へぇー」だった。 続きを読む投稿日:2016.05.14
-
ソラリス
スタニスワフ レム, 沼野 充義 / ハヤカワ文庫SF
ソラリスの不思議な"海"のことを想像するのが楽しい
1
存在するかしないかはさておき、
知的生命体といえば外見はどうあれ
人間に準じた形態の生物を想像してしまう。
人間と似たような思考回路を持ち、
私達が合理的と考える行動様式を取ると予測する。
ここに描か…れているのは惑星ソラリスの
"海みたいなもの"とのコンタクトである。
それは生命体かどうかもあやしく、
挙動は長年の"ソラリス学"の研究成果もむなしく、
意味不明である。
いかなる意思疎通方法も持たない
絶望的に遠い”他者”とのコンタクトの描写が
素晴らしい。 続きを読む投稿日:2016.05.13
-
朝日新聞記者のネット情報活用術
平和博 / 朝日新聞出版
情報収集の参考に
1
最初に情報をあつかう7つのポイントから示され、それぞれのポイントについて詳しく述べていくという形式を取っているため、読み進めやすい。
それぞれのポイントでは過去の事例であったり、有用なサービスが挙げら…れ、その利用方法も示されているので、有意義なものについては取り込んでいくことができる。
現状は情報”収集”を参考にしている。 続きを読む投稿日:2013.10.14
-
地図で読む「国際関係」入門
眞淳平 / ちくまプリマー新書
世界情勢の教科書として読める
1
今現在の世界情勢をギュッと1冊の新書に押し込め、中学生にもわかるような平易な文章で著述されており、「教科書」的だ。タイトル通り極力地図を挿れた解説がなされており、世界情勢を「俯瞰」するには丁度よい。興…味がある箇所は巻末の参考文献を漁ればよいと思う。 続きを読む
投稿日:2015.10.06