積ん読くんさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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黄金海峡(電子復刻版)
南里征典 / 徳間文庫
80年代の携帯が無い時代の冒険小説
1
ラジオドラマで遙か昔に聞いたことがあり、タイトルが頭の中にずっと残っていた物語。
日露戦争で沈没したロシア・バルチック艦隊の引き揚げにまつわる、財宝と欲と殺人が絡みあうというストーリー。
財宝と聞くと…心がざわめくのは何故でしょう…。男の子だからか。
中盤からラストにかけてかなり盛り上がってくる。
町の住人がどこに消えたのか?心中した2人の謎は?謎の美女の正体は?そして財宝を巡る争いの主導権を握るのは?
でも…ラストがややあっさりしてる気がする。もっと、こう、何というか…盛り上がっても良いような。二転三転してもいいのにな…と思ったので★4 続きを読む投稿日:2016.06.27
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探偵ザンティピーの仏心
小路幸也 / 幻冬舎文庫
殺伐としてないのがいい
1
探偵ザンティビーの2作目。
『男はつらいよ』のフーテンの寅を愛する探偵の冒険話たいえば良いかな(笑)
舞台は今回も北海道。
依頼を受け北海道にやってきたものの、突然殴られ気がつけば縛られて洞穴の中と…いう展開。
サスペンスというほどの緊迫感はなく、終始楽に読めてしまうのがこの作品のよいところなのかもしれない。
読んでてようやく分かったのだが、作品の舞台は昭和50年代なんだ。そう言えば携帯とか全く出てこないもんな。 続きを読む投稿日:2017.02.26
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妖(あやかし)の華
誉田哲也 / 文春文庫
現代の孤独な吸血鬼の話
1
誉田哲也さんのデビュー作。
誉田作品で有名な警察ものとは全然ちがう。
読み比べてみると、その違いが分かると思う。
主役は400歳の吸血鬼(作中では闇神と表記)の紅鈴。
視点は紅鈴中心。
吸血鬼の強…さ…というものを表現しているものではない。
不老不死で独りで生きることの孤独感。
強靭な肉体とパワーを持つ『弱い生き物』としての吸血鬼。
スティーブンキングとかの吸血鬼ものには純粋に恐怖を感じたけど、この作品は恐怖ではなく『淋しさ』と『愛』を感じる。
是非読んでもらいたい。 続きを読む投稿日:2015.07.11
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ジョーカー・ゲーム
柳広司 / 角川文庫
俺ならば出来て当然
1
スパイ養成学校『D機関』とそこを卒業した男たちの物語。
文句なしに面白く、気がつけば読了。
お陰で寝不足となりました。
それぞれ各話ごとに主人公は違うが、共通していえるのはD機関の創設者結城中佐の…スパイとしての覚悟と孤独、それに非情さとかすかな『愛』。
全く自分とは重なる所がないので、物語として純粋に楽しめました(笑) 続きを読む投稿日:2015.05.04
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カムナビ(下)
梅原克文 / 角川ホラー文庫
考古学ファンなので入り込みました
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上下巻ともにボリュームあります。
でも、最後まで飽きずに読めます。
考古学とか伝奇ものとか、不思議なものや謎が好きな人なら是非。
縄文式土偶がすぐに頭に思い浮かぶ人も是非。
あの宇宙人のような土偶が…、全身青色になって出てきます。きれいですよ、きっと(笑)
ちょっとだけ超能力っぽいものが出ますが、それが絶対的力を持つわけではなく、あくまで添え物のように控えてます。
読んだ後、物語で出てきた奈良県桜井市とか行ってみたくなりましたね~。 続きを読む投稿日:2014.12.24
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龍宮の鍵
田中経一 / 幻冬舎単行本
感情移入し過ぎました…
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父親の死で心に深い傷を負った主人公の成長の物語…かな。
ヒロインの味方になる40代半ばの男性が自分と年齢が近いことから『頑張れ』と応援するように読んでしまった。
そのためか、ある場面では胸が高鳴り…、ある場面では切なく…。
良作でした。 続きを読む投稿日:2017.11.20