
失われた超大陸パンゲア文明「アスカ」の謎
飛鳥昭雄,三神たける
学研
おふざけに付き合うにはちと値段が高かった
「古代文明フェア」というので思わず購入してしまった。日本人の心の故郷ともいうべき「飛鳥」の地名のルーツがシルクロードの向こう側にあった、というのは興味深い。私こういう話は好きなんだけどね。如何せん話を盛り過ぎ、読みながら「それはない」と思わずツッコミ入れてしまう…。そのせいで作者に対する信憑性が欠落してしまい、言ってることにリアリティが持てず途中で読む気が失せてしまった。今時はこんなのでも売れるの? ネタは面白そうなのにね。古代文明とか興味あるんだけどこれはお粗末。本文中でも触れられていますが元ネタは五島勉氏の「幻の超古代帝国アスカ」という本だそうです。
4投稿日: 2017.02.06
三途の川で落しもの
西條奈加
幻冬舎文庫
仕事はカローン
主人公は小学6年生でその視点で物語が進みます。子供でも読める作品ですが大人が読んでも深いです。 橋から転落した少年叶人(かなと)、その魂は賽の河原まで来たものの叶人はまだ死んでいないらしく三途の川を渡ることはできません。なぜか三途の川の渡し舟を手伝うことになりました。死者が現世に未練を残していると川が荒れて地獄玉を落としてしまいます。渡し守の凸凹コンビと地獄玉を探すうち…。 渡し守の二人は江戸時代に生きていたチンピラ虎之助と誠実な十蔵、なんとも奇妙な組み合わせです。二人にもまれ成長したね叶人君。
3投稿日: 2017.01.26
プロジェクトX 挑戦者たち 命輝け ゼロからの出発 わが友へ 病床からのキックオフ/Jリーグ誕生 知られざるドラマ
NHK「プロジェクトX」制作班
プロジェクトX 挑戦者たち
Jリーグ誕生のドラマ
2017年1月15日、Jリーグ創設の立役者木之本興三さんが亡くなりました。26歳の時に病気で腎臓を摘出、以降週3日は病院で人工透析を受けながら、日本に地域密着のプロサッカーリーグを作るという夢物語の実現に邁進した木之本さん。Jリーグ誕生は日本のスポーツがそれまでは理想でしかなかった方向に舵を切った大きな転機だったと私は思います。
2投稿日: 2017.01.16
バチバチBURST 1
佐藤タカヒロ
週刊少年チャンピオン
灼熱大相撲第2シリーズ
バチバチ・シリーズ第2作は鮫島鯉太郎の幕下での一場所の物語です。 入門から1年、春となり鯉太郎にも常松、大吉と2人の弟弟子ができました。学生横綱の常松は虎城部屋の誘いを蹴っての空流部屋入り、年齢は中卒の鯉太郎より上ですしなんだか怪しげ。 かくして五月場所、宿縁の虎城部屋王虎は初土俵から圧倒的な強さで無敗のまま一気に幕下まで上がってきました。その王虎に空流部屋の鯉太郎、兄弟子白水、幕下付出デビュー常松の3人と、鯉太郎の同期ライバル石川、天雷、田上。そして空流部屋とは因縁のヒール大鵠らが絡み、それぞれの一番毎が異様なほど盛り上がる。また本作終盤では現役時代の虎城(王虎の父)と火竜(鯉太郎の父)の物語が回想されます。これが意外にもいい話。そして迎える幕下優勝決定戦。熱気渦巻く全12巻、一気に読めるのは幸せだ。
3投稿日: 2017.01.12
時をかけたいオジさん
板橋雅弘,江頭路子
TO文庫
おじさんのためのジュブナイルSF
日本の昭和ジュブナイルSFへの感謝が込められた一冊は、バツイチおじさんの初恋ストーリー。 タイトルから筒井康隆さんの「時をかける少女」、読んでて眉村卓さんの「なぞの転校生」(私は未読ですがこれでしょう)でした。読後感は平井和正さんの「待っている」(『ストレンジ・ランデヴー』に収録、知ってる人いるのか)かな、おじさんの私は楽しく読みました。
3投稿日: 2017.01.12
真幻魔大戦3 魔の標的
平井和正,生賴範義
e文庫
とにかく読みたい、せめて11巻までは早く
気になるのは続巻の刊行ペース。1巻出てから2巻出るまでがダレちゃいましたからね。 https://twitter.com/ebunko8/status/803251393918156801 e文庫の公式twitterでは11月28日に全15巻のサムネイル画像が公開されてますので、ここからは一気に出してくれるのでしょうか? 私はこれだけを楽しみにしてるのだからお願いしますよ、ホントに。 amazonの第1巻のレビューで書いておられる方がいますが、当時同時進行していた角川文庫版「幻魔大戦」と共に読み進めるなら、角川文庫のほうを2巻読むのに対して、徳間ノベルズ版にあたる本作を1巻読むのがちょうどいいペースかも。 ということで、この第3巻で杉村優里が登場です。角川版で杉村由紀の登場が第7巻のラストですから、優里のほうが先なんですね。
2投稿日: 2016.12.27
旧かなづかひで書く日本語
萩野貞樹
幻冬舎新書
美しい大和ことばに思ひをはせる
全文が「旧かなづかひ」で書かれています。でも、読み始めると違和感なく普通に読めます。というか歴史的仮名遣を心地よく感じました。 文章として記述するのに使うものであって、読むときは口語として普段私たちが使う音で読めばいいのですね。英語などでも単語の綴りと現代の発音は違いますがそれが普通であり、もし現代の発音にスペルを合わせてしまったら、記された文章の意味をとらえにくくなってしまう。「現代かなづかい」は日本語でそれをしてしまったのかもしれません。 書籍全体の三分の一ほどある最初の章は特に面白く読みました。日記やメールなど普段から「旧かなづかひ」で文章を書いてみましょう。というような内容ですが、生まれたときから現代仮名遣いの時代を生きてきた私にはなかなかそこまではできない。でも読むことに関しては「旧かなづかひ」で書かれた文章を読んでみたいと思いました。少なくとも日本の終戦以前の文芸作品は、現代文に書き変えたものではなく作者が書いた原文のままで味わいたいものだと思います。紙の本だと採算的に難しいかもしれないけど電子書籍でそういう本も出してほしいなあ。出版社さん是非お願いします。漢字も旧字体のままで表記するとなるとルビも振ってほしいし大変かな。端末の制限で表示しにくい漢字までは無理でも仮名遣いは原文のままとかがいいかも。 著者による戦後の国語政策批判については、言いたいことはわかるのですがそこまでムキにならなくても、とも。まあ、私自身の歴史的仮名遣への認識はだいぶ変わりましたし、面白い本でした。
4投稿日: 2016.12.03
エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ
荻原規子
講談社タイガ
続きが読みたい
第一曲小犬のプレリュードは前奏で、ここからが本編という感じかも。これからどう展開していくのでしょうか。 現役作家では荻原さんの小説を読んでる時が格別に楽しいことを再確認。いろいろツボすぎます、私には。 モノトーン男子が微笑んでましたね。みゃあとドキドキ。
3投稿日: 2016.11.05
バチバチ 16
佐藤タカヒロ
週刊少年チャンピオン
阿吽、同部屋対決を見届けろ
大相撲漫画「鮫島、最後の十五日」がとにかくすごいというので、シリーズを最初から読んでみたいとこの作品を手に取りました。「バチバチ」では鮫島鯉太郎の入門、前相撲、相撲教習所、序ノ口、序二段まで。部屋の兄弟子(阿形、吽形、川さん、白水)や同期のライバル(王虎、石川、渡部、田上、天雷、蒼希狼)たちと出会い、互いに成長していく姿が描かれます。 シリーズ第一作はこの巻で完結。吽形さんの生き様に鯉太郎は何を見る。
3投稿日: 2016.10.13
暁のイーリス
内堀優一,槇えびし
NOVEL 0
神の伝令
江戸の町で飛脚の熊八が知り合ったのはリュウバだかリョウマだかいう土佐の田舎侍。このお侍さん、郷里でも洟垂れ阿保垂れ寝小便垂れと馬鹿にされていた情けないヤツです。そいつがクマさんの死んだ弟に似てたばかりに、ちょっと助けてやったことからすっかり懐かれ友達に。そして時代は、黒船がやってきて幕末の動乱となっていきます。まるで落語でも聞いているような軽快な語りにグングン引き込まれていきました。 で実はクマさん、白狐の神様に見込まれています。この神様はこれから起こる政(まつりごと)が見えてるらしい。クマさんが伝える神様の伝令を天命と信じその実行に奮闘する龍馬。うつけなはずの龍馬の行動が世の中を変えていきます。前半の軽やかさから後半は時代のうねりを感じる骨太な物語になっていくではありませんか。 でもね、歴史の事実として私たち読者は坂本龍馬が暗殺されることを知っています。そのあたりがどうなるのかなと気になりますよね。そして勝さんと西郷どんの会談、江戸無血開城に至る歴史的会談の真実やいかに。 あ、主人公はクマさんこと熊八です。韋駄天の飛脚ですが江戸の町で女房子供と平穏に暮らしたいただの町人です。
3投稿日: 2016.09.29
