文市さんのレビュー
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ぼくがぼくであること
山中恒 / 角川文庫
教育ママから家出する小学6年生の冒険
1
山中恒、あばらはっちゃくの作者、「ビュワーンビュワーン」はしれちょうとっきゅうの作詞など有名です。
ぼくがぼくであることは、中学のころ、何度も何度も読み返した、お気に入りの一冊です。山中恒の児童よみも…の作家っぽい書き口は、あまり馴染めなかったけれど、この一冊ははまりました。
教育ママとその手先の妹、優秀な兄たちのいる家を出て、たどり着いた田舎で目撃するひき逃げ事件、受け入れてくれる田舎の家。子供にとって唯一絶対な家を出て、他に行く場所があるということで、主人公秀一の気持ちや考えはすっかり変わります。
映画転校生の原作となった「おれがあいつであいつがおれで」よりも、この一冊こそが、ぼくの捨てられない百冊に含まれています。
続きを読む投稿日:2013.10.04
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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9
渡航, ぽんかん8 / ガガガ文庫
俺ガイル、空虚な奉仕部からの逆転
0
楽しめる1-3巻。4巻ラストから、少しずつ積み重ねられた違和感が、8巻の失敗につながります。
前巻の間違いから、空疎な時が空回ります。
そうして1巻からぶれないぼっちだった八幡は、この9巻でついに、二…人に頼ります。
表紙を飾る平塚先生の1巻冒頭からの無茶な指導がついに結実する巻です。
無様な八幡の依頼と、本音の言葉。雪ノ下雪乃もまた、初めて本音を口にする、そんな、ずっしりとしてすっきりとした読後感の9巻です。おすすめです。
続きを読む投稿日:2014.05.02