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炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~
夏井睦 / 光文社新書
ダイエットから生命科学まで
8
糖質制限ダイエットの話と思いきや、それにとどまらず、哺乳類の腸の話、生物進化の話、人類が穀物をいかにして食べ始めたかという話、来たる食糧危機の時代を人類が生き残る為の方策まで、話が広がっていく。糖質制…限ダイエットしてみようかなと思う人には、納得して始めるきっかけになると思う。ダイエット以外の話も知的好奇心を刺激するし、著者の仮説も面白い。特に、6千年前初めて誰かが小麦栽培を始めたその動機がなんだったのか、著者の答えが面白い。スィーツ好きには説得力十分の仮説カモ。 続きを読む
投稿日:2014.01.04
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被取締役新入社員
安藤祐介 / 講談社文庫
頑張ってみようかなと思える読後感
3
モテない体型で、なんのとりえもない、ずーっといじめられてきて、人生をあきらめて生きてきた主人公。(おぉなんか共感するなぁ。) ひやかしでうけた超一流広告代理店にうかり、採用されるが、それは、「ひとりい…じめられっこ」としての極秘使命の採用だった。ひとりダメなやつがいる事で、ほかのすべての社員のはけ口となり、結果として業績が向上する。。。という。。
ダメ人間の典型だった主人公が、なんだか仕事が面白くなっていって、成長していく過程を読んでいて、なんか俺も少しは頑張らねばと思った。 続きを読む投稿日:2013.10.23
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海と風と虹と(上)
海音寺潮五郎 / グーテンベルク21
昔の大河ドラマ原作
2
1976年の大河ドラマ「風と雲と虹と」は、この本と同著者の「平将門」が原作。
この本は、平安時代中期の平将門と藤原純友の乱(承平天慶の乱)を純友の視点から描いたもの。当時の朝廷は、藤原氏を中心に一部貴…族が私利私欲をふくらませ、その為庶民はひどい生活を強いられてた。純友はそんな現実に怒り、政府を転覆し新しい政権を建てようと密かに動いていた。。。。
朝廷の絶対性が確立された大化の改新や天武朝あたりから、この時代まで200年~300年くらいしか経っていない。未来から見ている我々は、その後も天皇制が現在まで続いているのを知っているので、当時の朝廷は安定安泰だろうと勝手に思ってしまうが、当時の人々にとっては、たかだか200年~300年くらいの政権なわけで、それゆえ朝廷の永遠性を信じていず、ひょっとしたらこの時代に、中国の王朝のように王朝交代があってもおかしくなかったわけである。この乱の後、朝廷への信仰が庶民の中に生まれ、朝廷の永遠性を日本人が信じるようになった。まさに、この将門と純友の乱は、この日本という国が万世一系の皇室を持つ国となるか、はたまた、中国のように数百年で王朝が次々に交代する国となるかの分岐点であった。みたいな事も物語の合間に語られていて、物語の面白さと共に、著者のこういった語りにもひきつけられた。 続きを読む投稿日:2013.10.06
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楽園
鈴木光司 / 角川文庫
1万年のロマン
2
古代アジアの砂漠地帯で結ばれた運命の2人。しかし、妻は他部族にうばわれ、ベーリング海峡を越えて、はるかかなたに連れ去られてしまった。取り戻したい強い意志と執念が、1万年の時を経て、現代のアメリカへ。。…
これは輪廻なのか、いや遺伝子に深く刻まれた記憶なのか。時を隔てても消えない強い強い愛と意志。
ファンタジーでロマンチックな冒険談。
3部構成の2番目の南の島の楽園と難波船の話が、3部の中では繋ぎの話なんだけど、なんやかんや面白かった。 続きを読む投稿日:2013.10.12
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海の底
有川浩 / 角川文庫
日本だから成立する話カモ
2
怪獣の群れが横須賀に出現しているというのに、自衛隊に武器もって戦わせる事ができず、警察・機動隊が決死の覚悟で戦います。県警の変わり者の警部が出てきて、そいつがなかなか魅力的で、自衛隊を出動させようと奮…闘します。一方群れの中で孤立し閉じ込められた潜水艦内では、わがままな子供たちと血気さかんな若い2人の自衛官の衝突します。ここでは息のあった自衛官2人と若い女の子が主に描かれます。
自衛隊や自衛隊的なモノに目くじらを立てたがる風潮に辟易している人には溜飲を下げる事間違いなしです。 続きを読む投稿日:2013.10.25
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本能寺六夜物語
岡田秀文 / 双葉文庫
六話目がおすすめ
2
本能寺の変から30年後、とある山寺に集められた六名。事件に直接あるいは間接に関わった彼らが、自分達の体験や秘密を語りだす。夜の怪談語りのような雰囲気の中、秘密にしてきた事を物語る六人。まがまがしい話や…ストーカーみたいな気味悪い話を楽しんだ後の最終話が秀逸。明智光秀の小姓だったという男が本能寺の変の真相を語り出す。
こんな説初めてだ。泣けてきた。 続きを読む投稿日:2014.07.10