一喜一憂さんのレビュー
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12
このユーザーのレビュー
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悲しみのイレーヌ
ピエール・ルメートル, 橘明美 / 文春文庫
期待していたよりも凄い
9
その女アレックスを読んで、スリリングな展開に魅了されました。
この本は、アレックスより前の事件が書かれています。主人公のカミーユの人柄と共に、個性溢れるチームの面々が、良く描かれていて今回も一気呵成に…読みました。どのようにして、カミーユがあれ程孤独で複雑な性格を抱えて生きているのかが少しづつわかって行きます。
異常に残酷な殺人事件の描写も凄くて、気分が悪くなります。でも、止められない。どんでん返しの連続で緊張が続きます。何回も読み返して、楽しめるミステリーです。 続きを読む投稿日:2015.12.16
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悪女は自殺しない
ネレ・ノイハウス, 酒寄進一 / 東京創元社
ガッカリでした
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書評を読んで、面白そうだと思い購入しました。ドイツの作家は初めてです。アメリカやイギリスの翻訳物を読んできたので、違和感があるのだと思うのですが、人物描写が雑で面白みに欠けました。
登場人物が薄っぺら…い感じです。悪役は解りやすく、ひたすらに悪い。筋の展開もたどたどしく、つまらなかった。原作がそうなのか? 翻訳がつまらないのか? 残念です。
ただ、ドイツでは現在も馬術が盛んなのだなぁと感心しました。ヨーロッパ的な雰囲気が読み取れて興味深かったです。 続きを読む投稿日:2015.10.09
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犬はどこだ
米澤穂信 / 創元推理文庫
会話が笑える
0
心が折れて疲れ果てた青年が主人公です。この青年に好感がもてます。透明感がある人物で、静かに再起しようとしているひたむきさが良いなぁと思いつつ読みました。
助手も対照的に濃いかんじでユーモアが有って笑わ…せます。出てくる人達が殆ど良い人達で、それが後々ひっくり返るのがスパイシーでした。
物静かで、本当は芯の強い青年が少しづつ能力を発揮していくのが爽快でした。 続きを読む投稿日:2015.09.10
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その女アレックス
ピエール・ルメートル, 橘明美 / 文春文庫
九十九折の坂道を下っている感じ
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アレックスと警察官のカミーユの視点で物語は進んで行きます。勿論二人は互いを知りえないのですが、読み手は俯瞰しているので色々な情報が頭に入っているのです。
それでもなお、先が読めないスピード感と意表を突…く展開で読み出したら止まらない。
警察のメンバーがユニークで、ユーモアたっぷりのやり取りが陰惨で悲劇的な物語に少し明るさを与えています。
不幸だけれども、タフな女性アレックスの生き様に清々しささえ感じました。謎が次々と現れながら、クライマックスへと雪崩込んでいくので楽しめます。もう一度、今度は少しづつゆっくりと読んでみます。 続きを読む投稿日:2015.09.10
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悪魔の羽根
ミネット・ウォルターズ, 成川裕子 / 東京創元社
臨場感溢れる読み応え
3
アフリカで育った英国人ジャーナリストの女性が主人公です。ストーリーは少し複雑でスピーディーな場面展開で飽きさせないです。舞台もアフリカ、イラク、イギリスの郊外と移って行くのですが、間にEメールのやり取…りが挟まったりして、それが危機感を盛り上げます。一見ひ弱な女性の中にある、不撓不屈の精神が感動をよびます。
サディストの傭兵クズレを相手に知恵と勇気で立ち向かうタフに見えない、アマゾネス。英国の田舎で知り合う、奇妙な女性との一筋縄ではいかぬ不思議な友情も見どころありました。
トラウマを抱えながらも勝つまで闘うしぶとさに勇気を貰いました。 続きを読む投稿日:2015.08.27