
BRAIN VALLEY(上)
瀬名秀明
新潮社
意欲的なSF小説、それでいて読みやすく引き込まれる展開。
本書、BRAIN VALLEYは瀬名秀明の第2作目の長編小説です。 前作、パラサイト・イヴは、SF要素の入ったホラー小説でしたが、今回は完全にSF小説となっています。 「SFはちょっと興味ないな」と思ったそこのあなた! ここで引き返してはいけません。もし、パラサイト・イヴを楽しく読めたのであれば、本作も十分楽しめます。 本作は、日本SF大賞を受賞してはいますが、決してSFマニアでないと楽しめない作品ではありません。 むしろ「今までSFが苦手だった」というあなたにこそ読んで欲しい、SF初デビューにふさわしい作品です。 何しろ、作者は前作パラサイト・イヴでもSF要素を受け入れやすく読みやすい形でホラー小説に組み込み、現に大ヒットを達成しています。その明快な筆致は本作でも衰えることなく、高度なSF概念をスッと理解しやすい形で提示してくれます。 本作は映画化されておりませんが、個人的には映画化された前作パラサイト・イヴよりも、映画化に相応しいと思ってます。 是非、ハリウッドの大作アクション映画のようにアドレナリンを絞り出させられる本作、手にして下さい!
0投稿日: 2013.10.18
パラサイト・イヴ
瀬名秀明
新潮社
和製ホラーの新境地、そして瀬名先生のデビュー作
ホラーというと、呪いや幽霊のイメージが強いですが、パラサイト・イヴはそんなイメージを覆した、意欲的ホラー小説です。 ゲームにもなり、映画にもなり、色々と既に目に触れたと言う方も多いかもしれませんが、やはり小説の表現力もスゴイです。是非ご一読を。 そして、まだ「パラサイト・イヴ」に触れたことが無いという貴方は、読まない手はありません。 ガチガチの理系の著者が考える「こういうことがあったら怖い」というモノは一体何なのか? 妖怪や変質者なんてありきたりな恐怖を超えた、未知の恐怖体験を是非楽しんでください。
3投稿日: 2013.10.17
黒革の手帖(上)
松本清張
新潮社
悪女が悪人達を騙す!ゆする! ……そして。
黒革の手帳は、何度もドラマ化されており、内容をご存知の方も多いかもしれません。 しかし、仮にドラマを見て内容を知っていても、松本清張先生の筆致の鋭さ、畳み掛けるような展開に、夢中になることは確実です。特に、最後の怒濤のような落下感・ページをめくるのが怖い絶望感は小説ならではのものです。 勿論、ドラマを見てないのであれば、尚のこと熱中できるはず。悪が悪を懲らしめ、悪が悪に叛逆する地獄絵図、是非御楽しみください。
2投稿日: 2013.10.17
フルメタル・パニック!戦うボーイ・ミーツ・ガール(新装版)
賀東招二,四季童子
富士見ファンタジア文庫
ミリタリ!ロボット!美少女! 男の子の夢が三拍子そろった古典的名作ラノベ
ライトノベルやゲーム、アニメなんかだと「ミリタリ」「(搭乗できる)ロボット」「美少女」の『三種の神器』がそろった作品は数多く出ています。 本作品は、そういったなかでも正に名作中の名作。これを読まずして、『三種の神器』系作品を語ることはできないでしょう。 古典的名作と言われると、何やら古くさそうですが、決して今読んでも色あせない面白さです。 ライトノベル好きなら、是非一読してみてはいかがでしょうか!
2投稿日: 2013.10.17
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
森博嗣
講談社文庫
題名に込められた意味は深い
ご存知かもしれませんが、森博嗣先生は題名に深い意味を込めることが多いです。(勿論、多くの作家が題名にこだわりを持っていると思いますが) そして、この「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」というのも、読み終えた後で見返すと「なるほど!」と思うに違いありません。 「題名はそういう意味だったのか!!」という感動を味わう為だけでも読む価値は大きいです。勿論それ以外にも、独特のトリックや特異なキャラクターも非常に魅力的です。 (別の学者の御得意フレーズになりますが)読後に題名を読み返して、AHA体験してください。
14投稿日: 2013.10.16
〈勝負脳〉の鍛え方
林成之
講談社現代新書
脳外科医の語る、勝負に勝てる脳の作り方
著者は、脳外科医で、大学教授でもあります。 だからといって、必ず本書の内容が正しいとは言い切れないでしょうが、その辺の評論家が出しているような「○○脳」みたいな題名の本よりは、信頼を置いて良いと思います。 内容としては、著者の仕事や生活での経験を織り交ぜながら、軽妙な文体でスポーツでの勝負を中心に「勝つ為の心構え」に迫っていきます。 決して、精神論だけではない内容であり、また、無闇に突飛な主張ともなっていません。安心して読める本でありながら、所々なるほどとうならせる指摘がなされています。おすすめです。
0投稿日: 2013.10.16
エディプスの恋人(新潮文庫)
筒井康隆
新潮文庫
七瀬シリーズ、最高の傑作にして唯一の非映像化作品
七瀬シリーズ「衝撃の最終巻」というのが相応しい作品です。 「家族八景」「七瀬ふたたび」まで読んだのであれば、当然読むべきです。 「家族八景」を読んだ後に、七瀬シリーズの次作として「七瀬ふたたび」を読まれた方は、ある程度面食らったかと思いますが、更に面を食らうハメになるのがこの最終巻です。 最後まで読んだ時「え、こんなオチ、アリなの?」と思うか「流石筒井!これは参った!」となるかは、人に寄るでしょう。 ただ、その最後のオチ以外は、人を選ばず楽しめると思います。 是非読んで頂き、「家族八景」と「七瀬ふたたび」は何度も映像化されても決して「エディプスの恋人」が映像化されない理由を知ってください。それは決して「エディプスの恋人」が詰まらないからではなく、別の理由なのです。
2投稿日: 2013.10.16
