本って、やっぱりいいですね!!さんのレビュー
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櫻子さんの足下には死体が埋まっている 7冊合本版 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』~『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謳う指先』
太田紫織 / 角川文庫
とてもオススメです。特に櫻子さんの物言いが・・・
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どんな本だろうかと思いながらも、せっかくなの7冊合冊のを買いました。読み始めてすぐに気づくことが、櫻子さんの物言いが、面白すぎ。古風な男性のような言い方が、謎めく彼女を一層引き立てます。
ストーリー…はというと、どの巻も共通して読みやすさを感じます。読みやすいにもかからず、生と死が根底に流れるテーマだけあって、深く考えさせられるところもあり、じっくり読みたくなりますよ。そして、全巻を通じて、見え隠れするボスキャラの姿。ちょくちょく小説の中に出てくるんですが、このボスキャラと櫻子さんの対決?がどうなるのか、ますます楽しみです。
読みやすい小説で、泣けるところもあり、考えさせられるところもあり、各巻が読み切りな感じがしながら、一つのストーリーが流れているような小説が好き!という人には、とてもオススメです。
この小説を読むと、きっと櫻子さんが、好きになりますよ!! 続きを読む投稿日:2017.01.23
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水鏡推理
松岡圭祐 / 講談社文庫
水鏡推理、面白いですよ!
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水鏡推理、今6巻まで出ています。
こちら、シリーズの1作目になります。
今回の主人公は、文科省の一般職の職員です、相変わらず松岡さんの主人公の設定が面白いですね。配属先が研究の不正などをチェックするタ…スクフォースという設定です。一般職と総合職。総合職の方が地位が上で、一般職の水鏡と総合職の職員には様々軋轢が生まれるのです。タスクフォースに持ち込まれる案件は、地震予測や自動車運転手補助システム等、様々な技術開発に、いろんな大学、企業が補助金申請をしたものですが、その研究の不正を水鏡が徹底的に暴いていくと言う痛快な小説です。国の権力、大学の権威、企業の横柄さにくじけることなく、水鏡が次々と研究の不正に挑むのですが、なぜ彼女はそれほどまでに徹底的に追及していくのか?小説の中で、彼女の生い立ち、バイトの内容等から、だんだんと水鏡自身の姿が鮮明に見えてきます。そして事なかれ主義の文科省が、水鏡の熱意と活躍で徐々に変化が生まれてきます。
そしてシリーズ1作目の最大の山場となる研究は、国家が是非とも導入したい技術。瞬時に国民がどこにいるのかが分かるというシステムなんです。そして、水鏡はどこに不正を見つけ、どう立ち向かうのか・・・。是非読んでみてください。
松岡小説らしい、機知に富んだ会話も面白いですよ。 続きを読む投稿日:2017.03.17
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迷探偵・黒彦シリーズ【4冊 合本版】 『魔神館事件 夏と少女とサツリク風景』~『幻双城事件 仮面の王子と移動密室』
椙本孝思 / 角川文庫
読み応えありますよ!そして、キャラクターに嵌ります!
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椙本さんの小説を初めて読ませて頂きました。4冊合本版でお買い得だったというのが、そもそも購入した動機だったのですが・・・(すみません)
そして、読んでみてびっくりです。圧倒的なストーリーの展開、予想…できない人の動き、そして、ついつい笑ってしまう不思議なキャラクター。
主人公の黒彦くんと、世界最高の知性と呼ばれる犬神博士(本人はもう博士ではないと主張するのですが)、そして犬神博士が作ったという果菜ちゃん(自称ロボットなんです・・・)の繰り広げる独特の世界観。特に、犬神博士と果菜の「言葉」が面白く、ついつい真似てしまいそうになります・・・。
お話自体は、殺人があったりと、少しだけエグイ描写もありますが、そのエグサを登場人物たちが、上手に薄めてくれますよ~
ミステリー好きな方に是非お勧めです! 続きを読む投稿日:2017.12.21
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探偵の探偵 電子オリジナルカバー版
松岡圭祐 / 講談社
松岡さんの軽めのが好きな人は、少しきついのでは?
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「人が死なないミステリー」というスタンスで、松岡さんはいくつか作品を残しています。その代表作が(私の勝手な評価ですが・・・)、万能鑑定士Qのシリーズだと思います。万能鑑定士Qは、壮大なストーリーに機知…に富んだリコさんがばっちりはまり、読み終えた時に、爽快感に似た気持ちになりますね。この気持ちのまま、探偵の探偵シリーズを読むと、えっ?と思われるかもしれません。なにせ、暴力、殺人、レイプなど、万能鑑定士Qにはほぼ出てこないテーマがちりばめられているからです。私も、びっくりしましたよ。全巻読みましたが、松岡さんが、ただただ楽しい機知に富んだ小説だけを書いているのではないのですね。人の恨みつらみ、暴力、殺意、人を貶めたいという欲望のような、人間の影の部分に焦点を当て、人間の在り方を掘り下げます。そして、この目を覆いたくなるストーリーの中に、ヒロインが登場します。ヒロインも美しくは描かれません。自らもひどい目にあうのです。そしてその描写が惨く、かつ生々しく、そして不快感すら覚えさせるのです。それでも、その中で強く生き抜くヒロインの姿に、人間の生きる本能を感じさせる小説になっています。万能鑑定士Qと探偵の探偵は、人間の表と裏のような感じが致しました。
私自身は、あまり暴力的なのは好きでないので、星4つにしました。 続きを読む投稿日:2017.01.23
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千里眼 完全版 クラシックシリーズ1
松岡圭祐 / 角川文庫
まだ読まれていない人、必読です!!
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千里眼はいくつかシリーズがあるようなのですが、この千里眼完全版から12冊に渡り、クラシックシリーズというものになります。その後編が10冊からなる新シリーズになります。どれから読めば良いの?っていう方に…は、この千里眼完全版から読むのがお勧めです。
主人公、みゆきは、戦闘機のパイロットから臨床心理士に転職したという、普通の人の身の回りには、あまりいそうにない経歴を持っています。そして千里眼と言われるゆえんは、彼女が戦闘機のパイロットとして培った目の良さにあります。ふとした顔の筋肉の動きを捉えて、彼女はその人の本質を見抜いていきます。
登場する人物もユニークなキャラが多く、その代表?ともいえるのが、メフィストコンサルティングのダビドです。まじめなのか、不真面目なのか、仕事ができるのか、できないのか、とてもユニークな性格の持ち主として描かれ、小説中に度々登場しては、なぞかけ、笑いを引き起こしてくれます。
ストーリーは松岡さんらしく、壮大です。みさきとその恩師である友里佐知子との対決も全巻を通じて深まっていきます。一旦は自衛隊を離れたみゆきが、再び戦闘機に乗ったりと、ストーリーはてんこ盛りで、読者を飽きさせることがありません。
12巻の最初の巻ということで、内容自体の紹介はせずに置きました^^是非、お読みください。 続きを読む投稿日:2017.01.23
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水鏡推理4 アノマリー
松岡圭祐 / 講談社文庫
やっぱり、このシリーズは良いです^^
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水鏡推理の4作目です。
「アノマリー」?って分からなくても大丈夫です。前3作もそうでしたが、水鏡瑞希の生い立ちと、推理力と、そして家族の暖かい一面が伺えます。今回は気象をテーマとした内容で、天気予報の…からくり、それを金にしようとする企み、そして、それを許さない瑞希が登場します。松岡先生の小説は遠い外国にいったりと面的な広さを感じるものですが、今回は日本の山々が舞台です。そこに、少年院にいった4人の女性が絡みます。彼女たちが、NPOの力を借りて、様々な登山に挑戦しつつ、更生を目指すのですが、そこに、なんと、そんなことが!!!となるような展開です。最近、オルタナティブファクトという言葉を聞きますが、この小説にもそれに類似した大人の言い分が出てきますもちろん、瑞希がゆる際のえすが^^面的な広さに奥行きが加わった、面白い作品です。
そして、気象庁、文科省という政治もからみ、作品の奥行を広げています。
水鏡瑞希を応援したくなる作品です。
そして、最後は、心がほっとする、作品です。
お勧めです! 続きを読む投稿日:2017.03.09