金さんさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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幻想郵便局
堀川アサコ / 講談社文庫
霊界郵便局
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タイトルに付く「幻想」って気がしませんね、ダサくて売れないかも知れないけど「霊界郵便局」の方がしっくり来ます。ただしホラーではなく、ファンタジー。
軽い文体で内容もふんわり、上手に伏線散りばめて回収し…っかりしてるので、なかな面白い。
テーマ性もそれほど強くなく、無理矢理感動させてやるぞ感も薄いので、気楽に読める良作だと思います。
次々事件が起こる単発事件集積型だと一章読んだ後に一息付いちゃって、そのまま放置ってこともあるんですが、この作品は全体で一つの物語なので最後まで一気読み。
大作を読んだ後の息抜きなんかにはお奨め。 続きを読む投稿日:2017.02.07
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秘密は日記に隠すもの
永井するみ / 双葉文庫
面白くないにも理由があります。
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主人公の日記として書かれていて、それを読者が読んでいくと言うスタイルの短編集。
基本的に読者を騙す系ですね。
えっ?!あぁ。。って感じにオチが来ます。
登場人物の名前も偶然なのか意図的なのか微妙に重…なるんですが、その伏線回収を期待したのにそのままでした。
調べたところ、どうやら未完成のまま世に出されてしまったようですね。
本来の意図や隠されたテーマ、トリックなどはお蔵入り。だから読了後になにも残らず「面白くない」と思ってしまったようです。
以下 Wikipediaより引用
『2010年9月3日、死去。『小説推理』(双葉社)に連作短編「秘密は日記に隠すもの」シリーズを連載中で、死去の1週間前に第4回が掲載されたばかりだった。』
この作者の作品は初めてなので、この作品だけで作者を批評は出来ませんね。 続きを読む投稿日:2017.02.07
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翳りゆく夏
赤井三尋 / 講談社文庫
「いま目にしていることが嘘であって欲しい。心の底からそう思います。」
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ドラマの方を先に見てしまっていたので、ラストの展開は分かっていたのですが、やはり感動的です。
面白いです!お奨めします!
この手のラストの謎へ向けて絡み合ったモノが全て動いていく、解けていく系は書評が…書きにくいんですよね。あまり書くと、書評寄せ集めればなんとなく見えて来ちゃいますから。
誘拐犯の娘が新聞社に内定を受ける、そこから始まる20年の時を越えたドラマとしか。
面白いことは間違いありません。
読む時間がないならTVドラマでも遜色ありません、良くできたTVドラマです。
ただ、全5話なので、読書の方が早いと思いますよ。
続きを読む投稿日:2017.01.28
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大事なことほど小声でささやく
森沢明夫 / 幻冬舎文庫
沢山の「イイ言葉」が詰まった本。
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風圧で人をも飛ばしてしまう程のウインクを持つゴリマッチョなオカマのゴンママと、学級委員系メガネ女子 コスプレ風黒服バーテンダーのカオリちゃんが、巧みなコンビネーションでジム仲間の面々の悩みを解決。
…ゴンママの素敵な言葉達が、カオリちゃんのカクテル言葉とともに語られ、一人一人の人生を好転させていく。
プロローグと最終の第6章はゴンママなので、主人公はゴンママなのだが、第1~5章では、それぞれジム+スナック「ひばり」の常連一人一人が主人公となり、ゴンママは狂言回し的役割に。
第一章の本田宗一がゴンママと出会い、紹介される常連の面々が次章以降の主役。
こんな素敵な言葉を使うなんでもお見通しなゴンママでも、自分のこととなると目が曇るようだ。
ゴンママが言葉で救う人々の中には、カオリちゃんは勿論、実はゴンママ自身も、と言うところが第6章の締めである。(書籍紹介にも書いてあるからネタバレじゃないよね)
兎に角、こんな心地よい人たちと巡り会えるのなら、スポーツクラブSABにも直ぐに入会したいし、スナック「ひばり」にも通いたい。そう思わせる、素敵な話の数々。
助ける人数を増やせばいくらでも話は作れるだろうが、この位で、本当にちょうど良い感じ。終わりもしっかり締まる。
涙なしには読めないので、読書の場所は選ぼう。 続きを読む投稿日:2017.12.10
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さいはての彼女
原田マハ / 角川文庫
ハーレーが欲しくなる。
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女性と旅、読後に気持ちよくなれる作品。
どれも良いと思うが、本タイトルの「さいはての彼女」と「風を止めないで」が、連作で特に良い。
オトコ目線で見れば、なによりハーレーが欲しくなる。ふらっと旅立ちたく…なる。
ただ短編なだけに、ちょっと話の進行に無理や急ぎ脚が目立つのが残念。
「さいはての彼女」はじっくり長編で読みたかった。
一冊分に膨らませられるだけの背景があると思うだけに、余計に残念。
続きを読む投稿日:2014.11.26
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イニシエーション・ラブ
乾くるみ / 文春文庫