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週刊アスキー No.1031 (2015年6月2日発行)
週刊アスキー編集部 / 週刊アスキー
不完全電子化
4
完全電子化に踏み切った勇気には感じるところがあります。文字の大きさや1ページの情報量には工夫と改善のあとが見られます。
他方で、紙媒体を前提とした段組は、相変わらずスマホで拡大して読むときにスクロール…操作が煩雑で、まだまだ電子版に最適化されたとはいえません。
「雑誌は電子媒体の方が読みやすくていいよね」という時代を築けるか、今後に期待です。
内容は、まあ、いつもどおりです。 続きを読む投稿日:2015.06.03
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読んだら忘れない読書術
樺沢紫苑 / サンマーク出版
読書に対するモチベーションを高めてくれる
3
紙幅の過半は、読書の習慣が人生に良い影響を及ぼすこと、良書と出合う方法、読書環境について書かれています。
「読んだら忘れない読書術」については第3章で述べられていますが、「忘れない」方法についてはタイ…トルから期待したほどの紙幅が割かれている訳ではありませんでした。書かれている内容を要約すれば、(1)読後10日程度の間に3回アウトプットする、(2)楽しんで読む、(3)スキマ時間を有効活用して集中して読む、ということに尽きます。とても全うな内容なのですが、「忘れない」具体的なテクニックについてはもっと充実してほしいと感じました。
この本を読むと、読書に対するモチベーションが上がります。また、このレビューを書いているのは間違いなくこの本の影響であって、その点、私の行動を変化させる影響力を確かに持っていました。
他方、この本にタイトルからアプローチする人は、この本が紙幅の過半を割いている事項(読書のメリットや読書の方法)を理解している層であるように思いますので、タイトルと内容にミスマッチがある気がしました。 続きを読む投稿日:2015.04.29
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すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
森博嗣 / 講談社文庫
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天地明察 上
冲方丁 / 角川文庫
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ハプスブルク家の光芒
菊池良生 / ちくま文庫
3章あたりから面白さがわかってきた
0
ハプスブルク家の軌跡を、16世紀の神聖ローマ帝国皇帝カール5世の治世から、1916年のオーストリア・ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の永逝まで、当時に暮らす人々の「祝祭」とともに物語調に描き出…している。近世ヨーロッパの歴史について、ハプスブルクの血脈とその縁者を辿って読み解くことができる。世界史の勉強に興味を持つ取っ掛かりとして有効かもしれない。
文体はくどくて読みにくいが、ハプスブルク家にまつわる数々の逸話は興味深く、エンターテイメントとして楽しめる。辛くても、3分の1くらいまで我慢して読み進めると面白くなってきた。
なお、史料に基づく記述と、著者による修飾、想像の類は分離されていない。著者の想像が9割、という感がある。私は、歴史に基づくファンタジー又はフィクションだと理解した。 続きを読む投稿日:2015.05.09
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同僚に知られずにこっそり出世する方法
ブレンダン・リード, 酒井泰介 / ダイヤモンド社
優秀な人にこそ必要な社内政治のハウツー
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類似の書籍との違いは、社内政治が明暗を分けた7つのケースについて、失敗した事例と成功した事例を対比させて、そこから有益な教訓を抽出しているところです。
私は、この手の本をまだ3冊しか読んでいませんが、…他の2冊に比べると、この点において説得力がダントツです。
ほかの本で満足できなかったところが、この本を読んで腑に落ちました。
真に優秀で、組織ひいては社会のために役立とうという志の高い人にこそ権力の座についてもらうために、本書は有用であると思います。
(この本の記載ではありませんが、)「政治」とは、舞台裏で非公式に行われる意思決定であるそうです。
ならば、舞台上で公式に行われる意思決定は、「セレモニー」に過ぎないということです。
実務能力に優れ、正論で勝負できる実力を備えた人ほど公式の場で議論をしようとしてしまいがちですが、
そのような振る舞いは、政治に長けた人から見れば「場をわきまえていない」行動に映ります。
そして、実務能力に優れた人というのは少数派なので、数のパワーで負けてしまうのです。
政治力だけの人が権力を握るより、能力のある人が政治力も兼ね備えて権力を握るほうが、組織にも社会にもプラスになるでしょう。
この本は、能力がある人がそのことを自覚した上でどのように政治力を高める努力をするべきかを教えてくれます。 続きを読む投稿日:2015.07.04