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mitsutakaさんのレビュー
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  • 横道世之介

    横道世之介

    吉田修一

    毎日新聞出版

    原作も良いです

    たまたま観たDVDに魅せられて、原作を読みました。 映画版で、話の展開に疑問が残った個所が有りましたが、やはり原作の方が丁寧に説明されています。 作品の魅力は、世之介を取り巻く怠惰な空気感なので、結果としては些細なストーリは、知れば納得だけど、知らずとも同じ体験を感じる事が出来ると思いました。 大学生の頃、私の周りには、世之介のような奴はなく、もちろん私自身も世之介のような奴ではなかったけれど、それでも何故か懐かしい日々が連想されます。 きっと、そこには、なんだか分からないけど、誰もが共通する何が描かれているような気がします。 有り体に言えば、青春の恥部という事になってしまうのですが、そんな陳腐な表現を補って余りある、登場人物の魅力が、横道世之介という絶妙の世界を作り出しているのかと思います。

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    投稿日: 2014.07.05
  • これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学

    マイケル・サンデル,鬼澤忍

    早川書房

    意外と読みやすい本です。

    哲学とか、正義とか、テーマが固いので、肩肘張って読む必要が有るかと思いましたが、案外と読みやすいです。 頭の良い人たちは、こんな面倒くさい思考法をしてるのかと、多少びびりました。 まあ、一般的には、それを論理的と呼ぶのでしょうか。 導き出される結論は、私のような凡人でも理解できる内容です。 思わず、「それって当たり前の事ですよね」って言いたくなるのですが、おそらく大切なのは、結論ではなく、そこにいたる過程なのかと。 直観でない判断力、もしくは、直観を他人説明する際の説得力という、議論の進め方について勉強させて頂きました。

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    投稿日: 2013.09.28
  • 桐島、部活やめるってよ

    桐島、部活やめるってよ

    朝井リョウ

    集英社文庫

    元高校生なら面白く読めると思う。

    スクールカーストって言うんでしたっけ? でも、どの階層に所属しても、青春なんて苦い。 それでも、懐かしいし、いつまでの輝いてるし。 それが、教室の隅で屈折してるだけで過ごした日々だとしても。 読書後、誰かと、それぞれの高校時代について、語り合いたくなる感じです。

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    投稿日: 2013.09.28