麗しの聖母ひょうさんのレビュー
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不浄を拭うひと(分冊版) 【第7話】
沖田×華, 天池康夫 / 本当にあった笑える話Pinky
不思議な清涼感
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不審死、死体、蛆虫・・・明るい絵柄とはいえ、凄まじいまでの変死現場が描かれるのに、不思議な清涼感がある。
それは主人公の、どんなことにも動じない「強さ」からくるプロフェッショナルな安定感のなせる技だ…ろう。
そして、社会は彼らによって正常に、清浄に保たれているのだ。
続きを読む投稿日:2020.02.16
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不浄を拭うひと(分冊版) 【第5話】
沖田×華, 天池康夫 / 本当にあった笑える話Pinky
変死・・・なのに「清涼感」
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人が死んだ話、しかも変死ばかりである。本来なら凄惨で陰鬱でどうしようもないと思うが、沖田氏のどこか「のほほん」とした絵柄がそれをまず打ち消している。そして、物理的にも心理的にも「まったく赤の他人でしか…浄化しえない」汚れ・悲しみがこの世にはあり、そのことが読んだ後にかすかな「清涼感」となって、不思議な読後感を醸しだしている。 続きを読む
投稿日:2019.10.13
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おんな城主 直虎 三
森下佳子, 豊田美加 / NHK出版
史実を、こう描いたか!
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NHK大河ドラマのノベライズ本の第3巻。
小野但馬守政次という、今までの歴史観においては「悪役」であった人物を、ここまで「大逆転」させたのは、あっぱれというしかない。主人公・井伊直虎を含めて「資料に…乏しい」というハンデを見事に逆手にとって、時代劇とファンタジーのぎりぎり境目で、手に汗握るストーリーを展開している。
第4巻が楽しみだ。 続きを読む投稿日:2017.07.26
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戦国を生きた姫君たち
火坂雅志 / 角川文庫
お市の方が織田信長の側室?!
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上記の作品情報は、文章の切れ目がおかしくて一見すると仰天するが(「豊臣秀吉の側室細川ガラシャ」って笑)、読んでみると意外に「知らなかった!」ということが多くて驚いた。
総勢25名を約165ページで描…くので、一人一人のエピソードが「これだけは言いたい」という感じにまとめられていて、すなわち最新のものになっているのだ。
たとえば、織田信長の正室・濃姫は本能寺の変で信長と共に亡くなったと私は思っていたが、実際は1612年に亡くなったそうだ。
また、お市の方は信長の妹と思われていたが、実は従妹でしかも信長と恋仲だったという説があり、お市の長女・茶々(淀殿)は、実は信長の娘だったのではないかという推測があるなど・・・あちこちに大胆な説がちりばめられていて、どこからでも読めて、面白い。
NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の主人公・井伊直虎や寿桂尼(今川義元の母)も取り上げられているので、興味がある方はぜひご一読あれ。 続きを読む投稿日:2017.07.29
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成りあがり
矢沢永吉 / ぴあ
10,000円のエピソードに涙
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今や日本のロック界に燦然と君臨する矢沢永吉。
その矢沢が、日給2,000円のアルバイトに行く話が泣ける。
5日働いて、10,000円。
バイト先に事情を話して、それだけ払ってもらった。
その1万円札を…、苦しい生活に耐えている妻に渡したかった。
が、出来なかった。
帰りのバス代60円がなかったのである。
小銭まじりの金を渡した時、妻がワンワン泣いたという。
その涙をみて、
「くそ! 絶対にビッグになってやる」
と改めて発奮したという。
本書は、
高邁な理想と非凡な才能とともに、
こうした小さな、でも実感あるエピソードが各所に描かれ
きれいごとでない「成り上がり」ストーリーとなっている。
「成り上がり」とは、すなわち
小さな膨大な努力の上に建つ華やかな楼閣なのだと
矢沢が教えてくれる。
昭和時代に書かれた本だか、
古さを全く感じさせない内容である。
続きを読む投稿日:2015.09.10
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食えなくなった弁護士・会計士・税理士 週刊東洋経済eビジネス新書No.28
週刊東洋経済編集部 / 週刊東洋経済eビジネス新書
どの仕事でも同じでしょう
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その仕事でも
「できる奴は売れ、できない奴は消える」
は共通であり、
それが、今まで一番お偉かった「士業」にまで
及んできたという話である。
確かに相続税申告などでは
相続税案件を毎年何件か手がけて…いる税理士と
経験が浅い税理士では、
申告書の出来栄えに大きな差がつくのは
周知の事実である。
これから依頼しょうという方は、注意されたし。
続きを読む投稿日:2013.11.24