koteranさんのレビュー
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5
このユーザーのレビュー
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灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹
十文字青, 白井鋭利 / オーバーラップ文庫
個人的に大好きな巻
3
良い点:
①最初の頃のドキドキ・ワクワク感
5巻辺りからすっかりグリムガルの住人になっていましたが、ところ変わって言語も通貨も、今までの常識も通用しない新天地に閉じこめられてからの試行錯誤が、初期…のグリムガルを彷彿とさせた。
②仲間との連帯感にぐっと
如何にお互いを大事に思っているかの描写が嫌らしくなく、話の流れに沿ってされているので、素直にぐっと来るものがあった。
③ハルヒロの陰と陽
今回ハルヒロは、リーダーらしからぬ様態を何度か晒してしまいます。結果、ピンチに落ち入ってしまうのですが…
それとは逆に、生死を分ける状況にて、ソロで格上の相手を倒したりもします。この経験が、ハルヒロが成長できる切っ掛けになればなぁと期待してます。
④それぞれの成長
ハルヒロは前に述べたとおりですが、シホルも魔法について新たな解釈をして新技を編み出したり、ランタも地味に技(名)作ったりしてます(笑)
気になる点:
ランタの好感度が一気に下がってしまう展開が…この後、ランタはみんなとうまくやっていけるのか…
総評:
ハルヒロパーティの結束力が見ていて眩しい。ハルヒロは今回失態を晒してしまい、人としての脆さが出てしまうけど、それも共感できていい。
それだけじゃなく、義勇兵・ハルヒロとしての成長が見れたのも嬉しい。別にドラゴンを倒したとか、そういう派手なものではないけれど、今回は例の線に頼らず独力でやったことにカタルシスを感じた。
恋もささやかですが、新展開を迎えます。 続きを読む投稿日:2015.12.27
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断末のミレニヲン I 君を連れてあの楽園まで
十文字青, so-bin / 角川スニーカー文庫
ゾンビファンタジー
2
概要】
剣と魔法のファンタジー世界で繰り広げられる、ゾンビどもからの逃走劇。
【気に入った点】
・物語の舞台と雰囲気。個人的に中世ファンタジーが好きなのですが、それにゾンビを掛け合わせるとどうなるか……。王道の、魔法もファンジーライクな剣技のようなものもある世界ですが、主人公が異様に強いわけでもなく、魔法で無双できるわけでもないところがまたいいです。
・物語の疾走感。最初から最後まで、とにかく流れるように進んでいきます。
・独特の緊張感。挿絵があるキャラでも序盤で亡くなったり、先が読めない展開に、とにかくドキドキハラハラさせられます。
・間に挟まれるキャラ別の挿話。すべてのキャラではないですが、キャラの掘り下げがあります。しかも、ここで欲しかった!というタイミングで。
・極限状態で育っていく(?)主人公。最初は恋に恋して、信念も何もない主人公ですが、極限状態から必要に迫られて成長せざる負えなくなります。まあ、元々凡人な上に、急展開過ぎて心が追いついてないんですが、巻を重ねる度に成長する土壌があるように見える人柄なので、期待が持てます。
※成長とは、剣の腕とかではなく、人間としての成長です。
・十文字節炸裂のキャラの感情表現。この方の、キャラの思っていることをそのままテキストにした表現が好きな方には相変わらずのクウォリティーでお勧めできます。
・挿絵が良い。
【気になった点】
・キャラの掘り下げをもうちょっと深くしてほしい。なんというか、痒いところに手が届くけど、かき加減が足りないというか…。例えば、主人公に想いを寄せる子が、なぜそう想うに至ったかとか。彼女の生い立ちとかを掘り下げているので、なんとなく補完できるんですけどね。ああ、主人公と似たようなコンプレックスを持っていて、最初は遊び程度だったのが本気になったのか、とか。
【総評】
・十文字先生らしさが溢れた作品です。物語の展開も、起伏があってまったく退屈させず、むしろ最後までドキドキして読めます。
・個人的に挿絵が良いです。 続きを読む投稿日:2015.02.20
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灰と幻想のグリムガル level.4 導き導かれし者たち
十文字青, 白井鋭利 / オーバーラップ文庫
生き抜く強さ
0
とにかく続きが気になる。
物語の特徴:
テンプレ的な俺tueeeではない。だけど、主人公には別種の強さがある。油断してピンチを招いたりはするものの、決して油断し過ぎない、大事なところで判断力を発揮す…る生き抜く力、強さを感じる。そういう、"選ばれた主人公"ではないけど、物語の中心あたりにギリギリいてもいい主人公の物語だと感じた。
続きを読む投稿日:2014.10.01