wingfootさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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女子高生、リフトオフ!
野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA
軽くて小さいんだからしょうがない
3
ロケットで1Kgのものを打ち上げるには大変なコストがかかる。
それは例えばはやぶさがあれだけ苦労してダイエットしていることからもうかがうことができる。
だったら、軽くて小さい女の子(かわいければなおよ…し)をパイロットにすればいいじゃん。というのは、なかなか説得力がある。スキンタイト宇宙服も、理由があってセクシーになっちゃったんだからしょうがない。
このように、それなりに設定に理由付けがされているのがこの本のいいところ。それと、ところどころに入る技術者たちの熱い思いにグッとさせられるのも、この作者の上手いところだと思う。
気軽に読めるので、酔った帰りに電車で読むのにも最適な一冊。
電子書籍になってくれて感謝。 続きを読む投稿日:2015.04.08
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天使は結果オーライ
野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA
やればできるんじゃない?
2
2作目にはもうすでに退役したスペースシャトルが登場。
でも、基本的にこのスペースシャトル以外の点で話に古さを感じさせないのはすごい。
またスペースシャトルとのランデブーや船外活動を彼女たちは簡単にこな…してしまう。実際にやってやれないことはないんだろうな~と思わせるのが、この作者の上手いところ。
ストーリーは1作目より好み。NASAの連中がかっこいい。 続きを読む投稿日:2015.04.08
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ロードス島戦記 ファリスの聖女 電子版(上)
山田章博, 水野良 / カドカワデジタルコミックス
タブレット必須
2
20年ほど前かと思いますが、ロードス島戦記の小説は愛読書でした。
また山田氏のイラストは十二国記で気に入っていたため、本書のことはずっと気になっていました。今回、半額になったことでようやく購入しました…。
昔の記憶を掘り起こしながら読んでいるのですが、コマ割りが難解でなかなか頭に入ってきません。これは何度も読み返す必要があるかも。
ただ、やはり山田氏のイラストは美麗。最初の数ページは取り込んでパソコンの壁紙にしたいほどです。
それと、見開きのページがあるため、タブレットのほうが快適に読めるかと思います。
続きを読む投稿日:2016.10.06
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アグネス仮面(1)
ヒラマツ・ミノル / ビッグスピリッツ
そして誰もが真剣でした
2
このような漫画があったとは。
ヒラマツさんの漫画はレジー、ヨリと読みましたが、この方の漫画の笑いの間が僕にはぴったりで、久々にヒラマツワールドを堪能しました。
ここにでてくるキャラクターはみないい加減…でテキトーですが、真剣にプロレスをやっています。まさに冒頭に書かれた文章がこの漫画を端的に表しています。
子供のころはゴールデンタイムにテレビでプロレスを見たものですが、そのころの雰囲気がよく再現されていると思います。今は違うんですかね。
昨今好まれるタッチとは違う独特のタッチの絵ですが、はまればドはまりすること請け合いです。個人的には猪〇似の社長がデスクワークしている画が気に入っています。
続きを読む投稿日:2016.10.05
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武士道シックスティーン
誉田哲也 / 文春文庫
たまにはこういうスタイルの本も
2
この本は二人の主人公が交代で本人目線で語る形式で進みます。
多人数の視線で物語を進めるというのは、例えば壬生義士伝のように同じ場面が繰り返されるため難解なものになる場合があります(壬生義士伝はこの手法…をうまく使った傑作だと思いますが)。
しかし、本作はこのスタイルをうまく使い、読者にしかわからない二人のすれ違う思いが、読者に青春時代特有のもどかしさを思い出させます。
剣道のシーンは臨場感があって、剣道を知らない自分でも手に汗握る感じで一気に読めました。
息抜きしたいときに何回でも読めそうです。
続きを読む投稿日:2015.09.11
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ミザリー
スティーヴン・キング, 矢野浩三郎 / 文春文庫
鳥肌たった
1
読む本がなくなると手に取る本の一つ。
こういう本は、手に取って適当なページから読み始めたいので、紙媒体のほうがいいのかもしれない。
さて、この作品は登場人物が実質2人、場面も一部屋のベッドルームだけ…、しかもお化けやゾンビといった超常現象もありません。それにも関わらずこれだけの恐怖をあじあわせてくれるのは、さすがキング。
絶望のなかで戦おうとする主人公の心をいとも簡単にへし折るアニー。
アニーのおしおきはどんどんエスカレートしていきますが、特に「あの場面」(映画とはちょっと違います)では生まれて初めて読書中に鳥肌が立ってしまいました。
キングの心理描写はリアルというか、自分にとてもマッチしており、本作での心の中でアナウンサーが実況中継するシーンは僕の思考回路に取り込まれてしまいました。
どういう人にお勧め、というのはありませんが、難しく考えずに読める本だと思います。 続きを読む投稿日:2016.03.11