
ゴルゴ13(2) 檻の中の眠り
さいとう・たかを
SPコミックス
表情豊かなゴルゴ13
囚人相手に凄んでみたり、演技とはいえ嫌みな笑みを浮かべてみたり。 まだまだ人間味のあるゴルゴ13さんである。 とくに「白夜は愛のうめき」は若き(?)ゴルゴ13さんの青さが素晴らしい。 是非一読してもらいたいエピソードである。
1投稿日: 2013.12.13
オイレンシュピーゲル壱 Black & Red & White
冲方丁,白亜右月
角川スニーカー文庫
ライトノベル、である。
ライトノベルである。 しかしこの作品は軽くはない。 悲惨な境遇にある少女たち。 どうして彼女たちがこのような境遇に陥ったのかは、それぞれのエピソードで焦点が当てられていくが内容は実に重い。 暗澹たる気持ちになる。 少女たちに蹴散らされる悪党ども。 命はきわめて軽い。軽すぎて笑ってしまうほどだ。 重厚感のあるディストピア的な世界観。 何が善で何が悪なのか、この世界では判然としない。 文章から伝わってくる雰囲気は暗く、重い。 だが文体は実にライトノベルをしている。大変平易で読みやすい。 この軽重の妙を是非味わってもらいたいと思う。
0投稿日: 2013.12.13
All You Need Is Kill
桜坂洋
集英社スーパーダッシュ文庫
それはそう、ゲームのようである。
作品の良さを説明しようとするとどうしてもネタバレのようになってしまうので端的に。 主人公はテレビゲームの主人公のようである。 同じステージを何度も何度も死にながらも挑戦していく。 その、繰り返す「今日」には出会いがありロマンスがありまた別れもある。 ただの一日の濃厚さたるや……。 読みやすい文体と、SFにありがちな説明くささがなくSF初心者にオススメしたい。 そして、もしこの一冊がSF作品への入り口となったなら、いちSFファンとして幸いである。
2投稿日: 2013.12.13
孤独のグルメ【新装版】
久住昌之,谷口ジロー
SPA!コミックス
素敵な五郎さんの食べっぷりが見所
既に2回もテレビドラマ化された人気作品。 気取っていない、どこにでもありそうな食堂にふらっと入っていく五郎さんと、その後の食べっぷりは読んでいて愉快。たまに注文した料理が被ってしまっても、あまり気にせずに食べてしまういい加減さも良い。 それにしても読んでいるとお腹の空く作品である。 ただ難点がいくつか。 Reader Storeで配信されている孤独のグルメは、ファイル容量が小さくその分画質が悪い。そして細かい字がつぶれて読みづらい。 この点を早急になんとかしていただきたいと思う。 作品が良いのにこれでは勿体ないの一言なのだから。
11投稿日: 2013.09.24
ゴルゴ13(1) ビッグセイフ作戦
さいとう・たかを
SPコミックス
饒舌なゴルゴ13
連載開始当初はまだゴルゴ13のキャラクターが固まっていないようで、思ったことをつらつらとしゃべり出したり、後期のゴルゴ13ではやらないようなヘマをやらかすのが見所か。 時代背景が冷戦まっただ中、東西ドイツも健在という戦後の近代史を学ぶ教材としても面白いのではなかろうか。
2投稿日: 2013.09.24
