角川ebookを読もう！
2018.05.18 - 特集
昨年創刊された電子書籍の新レーベル角川ebook。
角川ebook編集長のKさんがおすすめの新刊をご紹介していただいています。
野性時代フロンティア文学賞受賞作『厭世マニュアル』で森見登美彦さんの熱いエールを受けつつデビューした阿川せんりさん、２作目は、これまた読み手をゆさぶりまくる青春小説です。ときに「変人」と「やっかいさん」の違いを、あなたはご存知でしょうか。「変人」は他人の思惑など一切気にせず、自分を貫き通す特別な存在。周囲に対するアピールのためにエキセントリックな自分を演じているだけなのが、そう「やっかいさん」なのです！ ……と拳を固めて主張するのは主人公のコドリタキ。ある理由から「真の変人に出会うため」北大に進学します。ところが寄ってくるのはやっかいさんばかり。ほとほとうんざりしていたコドリは、ある日心理学コースのアリハラせんぱいと、強烈すぎる出会い方をします。変人の研究をしているというせんぱいは、コドリとやっかいさんたちの関係に興味津々、実験と称してあらゆる迷惑なイベントを起こしまくります。脳震盪を起こさんばかりに振り回されながら思い始めるコドリ……ひょっとして、この人こそが待ち焦がれていた真の変人なのか!? 自分ってなんでこんなにつまんないんだろう。他人ってなんでこんなに傍若無人なんだろう。そもそも個性ってなんだろう。個性がない人間には生きる価値がないの？ ――変てこで騒がしいこじらせ女子たちの人間模様の中に、青春のあらゆる問いがつまっています。で、答えはって？ それは、ぜひ読みながらコドリと一緒に探してください。
紹介文バックナンバー
８世紀の日本、東北はエミシ（蝦夷）とウエイサンペ（大和）、ふたつの民族が激突する地でした。愛馬を駆ってその只中を奔る勇者、マサリキンの冒険と愛を描く大河小説――というと、ちょっととっつきにくい印象を持たれる方がいらっしゃるかもしれません。しかしながら心配ご無用！ さながら西部劇（by東えりかさん）の血湧き肉躍るバトルあり、ロミオとジュリエットのような悲恋あり、戦国好きにはたまらない政治的駆け引きと戦略勝負あり、熱い気持ちが歌にのせて語られるオペラのごとき場面もあり、とにかく開くページがすべてワイドスクリーンで展開する一大エンタテンメント大作なのです！ 男も女も、敵も味方もまことに人間くさく、ときに愚かで、でもそれぞれの胸に秘めた熱い思いに嘘はない――最近、ぜーんぜん面白いことがないなあ、と嘆息するあなたに、ぜひ読んでいただきたい。心臓を鷲づかみにして揺さぶるような興奮の（そして読み止められず眠れない）数日間をお約束いたします！
