【ストアスタッフ PRESENTS】あなたを”ここではないどこか”へ連れて行く『異世界少女漫画の名作たち』

【ストアスタッフ PRESENTS】あなたを”ここではないどこか”へ連れて行く『異世界少女漫画の名作たち』

2021.12.10 - 特集

いまや男女を問わず一大ジャンルとなった「異世界」ものは、実は90年代~00代の少女漫画において、旬なテーマのひとつでした。ここではないどこかの「異世界」で恋に落ちたり世界を救ったり……多くの乙女たちの心をときめかせてきたあの名作をReader Storeスタッフ(O・A・M)の3人がご紹介します!

あなたを”ここではないどこか”へ連れて行く 異世界少女漫画の名作たち

M  さて、今回11周年フェアの企画として「異世界」を扱った90年代~00年代の少女漫画をご紹介することになりました。さっそくですが、一人ずつ作品をプレゼンしつつ、3人で語っていきたいと思います。

<スタッフAのおすすめ>
東京タワーで偶然出会った3人が、世界を救う運命共同体に

『魔法騎士レイアース』(全3巻)

CLAMP(著)/講談社

A これは東京タワーに社会科見学に来ていた3人の女の子たちが、「セフィーロ」という異世界に飛ばされて「魔法騎士(マジックナイト)」として世界を救う旅に出る……という物語です。

M まず東京タワーの床が抜けて異世界にっていう転移の仕方がすごいですよね! 現実と異世界との橋渡しが、実際にある建築物を使うことでより印象的になっていると思います。

O それで、まったく違う学校のまったく違う制服を着た3人がたまたま居合わせてっていう設定が最高でした。

M 偶然出会った3人が世界を救う運命共同体になるの、めちゃめちゃエモいですよね。今の異世界ものは一人で異世界に行くことが多いですけど、接点のない3人が絆を育みながら一緒に旅をしていく姿は読みながらすごくわくわくしました。あとこの作品は、RPG ゲームの要素も多く入っていますね。 『ファイナルファンタジー』とか『ドラゴンクエスト』のように防具や剣を手に入れて旅を進めていく要素は当時読んでいてすごく新鮮でした。今の異世界ものとも通じる部分があると思います。

O 転移時に着ていた制服に防具をはめていくのがいい!

M  最初に防具と剣を手に入れてゲームのように冒険を始めていく手順を踏んでいくのは異世界を扱う少女漫画としては珍しかった気がします。

A  そして、なんといっても絵の綺麗さと見開きの迫力がすごいですよね!

O  当時、この絵柄に憧れた女の子多かったと思います。私もCLAMP先生の漫画は一番模写しました(笑)。

M 扉も見開きが多くて見とれるほど綺麗なんですよね。電子書籍で読むならタブレットを横にして見開きモードで読むことをおすすめしたい!高画質でも見られる!!

O 人間の手が描いたんだっていうぐらいに綺麗な絵なので高画質で見てもらいたいです。

A  ラストシーンも、大人になって読み返すと衝撃的でした。

O これがCLAMP先生のすごいところですよね。異世界ものは、どうしても現実の世界に戻るか戻らないかの話も出てくるんですが、このラストは驚きですよね。子供向けのハッピーエンドでは終わらないこの余韻も楽しんでほしいです。

<スタッフOのおすすめ>
前世の記憶を取り戻す、逆・異世界転生もの

『ぼくの地球を守って』(全12巻)

日渡早紀(著)/白泉社

O これは私の人生の10作品の中に入ると思ってます。これまでとはちょっと違った異世界もので、現代で知り合った仲間が実は前世で壮絶な過去を共にした仲間たちだったという話です。

M 前世は、地球に住むことを夢見て月に基地を作っていた7人の異世界人で、その7人が地球の現代に転生してきていて記憶を取り戻していく……という逆の異世界転生ものですね。異世界人だった7人は現代に転生して、性別や年齢差といった状況もそれぞれ変わっていますね。

O それがまたいいんですよ。なぜ一人だけ年齢が離れているかも物語の中で明かされていくんですが、それもまた壮絶な理由で。

M 女性だったのに、現世は男性でその前世の記憶に引きずられてしまうキャラクターもいて、前世と現世の違いも切なかったですよね。当時は、雑誌の読者投稿欄で「こんな夢を見た人いたら連絡をください」と書くのが流行ったと聞きます。私ももし当時中学生だったら、自分の前世の仲間を探していたと思いますね(笑)。

O 環境破壊といった社会問題も関わってくるんですが、最終的には大恋愛漫画として終結していくので、最後の最後まで読みごたえがあって心を揺さぶられる作品です。

M「異世界もの」でよく言われる「ここではないどこか」というキーワード通り、今の自分の状況と違う場所に自分のルーツや行き先があると妄想できる物語は、現実を生きる上で大きな救いになるんですよね。現実の閉塞感から、自分の心を遠くへ連れて行ってくれる面白さがあると思います。

<スタッフMのおすすめ>
生きる時代がまったく違う、好きになってはいけない王子との切ない恋模様

『天は赤い河のほとり』(全28巻)

篠原千絵(著)/小学館

M これはタイムスリップ型で、違う時代へ飛ばされる作品ですね。高校入学を控えていた女子中学生・ユーリは呪いの生贄として古代エジプトのヒッタイト王国に召喚されてしまうんですが、そこで第三王子・カイルの側室となってしまい――という物語です。

O 相手役の王子が最初はすごい残酷で、少女漫画ぽくない冒頭に驚いた記憶があります。

M でも、この王子が恋愛に対して不器用できゅんとするんですよ! ユーリは呼び出された時代から現代に戻るために奮闘するんですけど、そのうちに王子に惹かれていって、王子もユーリに惹かれていく。でも生きる時代がまったく違う二人なのでお互いに好きになってはいけない人を好きになってしまうジレンマがめちゃめちゃ切ないんです。でも、その時代の女性に比べて現代を生きるユーリは価値観が自立しているので、その考え方で王子の気持ちを動かしたり状況を打破したりしていく姿は爽快感があります。

O おもしれー女ってやつですね(笑)。

M そう!(笑)。 あと呪いをかけた張本人の皇妃との攻防戦もハラハラさせられていいんですよ。後宮ものとしての面白さもあるのが、見どころの一つです。

A 皇位継承争いはみんな大好きなテーマですよね。

M 「少女コミック」連載で、ドキっとするような大人っぽい展開があるのもいいんです。命の危険にさらされながらも、王子との距離感にときめくという二重のドキドキを楽しんでいただきたいです。

スマホひとつで、遠い異世界まで「旅」をしよう

O これまで話してきて思ったんですが、やっぱり異世界に飛ばされる女の子って自分で行動できないと死んじゃうから強いんですよね。自ら剣を取って戦う女性像と「異世界」の世界観が見事にマッチするのが読んでいて気持ちがいい。ヒーローに助けられたりもするんだけど、自分の道は自分で決めて切り開いていく感じがカタルシスに繋がっている気がします。

M 今回挙げた作品は、中高生が飛ばされるんですが、最近の「異世界もの」は主人公が大人の女性が多いんですよね。大体が生活に疲れた働く女性たちなんだけど、異世界に飛ばされた先で、それまで培った生活力を使って切り開いていく。

O 向こう側で自分ができなかった人生をそのままの経験値で生き直すんですね。

M 「異世界もの」ってそもそも自分のアバターを向こう側に送って、そこで活躍してカタルシスを得られるのが魅力なのかもですね。

A 今は中高生が主人公の作品はあまりないですよね。

O 今回の作品は、私たちの世代が読み返して「わあ懐かしい!」って思うものですが、まだ読んだことのない子どもたちにとっても想像の幅を広げる気持ちのいい体験が詰まっていると思います。「旅」もひとつのキーワードだよね。主人公たちはロードムービーのように移動していくじゃないですか。

M 現実から離れて旅ができちゃうんですね。しかも電子書籍ならスマホひとつで旅ができる。ここではないどこかへ自分を連れて行ってくれるのは、異世界ファンタジーの大きな魅力だと思います。

今や存在してる場所ならどこへでもアクセスできる時代になったからこそ、異世界ものが流行る理由は分かる気がしますね。

O 絶対に行けない異世界や、違う時代で活躍する気持ちよさったらないですよね! しかも自分が選ばれし者になった感覚も味わえる。物語の中で、特別な存在になった自分を体験できるのは、気持ちが元気になるんですよね。あらためて読んで、こういう作品が90年代~00年代に少女漫画の世界で広く愛されたことも面白かったです。

A 漫画って描かれた当時に読むのも面白いけど、完結してあらためて読んでみるのも楽しいですよね。

M 大人になってから読むと気づくことや感じる気持ちも変わりますしね。ということで、ぜひ年末年始は、「ここではないどこか」へ心を飛ばして異世界少女漫画の名作を一気読みしてはいかがでしょうか!

O たまにみかんを食べたりしてこっちの世界へ戻って来つつね(笑)。

<スタッフのさらなるおすすめ>

『7SEEDS』(全35巻+外伝)

田村由美(著)/小学館

「普通の女子高生だったのにある日目が覚めたら滅びかけた未来にいた、という"未来という異世界"でのサバイバルものです。滅びかけた日本で生き残らされたキャラクターたちが、7人ずつ5チームに分かれてサバイバルをしていくのですが、何もできない主人公が足手まといになりながらも自分の役割や考え方を身につけて異世界で生き残っていく様は勇気づけられます。自分達は何のためにここにいるのかという謎を解き明かしていくミステリ要素も含めて楽しめる作品です。読み始めたら絶対に止まらなくなるので、一気に全巻を読む快楽を味わってください!」

『彼方から』(全7巻)

ひかわきょうこ(著)/白泉社

「爆発事件に巻き込まれ、その衝撃で異世界へ飛ばされた女子高生・ノリコが、助け出してくれた戦士・イザークと惹かれあい、旅をしていく物語です。ノリコは自分が、"世界を破壊する化け物である『天上鬼』を目覚めさせる存在"だと知るんですが、その『天上鬼』が実はイザークで……という出会ってはいけない二人が出会ってしまうところが最高にイケてます! 天真爛漫なノリコと無愛想だけど優しいイザークが様々な困難を乗り越えながら旅をしていくロードムービーのような構成も面白いです」

『AMAKUSA1637』(全12巻)

赤石路代(著)/小学館

「聖フランシスコ学園に通う高校生・夏月が、船の事故をきっかけに1636年の熊本にタイムスリップし、自分と瓜二つだった"天草四郎"の代わりになり替わり、歴史の渦に巻き込まれていくという話です。彼女とは別にタイプスリップしてきた生徒会メンバー6人との恋愛・友情関係や歴史上の偉人達との関わりも描かれ、読み応えがすごくあります。3万人が死した『天草の乱』という歴史の出来事を夏月は天草四郎としてどう変えていくのか、歴史に翻弄されながら運命を切り開く、彼女のまっすぐな強さに憧れる作品です」

『遥かなる時空の中で』(全17巻)

水野十子(著)/白泉社

「普通の女子高生・あかねが不思議な古井戸に吸い込まれ目覚めるとそこは『京』と呼ばれる平安時代に似た異世界で……という、大人気女性向けゲームのコミカライズ作品です。龍神の神子として、あかねは『葉』と呼ばれる8人の男性キャラクターと京を守っていくのですが、対立する鬼の一族のアクラムに心惹かれて……。各キャラクターとの関係を深堀しながら、その世界にどっぷりと浸れるのは漫画ならでは。平安時代の雅な世界入り込めるような感覚で物語を満喫できます」



取材・文/鈴木衿子

 

Reader Store11周年記念スペシャルプレゼント

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●プレゼント内容

天は赤い河のほとり全28巻(3名様)

魔法騎士レイアース全3巻(3名様)


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2021年12月10日(金)0:00 ~ 2021年12月31日(金)23:59


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