f 植物園の巣穴
梨木 香歩(著者)
/朝日文庫
作品情報
『家守綺譚』『沼地のある森を抜けて』の著者が動植物や地理を豊かにえがき、埋もれた記憶を掘り起こす長編小説。 月下香の匂ひ漂ふ一夜。植物園の園丁がある日、巣穴に落ちると、そこは異界だった。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、愛嬌のあるカエル小僧、漢籍を教える儒者、そしてアイルランドの治水神と大気都比売神・・・・・・。人と動物が楽しく語りあい、植物が繁茂し、過去と現在が入り交じった世界で、私はゆっくり記憶を掘り起こしてゆく。自然とその奥にある命を、典雅でユーモアをたたえた文章にのせてえがく、怪しくものびやかな21世紀の異界譚。
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商品情報
- シリーズ
- f 植物園の巣穴
- 著者
- 梨木 香歩
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 掲載誌・レーベル
- 朝日文庫
- 書籍発売日
- 2012.06.07
- Reader Store発売日
- 2022.12.07
- ファイルサイズ
- 0.9MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (127件のレビュー)
-
地球っこさんに教えていただいた前回読んだ「家守綺譚」がとっても面白かったので、次も地球っこさんが読まれていたこの本を読みました。
うーむ とっても面白い。
家守綺譚より、こちらの方がよりハマってしま…いました。。
解説から
「穴」は垂直の移動。「川」は水平の移動を表す。
語り手の人生における、三つの大きな喪失を巡る物語。
この小説は、生と死の世界の間を往復し、死人と交流する物語でもある。
読み終えて、初めからもう一度物語をたどり直してみると、あちこちに差し挟まれたエピソードが、初読時とは違う深い意味を帯びて迫ってくる。
地球っこさん ありがとうございました。
梨木香歩さんの本をもう少し読みたいと思います。。続きを読む投稿日:2020.11.09
f植物園に転任してきた佐田豊彦。
造成された水生植物園が担当だ。
彼はそこを「隠り江」と名付けて情熱を注ぐ。
が、ある日大切にしていた日本水仙がなぎ倒されていることに気付く。
何物かが通ったように、椋…の大木の"うろ"から水辺へと倒れていたのだ。
思い起こせば、自分はその"うろ"に落ちたのではなかったか?
なのに、そこからの記憶がない。
次の記憶は唐突に自室で寝ている場面。
そして歯痛の為に歯科医へ。
前世は犬だったという歯科医の妻、ナマズの神主…次々現れる不思議な人物と、交錯する千代との思い出、ねえやのお千代との思い出、椋の大木、かつて抜いてしまった白木蓮。。。
"うろ"に落ちて以来、何かがおかしい。
「論理的に考えると、うろに落ちてうろから出た記憶がない場合は、未だにうろの中にいるということになる。が、それは論理的には正しくとも私を取り巻くこの現実の展開にはそぐわない。」
これは一体…。
主人公は歯痛に悩まされながら"うろ"に落ちる。
そして、不思議な現状と過去の思い出を行ったり来たりしながら、
蓋をして忘れていた大切な思い出、関わった人の思い、時の流れ、人の生き死にや連なりとに、少しずつ向かい直す。
時は川のように流れてゆくもの。
水は正しき方向へ流してやらなくてはならない。
止水しては滞りを生んでしまう。
主人公はこの不思議な世界で自らを形作っている人や風景を再確認し、過去を取り戻し、真実と向き合っていく。
「しくしくとした歯の痛みは、そのまま軽い陰鬱の気を呼び、それが気配のしんしんとした雰囲気とよく狎れ合って、何所とも知れぬ深みへ持って行かれるような心地。」
「それにしても「千代」が寄ってくる人生である。」
「おや、この千代はその千代かこの千代かあの千代か。ふと、箸を止めて考え込む。どうも「千代なるもの」が渾然一体としてきている。」
「この木、以前は目につかなかったのだが。」
「ーはあ。けれどそんなこと、誰にも分かりませんよ、見えてくるまでは。」
「そうだ、すっかり忘れていたが、月下香は妻の千代の好きな花であった。」
「……とにかくこの滞りを取り、水を流さねばならぬ、……」
「カクスナ。アラワレル。」
土瓶さんのレビューを参考にし、積んであった『裏庭』を避け、代わりに…と手に取ったのが本書だった。
面白かった!!
後半から様々なことが明らかになってゆく。
梨木香歩さんだとやはり『家守綺譚』には敵わないのだけれど、ユーモアもありながら感動する作品。
読み終えても暫く余韻に浸ることとなった。
不思議に可愛らしい河童の坊(道彦)には情が湧く。
☆大気都比売(おおげつひめ)
日本神話における食物の神。
続きを読む投稿日:2024.03.20
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