ジェイクをさがして
チャイナ・ミエヴィル(著)
,日暮雅通(訳)
,田中一江(訳)
,柳下毅一郎(訳)
,市田泉(訳)
/ハヤカワ文庫SF
作品情報
〔ローカス賞受賞〕ロンドンは、どこからともなく出現した謎の存在“イマーゴ”に幾度となく蹂躙され、無秩序状態に陥っていた。わずかに残った数千人の市民は、レジスタンスを組織し抵抗運動を続けていたが、容赦ない攻撃を繰り返すイマーゴの前になすすべもなかった・・・・・・。グロテスクなイメージに彩られたローカス賞受賞の傑作「鏡」、世界の終焉を迎えつつあるロンドンを彷徨う男を描いた表題作ほか、英国SF界の旗手によるラディカル・ストーリイ全14篇を収録。
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商品情報
- シリーズ
- ジェイクをさがして
- 著者
- チャイナ・ミエヴィル, 日暮雅通, 田中一江, 柳下毅一郎, 市田泉
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ文庫SF
- 書籍発売日
- 2022.11.02
- Reader Store発売日
- 2022.11.02
- ファイルサイズ
- 9.8MB
- ページ数
- 451ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (16件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
どれもオチがすっきりしないのだが、これは良い不条理感!
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表題作:滅びていく世界の不気味で無気力な感じと、その中で主人公が彷徨っている夢のような感覚がとても好き。ラストも、全然理屈になっていないのだがなぜか主人公が納得しているというのが夢の中の思考みたいでおもしろい。
ボールルーム:途中まではベタなホラーだったが、ラストがよくわからず混乱。夫にも読んでもらったら、「もともと家族客を呼び込むために、オカルト的な手段でボールルームに子供を集めており、その術が暴走して幽霊を呼び込んでしまったのではないか」という解釈で、納得。
基礎:これもオチは投げっ放しだが、一応わかる。意図的に事故を起こして地中の死者たちに生贄をささげたつもりが(ホラーで死者が生きている人間を呪い殺したりするから、この発想はそんなに唐突ではないと思われる)、全然効果がなかったということだな。塹壕にコンクリートを流し込んで埋め立てていくシーンの悪夢感が良い。印象としては明るくて静かなのだが、静かな狂気と絶望が感じられる。
道路が戦うやつ:これはあまりビジュアルイメージが想像つかなかった。道路がいつの間にか入れ替わっているというところは面白い発想だと思ったのだが。
使い魔:色んな廃棄物や動物の体の一部を使って自分の体を作っていく描写が、単に悪趣味なグロさではなく、なんか知的というか…。この作者のこういう雰囲気が好き。
窓:これも発想はおもしろい。でもオチの印象がうすいかな。
クリスマスのやつ:発想がおもしろい。ラストで、子供たちがネットで独自に進化しているのは、大人から見るとちょっと怖くもあり、希望が持てるようでもあり、という感じで後味は悪くなかった。
ゲーム・ネットオタクの友人の話は、募金サイトの偽善的でむかつく感じはリアルだが、それと真剣に戦う友人のエキセントリックな感じが良い。
鏡:うーん…いまいち、モノローグの言葉遣いがわかりにくくて頭に入ってこず、あまり楽しめなかった。ガラスの鏡と水面の違いが鍵になるのか?とおぼろげながら思っているが、全然理解できてない。落ち着いたら再読してみようかな。投稿日:2017.03.10
SFというよりホラーの風合い。ピリリとしたアイデアの短編が並ぶ。どれも読者を「?」の立場に立たせることで引きつけ、結末も基本的にオチやカタルシスをつけることなく宙ぶらりんの余韻を残す。センス・オブ・ワ…ンダーを感じさせる。
ただ並んだ短編がどれも似たような傾向、手法であるがために、やや、おなか一杯感がでてしまうのが残念。余裕やユーモアもあるのだが、技術的にうますぎるが故にフックが足りなくなっている感じもある。クトゥルーものが何篇か。続きを読む投稿日:2018.11.05
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