機械仕掛けの太陽
知念実希人(著)
/文春e-book
作品情報
現役医師として新型コロナを目の当たりにしてきた人気作家が満を持して描く、コロナ禍の医療現場のリアル。
2020年初頭、マスクをして生活することを誰も想像できなかった――
これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、“戦場”に身を投じた3人の物語。
大学病院の勤務医で、呼吸器内科を専門とする椎名梓。彼女はシングルマザーとして、幼児を育てながら、高齢の母と同居していた。コロナ病棟の担当者として、最前線に立つことになる。
同じ病院の救急部に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子は、結婚目前の彼氏と同棲中。独身であるがゆえに、コロナ病棟での勤務を命じられる。
そして、70代の開業医・長峰邦昭。町医者として、地元に密着した医療を提供し、息子にはそろそろ引退を考えるように勧められている。しかし、コロナ禍で思い掛けず、高齢で持病もある自身の感染を恐れながらも、現場に立つことを決意する。
あのとき医療の現場では何が起こっていたのか? 3人はそれぞれの立場に苦悩しながら、どのようにコロナ禍を生き抜くのか。
全人類が経験したあの未曾有の災厄の果てに見いだされる希望とは。自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた感動の人間ドラマ。
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商品情報
- シリーズ
- 機械仕掛けの太陽
- 著者
- 知念実希人
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2022.10.24
- Reader Store発売日
- 2022.10.24
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 472ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (150件のレビュー)
-
この作品は医療に携わる側の人々から新型コロナウイルスとの戦いの事実を忠実に描いた限りなく事実に近いフィクションだと思います。
私もニュースでよく見聞きしたコロナについて、知っている(体験した)嫌なこ…とばかりで、なかなか来ない収束に、もうコロナはたくさん、嫌だと思い、途中何度も読むのを投げ出したくなりました。
でもコロナのことを(今はそんな人は少ないとは思いますが)ただの風邪だとか、ワクチンは打たない方がよいとか思っているような人には是非読んで、実態を理解してもらいたい内容です。
2019年の秋から2022年6月までの3人の医療従事者が主人公の物語です。
一人目は4歳の子どもを育てているシングルマザーで医師の椎名梓36歳。
二人目は、恋人と同棲中の看護師の硲(はざま)瑠璃子28歳。
三人目は開業医の長峰邦昭72歳。
梓と瑠璃子は同じ病院で働いていて、長峰も診察しきれなかった患者を梓の病院で診てもらったことがあります。
梓の勤める病院で院内クラスターが起きたとき、女性レポーターの「気の緩みがあったと思いませんか?」という心無い質問に答える瑠璃子が圧巻でした。
「外食も旅行も、同居家族以外と会うことも禁じられ、それを愚直に守ってきた。顔に痕が付いて消えないくらいずっとマスクをつけていたし、手のひらがざらざらになるまで、アルコール消毒をくり返した。面会ができなくて怒鳴る家族に事情を説明しながら頭を下げ続けた。防護服を着てコロナが蔓延する病棟で肺炎で苦しんでいる患者を必死に看護し続け、そして…看取りつづけた。そんな二年間で疲弊しきったのをあなたたちは『気の緩み』って言うわけ?!医療従事者はこの二年間感染リスクが極めて高い状況でずっと患者さんたちのために頑張ってきた。なのに、差別を受けたり、感染したら、今日みたいに犯罪者みたいな扱いで、メディアに取り上げられる。それっておかしくないですか?私たちのこの二年間、何のために文字通り命がけで頑張ってきたんですか?」
病院内でのその時のやり取りは真実の人と人との絆を感じましたが、緊急事態でないと人間の真実のよさを感じられないというのはおかしなことではないかと思います。
医療従事者の皆さんには多大なる感謝を捧げたいと思いました。続きを読む投稿日:2022.11.11
既に忘れかけているコロナ感染の歴史を丁寧に描いている。目新しいモノは無いけど、そんな事もあったなぁと懐かしく感じると共に医療関係者たちの苦労にはフィクションとはいえ現実もそうだったんだろうなと改めて頭…が下がる思いで読んだ。ただ、ワクチンの行からは様相が異なり、ワクチンを善、反ワクチン派を悪ととらえ、ワクチンに疑問を持つことも悪のような内容に疑問を覚えるとともに寒気すらしてきた。フィクションで話を面白くしなければならないため白黒つけた勧善懲悪の内容にせざるを得なかったのかもしれないが、他は史実に沿って丁寧に書かれている分、ワクチン絶対主義の内容に関しても医療に詳しくない人が読んだら絶対正しいと誤解する、ある意味、宗教チックな印象で恐い本だと感じた。
インフルエンザは型が違えば効果はないけど、コロナワクチンは型が違ってもある程度効果がある!とする理屈がよくわからないし、常にワクチンは後手後手の変異株のモノしか接種できなかったし、何よりあれだけワクチンで儲けてるファイザーやモデルナが、会社として効果、有害事象の収集、報告をやってないのには未だ疑問を感じる。そんなワクチンへの疑問を国民が感じてか、ワクチンの接種率が落ちており、その中でのこのワクチン万歳!の本は、政府が書かせているのか?とも思えてしまう。
自分は反ワクチン派ではないし、ワクチン接種も疑問を持ちながらうってきた。そういう人も多いと思うが、医療情報弱者(ワクチンの詳しいこもを知らない)をワクチン信者にするような内容の本はいかがなものかと思う。
ワクチン以外はホントに良い内容であっただけにワクチンに関しては残念、というより怖さを感じた本でした。続きを読む投稿日:2024.03.18
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