私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?
町田康(著)
/NHK出版
作品情報
パンク歌手から芥川賞作家、そして唯一無二の文人へ。町田康、はじめての自分語り!
独特な文体・語法と奇想天外な物語で幅広い読者を有し、多数のヒット作を発表してきた作家・町田康。一度読んだらやみつきになる、あの唯一無二の文学世界は、いかにして生まれ、進化してきたのか。町田ファンならずとも、文芸ファンなら誰もが気になる謎について、作家自らが内面を「暴露」する注目の一冊。本書では、人生初の試みという「自分語り」を幼少期から還暦を迎えた現在まで、好きだった本や作家、自身の作品解説といった文学世界はもちろん、影響を受けた民謡・浪曲・落語・ロックなどの芸能世界も取り込みながら、徹頭徹尾、町田ワールドを全開していく。
【目次】
本との出会い
夢中になった作家たち
歌手デビュー
詩人として
小説家の誕生
創作の背景
作家が読む文学
芸能の影響
エッセイのおもしろさ
なぜ古典に惹かれるか
古典の現代語訳に挑む
これからの日本文学
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この作品のレビュー
平均 3.8 (16件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
表紙の目力ありすぎのイケメンに引き付けられた人、よってらっしゃい、みてらっしゃい、読んでらっしゃい。
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損はさせません。……たぶん。
パンクロッカーから唯一無二の小説家に転身した町田康のはじめての自分語り。
NHK文化センターの講義を加筆修正したもの。
めっちゃおもろくて、めっちゃためになった。
町田康という人間の正直さに心打たれて、感動すらした。
いや、正直かどうかは本人のみぞ知る、のだけれど。
でも、私には「正直」に見えた。
幼い頃からの読書遍歴、思っていることを語っているのだけど、それがいつもの町田節で笑えた。
自分は本当に「自分の言葉」で、しゃべったり、文章を書いたりしてるかというと、疑問符がつく私にとって、町田さんの言葉はよいカンフル剤になる。
言葉って、外からもたらせられる物だと思っているけれど、その【オートマチックな言葉】に、いかに、反発して、抵抗していけるかが、「本当の自分の言葉」を会得していくのかの鍵なんだと思った。投稿日:2022.10.04
なぜ町田康が好きなのか。作品に対して自分がぼんやり感じてはいたことと町田康自身の言葉で説明されていたことに乖離がなく嬉しかった。なぜだか。
まず文体。
最近は文体の時代ではないのかな、というのには納得…というか共感。主義主張、もしくは物語の価値が強い気がする。個人的に、物語を読むのは面白いのだが感動は薄いのである。物語や主義は、私は消費してしまうみたいだ。
言葉を疑うということと、オリジナリティに拘泥しないこと。本当にこの言い回しは真実なのか?と追求するだけでなく、自分らしさにこだわるほうにも寄らない。どこにも身を置かない感じが、町田の文体なんじゃないか。
また笑いについて。
「この世の真実こそがおもしろいことなんです」
ーーよくわかる。それが“interesting ”なときもあるし、“笑ろてまう”なときもある。おもしろいことを虐げているとおもしろくない、というのもわかる。
ところで井伏鱒二読みたくなった。一幅の絵のようなエピソードを「なんかわからんけどいいなぁ」と感じることは、日常でもよくある。
純文学が好きなのだが、たぶんこのせい。
それと
昔のものが好きだというシンプルな話。
自分も子どもの頃から時代劇や落語が好きだったため、もとから町田の世界観に惹かれる素養があったんだろね。
最後に翻訳の話。
要するに言葉の選び方の話であるが。
「決定された一個しかない言葉ってないんですね。その人がそれをどういうふうに使っているかというのは、いつでも考えないと」
これは人と会話しているときにすごく感じる。同じ日本語を使っていても、実は相手と自分は違う意味で用いているなという感覚。そして自分の言語が自分にしか通用していない恐怖というか。
「共通で、絶対に疑いようのない言葉だけ使って、誰もそれを疑わないというものにしていくと、結局何も言うてないのと一緒だし、何も聞いていないのと一緒やな」
そのとおりと思う。今、それでケンカしている人らをよく見る。お互い言っている意味が理解できてない状態で戦っている。
そして「人間はたまらなく孤独」で、
「自分しかわからん魂」に形を与えたい。そのために言葉で塗り固めていく。
文学の最終的な目的…
と、書いているとキリがない。
ただなんか、自分の考えと町田康の言ってることに乖離がなく嬉しかった、とか感じている自分が恥ずかしいやつだなと最後に。
自意識。
続きを読む投稿日:2024.03.28
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