いじめを考える
なだいなだ(著)
/岩波ジュニア新書
この作品のレビュー
平均 4.2 (6件のレビュー)
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みんなが成熟した人間にならなきゃいじめはなくならない。つまりいい年こいていじめしてる奴(お偉いさんと言われてる人でも)は人間的にガキだってこと。かわいそうに。
投稿日:2006.09.06
このレビューはネタバレを含みます
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「昔からあった「いじめ」が人権意識の高まりとともに、大人の社会では少なくなりましたが、学校という場になぜ残ってしまったのか。著者は「いじめ」の定義を歴史的に解き明かし、今日の「いじ…め」問題をどう見たらいいのか、どうしていかなければならないのか、明快に示してくれている本。(1996年発行であるため、少年法の改訂、文部省から文部科学省への変更など、時代の経過により、「いじめ」問題に対してんお文科省の新しい見解・通達・警察の見解など、新しい情報と入れ替えて読み進める必要はある)。」
(『いじめを考える100冊の本』駒草出版 の紹介より)
もくじ
●はじめに
●第一章 昔に<いじめ>はあったか
ー<「いじめ」>の定義
●第二章 昔にはどのような<いじめ>が・・。
●第三章 <いじめ>はどこに行ったか
●第四章 そして学校だけに残った
●第五章 <いじめ>の心理
●第六章 増えているから問題なのか
●第七章 処方せんー<いじめ>をなくすために
●あとがき
・いじめはいつからあるのだろう。いじめの定義は何だろう。大人の世界では少なくなって、学校に残っているのは何故だろう。いじめの背景や定義、歴史をまずは知る。
・なださんは、精神科医でもある。いじめは、加害者の心の病気であり、被害者だけでなく加害者のケアが必要だと考える。そのケアは一人ひとり違い、何年もかかる。先生に子どものケアを、できれば子どもが自分の生徒でなくなっても継続して、行っていってほしいと考えている。
あとがきより:
「ぼくは、人生のどこかで、小道に入りこんで道に迷ったときには、できるだけ昔に視点を戻し、そこから現在を考えてみることにしている。いまあることを、百年前にはどうだったか、を考えるのだ。また、問題を世界の中に広げて考える。そのためにいいのは、世界の文学だ。読めば、同じような問題が、過去に、世界のあちこちで取り上げられ、論じられてきたことがわかる。」ぼくは、自分の分身のような高校生との対話の形で、この作業をすすめることにした。」
「ぼくの主張は、簡単にいえば、犯罪をゼロにはできないように、いじめをいますぐゼロにはできない、という認識を出発点にしている。だが、人類は二世紀にわたて、このいじめを乗り越える努力をすでにしてきたことを思い出して、それを希望にしちょう、というのだ。いじめの不幸な事件があるたびに、広い意味での人権を守る歴史を見直す機会だと、積極的に受け取り、勉強する。そうしていけば、いつかは分からないが、そのうちにいじめはなくなる。」
「ぼくは徹底した相対主義者だ。絶対主義者ではないから、いじめのような悪だって人間的なものとしてとらえる。相対主義者はけっして、抽象的に悪とか善を考えない。何かと向かい合い、何かと比較しながら考えるのだ。学校のいじめを民族の差別と比較し、また女性の差別と比較する。そして、その比較から、展望を得て、希望を引き出したいと思う。」続きを読む投稿日:2023.03.11
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