ユ・ウォン
ペク・オニュ(著)
,吉原育子(著)
/祥伝社
作品情報
『アーモンド』を生んだ「チャンビ青少年文学賞」受賞作品!――私を苦しめたのは、善意。マンション火災事故の「奇跡の生存者」ユ・ウォン。ユ・ウォンの姉は、幼い妹を布団で巻いて11階から投げ落とした後、帰らぬ人となった。地上で彼女を受け止めたおじさんは、足に重い障害を負った。ユ・ウォンは奇跡の象徴として、おじさんは英雄として、一躍、時の人となった。あれから12年。いまだに世間は「あの事件の子」という眼差しで彼女を見る。姉は神格化され、「英雄」のおじさんは家をたびたび訪ねてきてはお金を無心していく。そんななか、ユ・ウォンは同じ高校に通うスヒョンと知り合う。自分とは正反対のスヒョンに影響され、初めて他人に心を開いていくが・・・・・・。誰にも言えない、生き残ったことの罪悪感、自己嫌悪、葛藤、矛盾――数々の痛みを乗り越え、自らの力で人生を取り戻そうとする少女の成長を、瑞々しく描いた感動作!
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この作品のレビュー
平均 3.7 (7件のレビュー)
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ユ・ウォは幼いころ、自宅が火事になり姉に布団にくるまれ11階から投げ落とされ、下にいた男性に受け止められて一命をとりとめた。
その時、姉は死亡、受け止めた男性は足をけがして後遺症が残る。そんな事件の生…き残りとして、ずっと世間からは注目され、英雄化された姉と男性を引きずり、生きにくさを感じていた。
そんな中、一人の学生と知り合い、自分とは違うものを感じて、やっと心を開ける友達ができたと喜ぶが・・・
話は思わぬ展開に向かう。
子供のひとりを亡くし、一人はそのおかげで助かったその両親の心情も複雑で、亡くなった子供ばかりを考えるのは生き残った子供に対してかわいそうだし、亡くなった子供はさらにかわいそうだし、という何とも言えない感情の中で過ごしてきた家族、どこかにあるような話で、皆の気持ちが想像できて辛い。続きを読む投稿日:2022.06.16
このレビューはネタバレを含みます
「ユ・ウォン」は主人公である高校2年生の女の子の名前。
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12年前の火災事故の奇跡の生存者として
誰もが知ってる有名人。
12年前、保育園にユウォンを迎えに行ったあと一緒にお昼寝をしていた高校生の姉と…ウォン。ところが上の階の12階に住むおじいさんがベランダで吸っていたタバコの燃え殻が、11階のユウォンの家のベランダに落ちて火種となり火災が発生。
気付いた時には逃げ場もなく、姉は炎に包まれながらも幼い妹を助けるために布団でぐるぐる巻きにして11階のベランダから落としたあと、亡くなってしまう。
そしてマンションの11階から落下する布団の固まりを全身で受け止めた40代のおじさん。
トラック運転手だったおじさんは布団の衝撃で脳震盪で意識を失い、手足も骨折。職を失い1年以上リハビリを余儀なくされるも後遺症が残って障害者となってしまう。
しかしおじさんは、少女の命を救った奇蹟のヒーローとして一躍有名になり、人々から多額の寄付金を受け取った上に命の恩人としてウォンの両親に金の無心をし続けている。
このおじさんが、ものすごーく嫌な感じ!
ひどい悪人ではない、むしろ善人なんだけど、計画性のない生活ぶりや口先だけのちゃらんぽらんな性格で何をやっても長続きしない、だけど世間では英雄扱いされていて、ウォンの両親は娘の恩人のおじさんにお金を渡したりご飯を食べさせるために休みなく働いているという悪循環。
ウォンは自分を助けるために犠牲になった姉と、自分のせいで障害を負ったおじさんに、負い目と苛立ちを感じながら生きている。
また、周囲から寄せられる同情は逆に彼女を追い詰め、誰にも本音も言えず、真の友人もつくれずに、孤独を選んで生きている。
そんなウォンが初めて心許せる相手と出会った違うクラスのスヒョン。
ストレートな物言いをし、はっきりした性格のスヒョンはいつしかかけがえのない、理解者と呼べるような友だちとなる。
んだけどーーーーー!
実はスヒョンはウォンが心の奥底で殺したいとまで思っているおじさんの娘だった。
はぁ〜っ、韓国ドラマあるある〜〜
でも、決してドロドロ物語ではなく
スヒョンと父親(おじさん)との関係も複雑で…。
後半はウォンとスヒョン、そしてスヒョンの弟ジョンヒョン3人の成長物語にもなっていて、それがすごく清々しくて、なんか泣けた。青春バンザイ!
大きな事件があると、残された人を気の毒に思い同情してしまうことも多いと思うけど、
残された人は、生き残ったことへの罪悪感や自己嫌悪、葛藤やいろんな矛盾を抱えて生きているんだなぁ、としみじみ痛感。
なぐさめようと思ってかけた言葉が逆に傷つけることもある。
言葉に無神経な人にならないように気をつけたいと思った。
いやぁ〜、すごく好きな小説でした!
続きを読む投稿日:2024.04.04
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