日本の軍隊 兵士たちの近代史
吉田裕(著)
/岩波新書
作品情報
1873年の徴兵令の制定以来,文明開化の推進力となり,全国に近代秩序を浸透させた日本の軍隊.それが反近代的な皇軍へと変貌を遂げたのは,なぜか.日本の民衆にとって,軍隊経験とは,どのような意味があったのか.豊富な史料をもとに,「天皇の軍隊」の内実を解明することで,日本の近代を描き出す.
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商品情報
- シリーズ
- 日本の軍隊 兵士たちの近代史
- 著者
- 吉田裕
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波新書
- 書籍発売日
- 2002.12.20
- Reader Store発売日
- 2021.10.28
- ファイルサイズ
- 9.7MB
- ページ数
- 232ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
2002年刊。著者は一橋大学大学院社会学研究科教授。◆戦前期における「天皇の軍隊」は民衆的支持を獲得できたか。その理由は?。また限界は何?。これらを兵士らの手記、統計データ等から解読。◆支持獲得の具体的理由としては①軍が西欧文物の窓口。②⑴一部階層における社会的上昇の手段。上等兵昇進が地域的高評価を齎す農民層、特に跡を継げない次男以降の男(そのまま下士官の道を歩む者も存在)、⑵経済的に上級学校進学が困難な小学卒(殊に隠れた実力ある高等小卒)。③貧困層には軍隊生活自体が衣食住面の安定化に資する。というもの。
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◆しかしながら限界あるのも当然。そもそも陸軍リーダーは陸大層、就中、幼年学校卒へ固定化され、結果、帝大層や下士官層の知恵や問題意識は入らなかった。◇それは、①都市層の低所得者の利益は等閑視、②叩き上げ下士官の上層への道を閉ざした結果、士官の言われなきエリート意識の極大化、③軍エリートとハピトゥスの違う帝大出身者、特に理系出身者への敵意が、彼らの持つ合理的発想を軍(特に陸軍)に注入するのを滞らせ、更にこの敵意が自らの独善的発想の道に繋がるなど様々な弊害へ。組織の自己増殖や保身も含む。投稿日:2017.01.24
大きく分けて2種の観点から日本軍を見る。
ひとつは一兵士から見た日本軍。それは徴兵される存在であり、成人への儀礼通過の象徴であり、満期を上等兵で向かえ故郷に錦を飾るべきものであり、またその職業は貧しい…農村出身者の生活手段であった。
祖父がそのまた祖父⁽予備役⁾の載る日露戦役の出征リストを見て、上等兵と記載があるのを見た時に妙に感心をしていた。初めてその理由を理解した。
考えてみれば当然のことなのかもしれないが、軍と地方の関係はいつだって相対的で、地方出身にもいろいろあって農村出身者もいれば大学教員もいるわけで。社会的ヒエラルキーのどの視点から軍を見るかによって軍の評価やとらえ方が変わる。本書は比較的、貧しい日本社会から軍を見ている。そこには、補助的な教育機関としての存在や、立身出世の場としての空間や、雇用の場として一般民衆が軍を利用していたことが分かる。
もうひとつは国軍から皇軍意識への変化を知ることができる。ひとつの象徴としてサーベルの変化が挙げられており、1930年代のいわゆる対外紛争や戦争を繰り返した時代にあって、天皇の名を利用した国粋主義的な動員がなされたことを知ることができる。
何が日本軍を支えたのかという疑問に対するひとつの視座があった。続きを読む投稿日:2014.05.07
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