刑務所しか居場所がない人たち 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話
山本譲司(著)
/ボイジャー
作品情報
刑務所と社会、障害者に優しいのはどっち?
刑務所は、世間から排除され続けた障害者が最後に行きつく「福祉施設」だった!?
自身の服役経験から現実を知り、触法障害者や出所者の支援に奔走する著者が、
福祉と司法のすきまに落ちる人々の実態を鋭く、優しく説き起こす。
【目次】
序章 僕は刑務所を誤解していた
第1章 シャバに出るのが怖い!
第2章 司法は僕らを守ってくれないの?
第3章 とても優しくて、少し鈍感な福祉の世界
第4章 「不審者は無視」じゃ安心な社会は築けない
第5章 彼らを排除しなければ自分も排除されない
【著者】
山本譲司
1962年生まれ、元衆議院議員。2000年に秘書給与詐取事件を起こし、一審での実刑判決を受け服役。獄中体験を描いた『獄窓記』(ポプラ社)が新潮ドキュメント賞を受賞。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (32件のレビュー)
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ブクログで見かけて気になったので購入
以下、総評
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世間知らずの自分だから、刑務所の実態を知らずに生きてきてしまった。
我々の想像に反して、イベントごとを重視している刑務所もあるのだとか…。
クリスマスやバレンタインデーを受刑者で楽しむらしい。
それに対して、一部から批判がある。税金で犯罪者を楽しませるなんて…!と。
だけど筆者は説く。彼らの中には、人生で一度たりともクリスマスを祝ったことが無い人がいる。
ああ、そうか。もうすっかり、そんな人は自分の周りにはいない。ゲーテッドコミュニティではないけど、恵まれた人の中にいるのだと再認識してしまった。
知らず知らずのうちに自分の世界認識が狭まっていようだと知る。
それから、刑務所には刑務官がいる。
若い刑務官は息巻いてやってくる。犯罪者を更生させようと意気込んでいる。
だけど、想定外の現実を目にする。知的障害を抱える受刑者や、病気の受刑者、それから高齢で歩けない受刑者を前にする。
とある刑務官は恐ろしく優しくなったという。泣いて眠れない受刑者に子守唄を歌ってやる。面会を拒絶する受刑者を説得して、その後泣いて感謝される。
クリスマスを祝ったことがない人たちが、やさしい刑務官に見守れて、生まれて初めてイベントを楽しむ。
セーフティネットからこぼれ落ちた場所でさえ人情とやさしさがあるのだと、筆者の語る現実に泣けて仕方なかった。
だけど、彼らは「シャバ」に出ても居場所がないから軽犯罪を犯して戻ってくるという。
外の世界には、精神的な繋がりがない。経済的なよりどころがない。生活の基盤がどこにもない。そういう現実が待っている。
セーフティネットを突き抜けた場所として、刑務所が機能している。そういう側面はあるのだと知った。
「刑務所しか居場所がない人たち」の意味を理解する。
受刑者として過ごした筆者だからこそ、同じ目線で語ることができるのかもしれない。ポップな装丁と、やさしい語り口だけども、だからこそ現実の問題としてスッと抵抗なく胸に入ってくる。
読書家として、この本を読めて良かった。
読みながら、何度か本を閉じて一時中断した。本を閉じて目を閉じないと、涙がこぼれてきそうだった。
筆者の説く「ソーシャル・インクルージョン」のために、できることをしよう。「生き直し」を必要としている人のために、自分ができることをしたい。
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各論や細かいメモ書きについては長くなってしまうので省略。書評ブログに書いたので良ければそちらもどうぞ。
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC_%E5%88%91%E5%8B%99%E6%89%80%E3%81%97%E3%81%8B%E5%B1%85%E5%A0%B4%E6%89%80%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%81%9F%E3%81%A1_%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E8%AD%B2%E5%8F%B8続きを読む投稿日:2019.12.10
はじめに
「ぼくは刑務所というところを誤解していた」
まったくその通り。私も誤解をしていました。
漫画ワンピース、海底監獄インペルダウンの副署長ハンニャバルのセリフ
「貴様らが海へ出て存在するだ…けで、、庶民は愛する者を失う恐怖で夜も眠れない!」
大好きなセリフです。世の中そんなもんだと思っていました。続きを読む投稿日:2024.03.03
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