経済学の宇宙
岩井克人(著)
,前田裕之(ほか著)
/日経ビジネス人文庫
作品情報
●戦後世代の経済学者が綴る知の軌跡 マルクスに感銘を受けて東大経済学部へ進学した青年が小宮隆太郎、宇沢弘文と出会い経済学に目ざめ、MITへ留学、サミュエルソン、アローなど世界の知に触れる――。戦後日本の歴史とともに生きてきた日本を代表する経済学者、岩井克人。本書は、その遍歴と自分の頭脳の中身を明らかにする「知の履歴書」です。 出世作である「不均衡動学」はどのようにして誕生したのか、「貨幣論」はどのような発想で臨んだのか、マクロ経済学者であった著者がなぜ企業論に注目したのかなど、今まで本人が明確に語ってこなかった岩井ワールドの全貌が明らかになる岩井経済学ガイドでもあります。 本書は、不均衡動学、貨幣論などそれぞれ一冊分の解説が可能な多岐にわたる岩井経済学の世界をことばを尽くして解説を行っているため、岩井経済学ガイドにもなっている。今まで岩井氏の著作は思索的で難解と思ってきた人々にも読者が広がることが期待できます。 文庫化にあたり、新たに「補遺 『不均衡動学』の現代版に挑む」を掲載。過去40年間のマクロ経済学の有り様と、自身の『不均衡動学』の現代版に取り組む背景を語ります。
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商品情報
- シリーズ
- 経済学の宇宙
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日経ビジネス人文庫
- 書籍発売日
- 2021.08.04
- Reader Store発売日
- 2021.08.04
- ファイルサイズ
- 177.5MB
- ページ数
- 672ページ
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この作品のレビュー
平均 4.5 (4件のレビュー)
-
不均衡動学という言葉だけは著書の名と共に知っていたが、近づかなかった、というより近づけなかった。いわゆる近経は、数学を駆使して理論を作り、経済現象を科学的に分析するもの、とのイメージがあって、偏微分…に挫折した自分には到底理解できないものと思っていたからである。
岩井氏の著作を実際に読んだのは、『会社はこれからどうなるのか』だったが、あの本の内容は面白く読んだ記憶がある。
本書は、岩井氏が自らの学問について、その歩みとともに、一般読者にも分かりやすく説いてくれた本である。著者の学問関心、先人との苦闘が非常に生々しく語られている。またマルクス、ケインズ、シュンペーターといったビッグネームのほか、不均衡動学についてはヴィクセル再発見が大きかったことが分かる。
資本主義はなぜ利潤を生み出すのか、貨幣を貨幣たらしめるものは何なのか、そしてまた法人論、企業統治と信任関係論、"言語・法・貨幣論"と人間科学の問題と、次から次へと、著者の学問探究は続く。
そしてまた著者は、英語で論文を発表し続ける。学術研究とは究極の公共財であり、経済学の宇宙に波紋を起こすことを使命と考えているから。現在の英米の経済学界に自らの考え方が受け入れられる可能性は限りなく低いとしつつも、著書は挑戦し続ける。
著者が現在取り組んでいる問題に対する、一つの回答を、是非読んでみたい。
続きを読む投稿日:2021.10.25
2015年に出版された本で、前から読みたいと思っていたのですがやっと読む時間ができました。読む前の期待感はかなり高かったのですが、期待は裏切られませんでした(合理的期待形成ができました)。岩井氏の貨幣…論、資本主義論、法人論は別の本でなじみがありましたが、序盤に書かれている生い立ちや少年時代、そして東京大学やMIT留学時の話などは「私の履歴書」を読んでいるようで新鮮でした。子供のころはじめて読んだ本が図鑑で、それが自分の思考回路を決めたと著者が述べているように、岩井氏は物事を俯瞰的に見たうえで、各人の主張を位置付ける、ということが特徴的だと思います。一言で言えば視野が恐ろしく広い、ということで、特定の主張(例えばケインズ経済学)に完全にとらわれるわけではなく、様々な人の主張をつなげることができること、また近年では経済学の範囲外にまで研究対象を広げて(言語、法など)、そこに貨幣論との共通性を見つけるようなこともされています。本書の中で、イェール大学時代からの知り合いとして哲学者の柄谷行人さんの名前が登場しますが、岩井氏と柄谷氏には、「常人には思いもよらない点と点を結びつけて線あるいは面にする力」が共通していると思います。そしてこの力は、アカデミックの極端な分業化が進んだ昨今では極めて貴重な(希少な)能力だと思います。本書は中盤から後半にかけて、主に岩井氏の研究内容の中身とその変遷が綴られていますが、わかりやすく好感を持ちました。アカデミックの人々だけでなく、一般の人々にも岩井ワールド、そして経済学の面白さを知ってもらうには最高の本だと思います。続きを読む
投稿日:2023.05.04
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