WHAT IS LIFE?(ホワット・イズ・ライフ?)生命とは何か
ポール・ナース(著)
,竹内薫(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
生きているっていったいどういうことだろう?ノーベル生理学・医学賞を受賞した生物学者ポール・ナースが「生命とは何か?」という大いなる謎に迫る。「細胞」「遺伝子」「自然淘汰による進化」「化学としての生命」「情報としての生命」の生物学の5つの重要な考え方をとりあげながら、生命の仕組みをやさしく解き明かす。
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商品情報
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- ダイヤモンド社
- 書籍発売日
- 2021.03.09
- Reader Store発売日
- 2021.03.10
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (70件のレビュー)
-
地球では、無生物から生物への変化が1回だけ起こったか、地球外の宇宙空間の何処かから生命がもたらされた。
それが進化して現在の地球上の生物になっている。
宇宙を過去に遡っていくと、ビックバンが起こる直…前の1点に行きつくように、
地球上の全生物を過去に遡ると、1つの最初の生物にたどり着く(らしい)。
現生物と異なる起源を持つ生命体も生まれたのかも知れないが、痕跡は残っていないということだ。
私は、中途半端に物理なんぞを勉強したせいか、生命の存在が不思議でならない。
生物の存在そのものが、熱力学の第2法則に反しているとしか考えられない。
時間と共に秩序だった状態から無秩序な状態に向かうエントロピー増大の法則の真逆だ。
生物は細胞でできているとか言われても、もっと細かく見れば分子の集まりで、要するに原子からできている。
生き物が持っている"遺伝子"だって物理と化学の法則に従う安定した原子の集まりにすぎない。
生き物は死ぬ。
死ぬ瞬間というのはないかも知れないが、死ぬ前と後で何が違うのか不思議だと思う。
身体を構成している原子の集まりとして見れば同じではないのか?
本書「生命とは何か」は、今だに正確な定義もなく謎だらけの"生物"について考えてみようという本だ。
図や絵が欲しいと思ったが、学術書ではなくエッセイみたいな内容なのでこれで良いのだろう。
特に目新しい情報はなく、これまで"生命"の謎についてあまり考えたことがない人向けのようだ。
著者は、「進化する能力を備えるもの」が生物であると定義している。
そのためには「生殖」「遺伝システム」「遺伝システムの変動」の3つの特性が必要と言っている。
こう定義されると、最初の生物はどの時点で生物とみなされるのかが気になる。
無生物から生物になる瞬間については、いろんな説があるがどれも納得できない。
スタップ細胞と同じで、再現できないものは認めるわけにはいかない。
最近やっと悟ったことがある。
生きていると、どこかしらガタがくる。
血圧が高くなったり、骨や筋肉が弱ったり、内臓もどこかしら調子が悪くなったり。
プログラムされた「遺伝システム」で、いつか生き物は死ぬようにできている。
何らかの病名を付けられて死ぬ。
生物にとっては "生きていること" 自体が(熱力学の第2法則に反しているという)病気なのだ。続きを読む投稿日:2022.03.04
ノーベル生理学賞・医学賞を2001年に受賞した遺伝学者、細胞生物学者であるポール・ナースの初の著書。生命というものの現代の理解の最先端を、一般の(興味があって用語は少し知っているというような)読者に対…し、よく整理し、丁寧に、順を追って、しかし端的に教えてくれる。2021年出版(原著は2020年)。
何かで名著であるというコメントを読んで、図書館で借りて読了。
新しい本を手にしたときは、いつも最初に目次を眺めるのだが、まずそこで感心した。「細胞」「遺伝子」「自然淘汰による進化」「化学としての生命」「情報としての生命」の5つのステップで、生命とは何かに答える前の前提知識を整理するようだ。とてもエレガントに感じた。また、私はIT系の技術者なので、特に最後の「情報としての生命」が目に留まりワクワクを抑えきれない。
その後、「世界を変える」でiPS細胞やゲノム編集といった最先端に触れ、「生命とは何か」で本書のテーマに決着をつける構成。完璧。期待しかない。
読み始めても、その印象は変わらず、各章は専門用語も登場するが科学的な理解を要求するわけではなく、平易な書き味でスルスルと読み進められる。原著者の人柄が感じられて心が温かくなるが、それを伝える翻訳の良さもあるのだろう。
この本に教えられた衝撃はいくつもあるが、1つは、生命とはすべて化学活動の結果として説明できそうだということ。生命の神秘は、化学活動の複雑さからなっているようだ。遺伝子、酵素、タンパク質、細胞膜、DNA、RNA、これらの絶妙な相互作用でエネルギーを作ったり成長したり子孫を残したりしている、というのが科学的な生命の理解の最先端なのである。
もう1つは、すべての生命は親戚だということ。大腸菌のような単細胞生命体も、人間も、菜の花も、カブト虫も、生命としてのメカニズムはほとんど同じなのだそうだ。そしてこれは、遠い昔・・・35億年前の地球に発生した原始生命から、自然淘汰を通じた進化で分かれてきた結果だということ。
別の1つは、生命は情報処理マシーンであるということ。外部環境・・例えば温度変化を感じ取り(情報の入力)、それに応じて酵素とタンパク質が絶妙に・・例えば高温では活発になるなどの調整がなされ(情報処理)。そして生命活動をちょうどよく維持するのである。たった4種の文字でコード化されたDNAには設計図が保存されていて、RNAと相互作用してコピーが行われる。完全に受動的なシステムであるが、これがひたすら膨大に積み上げられたものが生命らしい。コンピュータと同じにしか見えなくなってしまった。
その意味で1点惜しまれるのは、本書の出版がわずかに生成AIの出現より早かったこと。
著者は脳の働きも複雑な化学活動として説明できるという立場ながら、脳の働きの理解はまだ遠いと結論していて、「人工のコンピューターシステムは、(略)、抽象的、あるいは想像的な思考、自己認識、または意識に微かに似た兆候さえ示していない」とさえ書いているが、2022年末のChatGPTの登場から始まった生成AIを見ればきっと違う見解を持ったのではないだろうか。改訂版や、続編が出るかもしれない。
ところで、生命や脳や意識といった話になると神学論や宗教観のぶつかり合いになる場合がある。訳者あとがきにも「(略)、一神教の国では、科学を志す人間は、宗教を乗り越えて科学を『選ぶ』ことを迫られる」とあり、科学者自身さえ悩む部分であるらしい。本書は宗教論ではない科学の本なので、最新の事実から説明した生命観のひとつとして、ぜひ科学的態度で読んでいただきたい。
とにかく、いま生命というものの研究の最先端を理解するには最高の一冊であると、文句なくお勧めできる。続きを読む投稿日:2024.04.11
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