雨と短銃
伊吹亜門(著)
/ミステリ・フロンティア
作品情報
土佐脱藩浪人・坂本龍馬たっての依頼で、ある薩摩藩士を追うことになった尾張藩公用人・鹿野師光。激動の幕末で起きる不可能犯罪を描く著者初の長編ミステリ。
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商品情報
- シリーズ
- 雨と短銃
- 著者
- 伊吹亜門
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 東京創元社
- 掲載誌・レーベル
- ミステリ・フロンティア
- 書籍発売日
- 2021.02.26
- Reader Store発売日
- 2021.02.22
- ファイルサイズ
- 2.2MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (18件のレビュー)
-
『刀と傘』があんな終わり方だったので同じシリーズとはどう続けるのかと思ったら、前日譚だった。
坂本龍馬の仲介により薩長同盟が結ばれようとしていた慶応元年、桂小五郎の命を受けて上洛していた長州藩士・小…此木鶴羽が同じく上洛中の薩摩藩士・菊水簾吾郎に斬られるという事件が発生。しかも菊水は密室状態の事件現場から消え失せてしまった。幸い小此木は命だけは助かったものの、意識不明の重体。
このままでは同盟を結ぶどころか再び薩長が敵対してしまうと危機感を抱いた坂本龍馬は、尾張藩士・鹿野師光に菊水の行方を追うよう依頼する。
前作では助手役に徹していたように記憶している鹿野だが、この作品では助手役としての捜査能力とそこからの推理力を発揮する探偵役としての両方をこなしている。そして坂本龍馬も感心させる見事な謎解きをするのだからやはり優秀な人間だったのだなと分かる。
目撃者の証言や人が通り抜ける隙間のない鳥居道など、密室状態の事件現場からどうやって人間が消失したのかという謎についてはワクワクさせられるが、こういうものは大抵どこかに抜け穴があるものなのでそれほど驚かされない。ましてや事件の真相が分かってみれば。
この作品のテーマは人間消失の謎解きではなく、敵対していた薩長がそれぞれの立場を越えて結ばれようとしている大事な時に、何故このような事件が起きなければならなかったのかということ。
もともと小此木と菊水は互いに折衝役として親しかったらしい。互いに今が自藩にとっても相手にとっても重要な時期だと分かっていたはず。それなのに何故こんなことが起きたのか。
鹿野の捜査が進むに連れ、幕府と新選組、西郷率いる薩摩藩、長州藩、それぞれが暗躍していたことが分かる。
犯人にとっての計算外は鹿野が予想以上に優秀な警察官であり探偵だったことだろうか。
この作品での西郷や坂本は腹の底で何を考えているか分からない不気味さがある。むしろ新選組の方は血の気は多くて危険だが正直で分かりやすい。
読み終えてみれば歴史ミステリーというよりも歴史もののドラマを読んでいるような感覚だった。
鹿野という架空の人物を通じて、歴史的な出来事である薩長同盟が違うイメージに映る。
結局のところ、本当に国のためを考えて動いた人間はどれほどいたのだろうか。自藩のため、もっと言えば自分の利益のために動いた人間ばかりだったようにも見えてしまう。
これこそが国のため、正義のためだと信じて行動したことがアッサリと瓦解してしまったり、様々な奸計や調略を弄してまで進めたことも突然途切れてしまったり。
明日どころか、今日一日生きていられるかすら分からない時代に様々な価値観が行き交う中で自分なりの意志や正義を文字通り命がけで貫いた人たちがいたからこそ幕末ものは魅力的に映るのかも知れない。
最後にあの人が現れて『刀と傘』に上手く繋がった。
※「刀と傘」レビュー
https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4488020062#comment続きを読む投稿日:2021.04.02
このレビューはネタバレを含みます
薩長協約を目前に、薩摩を説得に来た京で長州藩士が薩摩藩士に襲われ重体となった事で協約締結の危機となった
レビューの続きを読む
逃げた犯人を探すため、龍馬は尾張藩公用人、鹿野師光を巻込む
友人らしき二人の間に何が
今この時…に何故
入り乱れる時世、混迷を極める各藩内部、対立する武力と思惑
当事者たちから一歩離れた場所で事件を追う鹿野に見えてくる真実とは
薩長同盟という過去の事実の中には、こんなにも複雑に絡み合った人々が居たという物語に手に汗握りました
面白かった!続きを読む投稿日:2022.09.22
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