大石征裕 自伝 夢の船
大石征裕(著)
/シンコーミュージック・エンタテイメント
作品情報
L’Arc~en~Ciel、MUCC、SIDらを輩出してきたマーヴェリック・ディー・シー総帥が、その半生を語る
アマチュアながら44MAGNUMのエンジニア兼スタッフを依頼された大阪時代から始まり、上京後はリアクション、デランジェ、ダイ・イン・クライズを皮切りにL’Arc~en~Ciel、MUCC、SIDらを輩出してきたマーヴェリック・ディー・シーのCEOであり、音楽制作者連盟の理事長もつとめた大石征裕氏が語りおろす初の自伝。
マネジメントしたアーティストはもちろん、ラウドネス、浜田麻里、ジャパメタ・ビジュアル系発祥期秘話、日本の音楽市況のグローバル化など、日本のロック・シーンを作り上げてきたエピソードも満載!
【CONTENTS】
第1章 幼少期から上京まで
父が病気になったあたりから母は占いに傾倒しはじめ、看病をしながら占いで生計を立て始めた。私は、父が亡くなった頃から音楽漬けの生活となっていった
第2章 ジャパメタ・ランドマーク
私がマネジメントした44マグナムは1983年にデビューを果たすのだが、その頃のハードロック界は西高東低で、関西のバンドが圧倒的に強かった
第3章 44マグナム、リアクション、デランジェ
デランジェとの出会いは、44マグナムがまだ大阪バハマを拠点としていた頃に京都のラジオ局でなぜか「DREAMER」が毎週放送されていたのがきっかけだった
第4章 ラルクとの出会い
電話をかけると「はい。ラルク アン シエル・コンタクトです」と応える留守電になっていた。その頃から“バンドを自分たちで運営する”という体制作りのこともちゃんと考えていたのだと思う
第5章 1985年以降の海外での動き
帰りの飛行機で隣の席にいたJIMMYが言った言葉が今も忘れられない。「大石、俺ら終わったな。こんな音にはしたくなかったわ。お前が録ったデモの方がええやないか、あれ出せへんか」
第6章 ワールドツアー・バックヤード
「とにかくドリームなんだ。チャレンジなんだ!」「わかった。君の夢、チャレンジに乗ってあげる」とマディソン・スクエア・ガーデンのブッキング担当を口説き、ようやく日程が出てきた
第7章 新たなる体制、取り組み
今までラルクの興行主体はマーヴェリックが行なっていたが、それがライブ・ネイション・ジャパンに変わることとなり、その名のもとでスタッフがオールチェンジとなった
第8章 音楽制作者連盟奮闘編
「明日のプロダクションを考える委員会」は、流れが速い音楽シーンの中で、プロダクション運営の方向性をどう導き出すべきかという悩ましい問題がテーマだった
第9章 日本コンテンツのグローバル化
楽曲の海外デリバリーは、今や世界中でストリーミングが前提となり、デジタル時代の音楽ビジネスの環境が急速に変わりつつある
第10章 MUCC、シド、そして
新しいコンテンツを生み出し続けることが、我々の本分であろう。制作費や原価までアーティストと情報を共有しながら、効率的な活動方針を立てる時代が来たのかもしれない
第11章 ソニー・ミュージック
私も暇さえあれば黒ビルに出向いたが、なぜならばヒットの中枢であったことと、ビル全体が高揚し、興奮していた。何より、みな楽しそうに働いていたのが羨ましかったのだ
第12章 アーティスト・マネジメント論
何にでも“首を突っ込んでみる”という精神。薄く広く興味を持つ。何でもできる人間になる。それがマネージャーに必要な素養なのだと思っている
第13章 形のない絆 -Le lien sans forme-
高崎晃、浜田麻里、44マグナム、デランジェ、リアクション、MUCC、シド、HYDE等のコメントに加え、yukihiro[L’Arc~en~Ciel]との対談も掲載
大石征裕[Masahiro Oishi]/Jack Danger
1960年2月6日、大阪府吹田市生まれ。
バンド活動からコンサート制作、音響オペレート、レコーディングまでを十代で経験し、44マグナムとの出会い以降はマネージメント、ディレクション、販売、ブッキングまでを本格的に手掛ける。
21歳でデンジャークルー(現マーヴェリック・ディー・シー株式会社)を発足し、リアクション、デランジェ、ラルク アン シエル、ムック、シドなどを輩出。
2007年からは(社)日本音楽制作者連盟の理事長を4期8年務めた。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
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遅ればせながら社長の自伝を拝読。読みたい部分だけを読もうと思っていたら、さすがに80年代からロック界隈にずっぷりいらっしゃるだけあって、めちゃくちゃにおもしろく読み進められた。ちょっと意外なほどに。
…ラルクがライブネイションと手を組んだきっかけや、世界でライブをやることへのきっかけや事前交渉は、裏側の大変さがこれほどなのかと思い知らされた。またソニーを中心とした日本音楽界を垣間見た気がする。まだまだ夢の船に乗って頑張っていただきたい。続きを読む投稿日:2020.05.21
このレビューはネタバレを含みます
愛するラルクの所属会社の社長の自伝だし、読んどくかー、くらいの軽い気持ちで読んだけど、なかなか自分にとって価値ある情報が詰まってた。読んでよかった。
レビューの続きを読む
ラルクを見つけてくれた社長には感謝しかない。
また…いろいろ書き足すと思うけど、取り急ぎまとめ。
・ラルク
ラルク結成あたりの話は既に知っている話が多かったけど社長目線になるとこういう形になるのかーという感じ。
最も印象に残ったのはラルクリスマスのくだり、当時(2018年)には急にライブ企画がライブ・ネイションに変わっていてなんでだろう、ってぼんやり思っていたけど、裏側にはいろいろあったんだなと。
・シドについて
「シドがメジャーデビューしてMステ出るようになって東京ドーム公演を達成するまでのアプローチ、ラルクの成功体験が背景にあった」という趣旨の記載があったが、まさにそのあたり、いやそのちょっと前、シングル Chapter 1がリリースされたときに曲がそこまで似てるわけではないのになんかラルクのLies and Truthっぽいな、と感じたし、アルバム センチメンタルマキアートにはTrueっぽさを感じたし、
夏恋あたりから東京ドーム公演までは、あの頃のラルクってこんな感じだったのかなーとシドそのものをおいかけるとともにラルクの過去を追体験するような気持ちでおっかけてた。マネージメント側にもその意識があったのね。
でもそのラルクの成功体験がラルクの時との時代の違いを見極める判断を少し鈍らせてしまったのかな。その後数年のシドの低迷感は見ててつらかった。今(2020年)は乗り越えて盤石になったなと感じていたけど、そのことも社長からLIFEというキーワードで言及があり、ますます安心した。続きを読む投稿日:2020.03.02
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