県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実
藪正孝(著)
/文春新書
作品情報
暴力団は壊滅できる!
警察官人生を通じ暴力団対策とりわけ凶暴として知られた工藤會対策に従事した刑事が明かす、暴力団との戦いのこれまでとこれから。
福岡県警と工藤會との戦いを通して、暴力団と日本社会がどう向き合うべきかが見えてくるのではないか。きれい事で飾った「ヤクザ」ではなく真の暴力団の姿を、そして暴力団壊滅のために何が必要なのか、多くの市民に知ってほしい。(「はじめに」より抜粋)
【目次より】
第一部 工藤會VS福岡県警
一 取締りあるのみ、の時代
二 工藤會壊滅を目指して
三 市民と共闘の時代へ
四 工藤會頂上作戦
第二部 暴力団VS市民
一 暴力団は今も脅威か
二 市民が暴力団に狙われたら?
三 令和の暴力団との戦い
四 ヤクザと刑事
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商品情報
- シリーズ
- 県警VS暴力団 刑事が見たヤクザの真実
- 著者
- 藪正孝
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2020.05.20
- Reader Store発売日
- 2020.05.20
- ファイルサイズ
- 2.6MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 3.2 (7件のレビュー)
-
著者は福岡県警に永く勤め、暴力団対策に関する仕事に長く携わった経過が在るという。元警察官である。
本書は、永く携わった警察での経験と見聞、そしてそれを通じての啓発活動に関連する事項等、貴重で興味深い情…報が詰まっている。永く難しい仕事に取り組んだ方の経験談に耳を傾けるような具合の文章で、なかなかに読み易く、引き込まれる。
著者は北九州市の御出身で福岡県警に警察官として奉職したそうだ。北九州市と言えば…申し上げ悪いが、全国的にかなり悪名高い暴力団の活動の件が少し知られているかもしれない。正にその、かなり悪名高い暴力団との闘争というようなことが本書の話題の軸である。
警察による対峙、対応の経過というようなことが主軸の第1部に対して、暴力団対策の啓発活動に関連する事項に軸を少し移すのが第2部だ。著者は警察を退職した後、<暴力追放運動推進センター>で活動されているとのことだが、或いは本書はそういう活動の一環という性質も帯びるのかも知れない。
警察官が携わる事案や事務には色々な性質の事柄が在り、著者も幾つかの事柄を経験されているようだが、30歳代から退職までの永い期間で暴力団対策関係に携わった期間が最も長い。その期間は、昭和の終わり頃の暴力団の抗争等が随分と伝えられていたような時期から、暴力団の追放というようなことで色々な動きが在った時期に重なる。そういう平成時代の中での“業界”を巡る変遷が少し興味深い。
著者を含む人達が対峙した、北九州市を本拠地としているという悪名高い暴力団は、無差別的に多くの人達に重軽傷を負わせるような惨い振る舞いや、暴力の刃を暴力団関係者以外に振るってしまうようなことを随分と仕出かしている。そういう「先鋭化」の経過も本書では判る。
そういう「先鋭化」してしまった暴力のことが伝えられ、「彼らの暴威」は広く高まってしまう訳だが、それでも「プロの恐喝者」が「プロ」であるのはどういうことなのか、著者は冷静に説いている。
あとがきの部分で、著者は「力無き正義は無力である。正義無き力は暴力である」という俚諺を引いているのだが、警察の暴力団対策の取組みというのは、正しくこの俚諺を深く意識すべきモノなのであろう。
色々な意味合いで、広く御薦めしたい一冊だった…続きを読む投稿日:2020.07.04
日本一の武闘派暴力団工藤会との激闘。
いや。
生々しすぎてすごいんですけど。
北九州のかつての治外法権感、ただそれは、恐らくそれはそれで安定した秩序であったはずで、当たり前だが真っ向から切り込んだ…警察は凄い。
工藤会だけでなく、他の広域暴力団も含めた、頂上作戦の警察本気度は国家の力の凄さを感じてきた。
震災時とかの山口組とかの炊き出しの話は、そうだよね、と思ってはいたが、その資金が全く、違法無法な方法で集められたものだということを忘れてはいけないのだった。
ただ、暴力団=魔女という法律の運用は効果的ではあるが、どうにもそこの疑問が拭いきれないのも事実。続きを読む投稿日:2023.04.20
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