データで見る行動経済学 全世界大規模調査で見えてきた「ナッジの真実」
キャス・サンスティーン(著)
,ルチア・ライシュ(著)
,遠藤 真美(訳)
/日経BP
作品情報
新型コロナウィルスの流行――政府の対応が国によって違う裏側には、各国民の「ナッジへの反応度」が関係していた!?・日本人の、政府の働きかけに対する反応は、やっぱり「特殊」!?・アメリカ、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ・・・・・・各国民はどう考えているのか?・中国と韓国がいつも「過剰に反応」しているように見える理由各国民の深層心理が見える、全世界規模調査を大公開!---------------------アメリカは活用に積極的。デンマークは慎重派。では、日本は・・・・・・?「ナッジ(Nudge)を用いることを検討している担当者、そしてナッジに警戒心をもっている人々の必読書」(大阪大学大学院経済学研究科 大竹文雄氏[解説]より)“使える経済学=ナッジ"を大事なプレゼン、キャッチコピーづくり、マーケティング、コンサルティングの現場で、賢く役立てよう「誰が、どのように働きかけたら、大勢の賛同を得られるか」がデータでわかる。「ナッジ」の提唱者の一人が贈る、「ナッジ」活用の基本原則。---------------------
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商品情報
- 著者
- キャス・サンスティーン, ルチア・ライシュ, 遠藤 真美
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2020.04.18
- Reader Store発売日
- 2020.04.18
- ファイルサイズ
- 23.6MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (9件のレビュー)
-
一言で言えば、ナッジに関する理念的な内容を扱っている本。実例や実際的な面白さを味わうには同著者の「シンプルな政府」のほうがよいと思う。
ナッジとは「一人ひとりが自分自身で判断してどうするかを選択…する自由も残しながら、人々を特定の方向に導く介入」である。例えばナッジは食品の栄養価を分かりやすく表示して健康的な食事を推進するが、消費者が食品を選ぶ自由を阻害するわけではない。しかしながらナッジに対しては、人びとを無意識的に「操作」するのではないか、という懸念が付きまとう。
これに対して著者らは、ナッジに関する国際的かつ大規模な意識調査から、人びとがナッジを信頼するために必要な、ナッジの原則を確認してゆく。この意味で、ナッジの性質や理念的な部分に関心を持つ人にとっては面白いのだけど、「ナッジってなに? どう役に立つの?」と思う人にとっては抽象的であまり面白くない本だと私は思う。したがってそういう方には同著者による「シンプルな政府」のほうをおすすめしています(笑)
結論としてナッジの原則を確認しておくと、以下のようになる。
一、ナッジは正当な目的を促進しなければならない
二、ナッジは個人の権利を尊重しなければならない
三、ナッジは人々の価値観や利益と一致しなければならない
四、ナッジは人を操作してはならない
五、原則として、ナッジは明確な同意がないまま人からものを取り上げて、それを他人に与えるようなものであってはいけない
六、ナッジは隠さず、透明性をもって扱わなければいけない
当然とも言えるものばかりだが、この点は実際の施策についてはつねに確認検証されるべきだろう。また「操作」についても個人の純粋な意思とは何かと考えると極めて難しいので、他の原則(たとえば価値観、利益など)に基づく正当性を納得してもらう必要があるかもしれない。
調査結果については興味深いことが多いのだが、総じて言えば、ナッジという手法そのものを否定しようという立場は少ないようだ。原則に基づく利用が重要だという結論につながるところである。
ただ例外的で面白いのは、日本やスウェーデンは総じてナッジへの支持が低いという点だ。施策の内容に関わらず、ナッジという手法を認めていないのか、はたまた政府に対する信頼感の無さの顕れなのか、解釈が難しいところだと著者は結論づけている。日本では韓国との対比が際立つのも面白い。韓国もまた政府への信頼感は高くないが、ナッジに対しては容認する傾向が強い。中央政府による強力な体制を確立している中国が予想に反してナッジへの支持は根強いのも興味深い。
余談を言うと、アメリカで「デフォルトでは民主党として登録される」というのを民主党支持者の32/68、無党派層の26/74、共和党支持者の16/84が支持している。この手の、否定を想定した無茶苦茶な質問もあるのだけど、少ないながら支持をする人もいるようだ。何を考えているんだ……? と笑った。少数とはいえ、こうした人びとの良識を確認する設問の結果に対しては、なかなか不安になる結果も見られる。
個人的には、「シンプルな政府」で抱いた疑問が本書では大規模な調査に基づいて掘り下げられていたので面白く読んだ。公共の福祉と自律性については、より深い議論を重ねて原則に組み込むことが必要となる(私自身はそれこそ根幹的な問題ではないかと感じるのだけど)。ただ、それでもナッジは社会がよりよい方向に向かうのを援護する一つの方法として、有力なものであることは間違いがないのだろう。続きを読む投稿日:2020.07.07
他の評価はなかなか厳しいが、個人的には面白く読んだ。人を方向づける要素はいろいろあり、人に影響を及ぼしているが、それを善とするか悪とするかは人によって全く違うという。政治が国民に信頼されているかどうか…によって、びっくりするほどに数値が違う。
日本は方向づけられることを誘導と取る。思うに、そもそもの日本のシステムそのものが、申請主義的であるからではないか。要らぬものを押し付けられることを嫌う国民性、みたいなものがあるのではないか。続きを読む投稿日:2022.09.18
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