ひとの住処―1964-2020―(新潮新書)
隈研吾(著)
/新潮新書
作品情報
1964年、横浜・大倉山の“ボロい家”に育ち、田園調布に通いながら丹下健三に目を剥き、建築家を志す。無事にその道を進みニューヨークへ。帰国後のバブル崩壊で大借金を背負い、10年間東京で干される間に地方各地で培ったのは、工業化社会の後に来るべき「緑」と共生する次の建築だった。そして2020年、集大成とも言える国立競技場で五輪が開催される――自分史を軸に人間と建築の関係を巨視的に捉えた圧巻の一冊。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (9件のレビュー)
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隈研吾の 生い立ちから、建築家を目指し、
そして、建築家とは何かを 問いながら、建築家として行動する。
自分の中にある、真摯な心の叫びを 自分なりに受け止めながら現在の在りようを、真摯に認めて、どうあ…るべきかを問う。
自分の中にある建築家としての自己矛盾。
実に 思い切って、赤裸々に語る。その姿勢が尊いと思う。
高度経済成長は、自動車産業や家電製品の急速な発展だけでなく、自分の家を持つという住宅産業とそれを後押しする政府の政策に成り立っていた。
あまりそのように考えていなかったが、言われてみればそうだ。
近代化、高度経済成長は、鉄とコンクリートによって、大きさと高さを目指した。
しかし、それにも限界がある。その限界を突き破るためには、アフリカのサハラ砂漠の集落を見ることで、住処とは何かが理解できたのだが、それを現実に作るためには、バブルが弾ける。
アメリカの メトロポリタンアーキテクチャーを知ることで、反オブジェクトを目指すが、それにたどり着くには 都市ではなく田舎の木の手触りと木を扱う大工たちの技術によって、初めて再生する。
木造原理主義ではなく、木をどう生かすかの中で苦闘する。
ある意味では、これまでの鉄とコンクリートに折り合いをつけながら地元の木を使って組み立て直すという曖昧な方法でしか 対応できない状況にあった。
木造によって高さを競うというのも、過去の延長戦にあるかもしれない。
隈研吾が求めている 隈研吾の建築家として、建築とは何か?
が、言葉だけでなく、建造物でどうやってできるのか?
それが、私にとっても、大きな楽しみであることははっきりしている。続きを読む投稿日:2020.03.25
建築士というと、斬新で奇抜なデザインとお洒落の極みの印象があった。
本書によれば、実際そのように思考する物もいて経済システムの一部としての割り切りでいることも確かなようだ。
それはどこか窮屈さを感じる…こともある。
そのような中でビジネスとは違い、その時、その場所に最も適した建築を思考してきた著者のスタイルにすごく共感した。
その源泉は幼き日の原風景であったり、地域の大工との語らいであったりと肌で感じた経験に基づいている。
日本は歴史ある古い国であり、多くの自然災害から学んだ建築技術がある。その極みは余す所なく使い倒す木造技術だ。
残念ながら、文明開花によって古くさいものとして扱われた。
迎えた大量生産、大量消費の工業化の中でコアとなったのは「家」でありいわゆる三種の神器は従属品に過ぎないとする着想は新鮮に響いた。
日本の里山や日本家屋に見られる縁側など自然との距離感の曖昧さや一体感が実は豊さなのではないかと感じた。
新国立競技場のコンセプトが自然ありきであることは、日本人のDNAに刻まれた我々は自然の中の存在に過ぎないことを再認識させてくれそう。
そのような視点で新国立競技場を訪れてみたくなった。続きを読む投稿日:2023.08.27
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