この作品のレビュー
平均 3.7 (13件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
新聞の書評を読んで図書館に予約した本。
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中2の窓香は、5才から8才まで父の仕事でアメリカで過ごしたが、帰国前に両親は離婚し母はアメリカに残った。
帰国後は、父の実家に祖母と3人暮らし。
小学校で日本語の発音が変だといじめられたため、中学は私立に進学した。
中学では、帰国子女だということを隠し、英語の発音も上手に聞こえないように、とにかく目立たないように気を付けて過ごしている。
そんな窓香のもとに、アメリカから小包が届く。
母に関係するものだと直感するが、母の話はタブーなのでこっそり自分の部屋で開ける。
それは手刺繍の施されたノートだった。
今は亡き母から、窓香への深い思いが綴られたノート。
なぜ、仲の良かった両親は離婚してしまったのか。
別れた母は、何を思いどんな人生を歩んでいたのか…。
そして、窓香は母や母が綴るかつての自分を知ることで、殻を少しずつ破っていく…。
夫のアメリカ赴任が決まった時、窓香の母は自分も昇進したばかりで、仕事にやりがいも感じていたため、単身で行ってくれないかと相談するが、どうしても家族で行きたいという夫の願いに折れ、自分は退職した。
駐在者の家族は基本的に労働ができない為、母は窓香を連れ、大学で学んだ。
そして帰国が近づいても、もっと学び、かつて憧れていたジャーナリズムの世界へ進みたいという気持ちを抑えることができなかった…。
勝手な母だと思うだろうか。
私は、そうは思えなかった。
アメリカに来る前に自分の道を断念したのだから、今度は夫に理解してほしかったなぁ…と思ってしまう。
母のノートに綴られる窓香への思いや、駆け出しのジャーナリストとしての葛藤は、胸を打つ。
以下ノートの最初に母真美子が書いた詩。
肯定的に見れば
この世には希望が
否定的に見れば
この世には苦悩が
満ちあふれている
つまり私は
私の窓を通してしか
この世界を見ることができないし
この世界を創ることができない
ならば私は心の窓をみかいて
徹底的にみがきぬいた窓を
大きく大きく開いて
この世界を見ようと思う
ちっぽけな小石ですらない
風にいざなわれて足もとを流れる
砂つぶにすぎない私だけれど
ジャーナリストとして綴る言葉は、窓香に世界への窓を開き、母として綴る言葉は、ジェンダーの窓を開く、そんな作品だった。2020.8.3投稿日:2020.08.09
図書館で親子関係の本、と紹介があったので気になって読んでみた。
いや全然図書館のその紹介の内容から想像したものと違うし、重い。とにかくずしーんとくる。
こんな重いの読むつもりじゃなかったんだけどな。…
でも、「戦争」って言葉は知ってるけど、実際目の前にはどんな風景が流れていて、自分が当事者ならどう感じるのかってところまでは想像しないよね、普段。
漫画とかアニメとか映画とかこういう小説で仮想体験は出来るけど、仮だしそれって。
地名が出てきても全くどこだか分からないからGoogleマップで調べながら読んだ。流し読みするよりはちょっとだけ現実味を感じられた。普段から、もっとこういうこと、していこう。知らない言葉や固有名詞に出会ったら、その場ですぐ調べよう。地図や動画も積極的に見よう。じゃないと、文字だけだとただの情報としてスルーしてっちゃう。
日本人じゃなくてアジア人、てとこ。なるほどねぇ。
この一文だけで、普段の自分の視野がとても狭いことに気付いた。
日本人でありながらアメリカの文化を知っていて英語も話せる。それってそういう経験がないと知ることの出来ない。生まれも育ちも日本で、地元から出たことがなければ視野が限定するのはしょうがないかな。だからこうして本を読んで、薄っぺらくても仮だとしても、ほんのちょっとだけでも自分はみみっちいところで生きているんだと、自分の視野の狭さを自覚していたい。
戦争はね、「悲しい」から始まってると思う。だから起きている最中も、終わったあとも、「悲しい」が続くんだと思うよ。
それと、子どもたち。
ちょっと疑問に思ったんだけど、ウガンダの犠牲になった子どもたちの話。
国が違っても、親しい人や自分が知っている人が痛い目にあうのを嫌がるというのは、
もう人間の本能に組み込まれているのかな?
何の事情も先入観もない状態の人間って、生まれながらにして性善説?自分が傷つくのも、大切な人が傷つくのも、それを見るのも知るのも嫌なものなのかな。それって本能なのかな?続きを読む投稿日:2023.06.29
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