リアルビジネス3.0 あらゆる企業は教育化する
日経トップリーダー(編)
/日経BP
この作品のレビュー
平均 4.3 (5件のレビュー)
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マーケティングの本です。これからの時代で重要なのは「顧客に教える」という視点を持つこと、だそうです。顧客が感謝することで、企業の応援者になり、リピーターになり、新たなニーズも教えてくれる効果が期待でき…るとのことです。なかなか価格競争から抜け出せない、付加価値の高い商品・サービスを生み出せないことに悩む方にとって、新たなビジネスモデルのヒントになる1冊ではないでしょうか。
【特に印象に残ったフレーズ】
最初にこちらが積極的に情報を与える(=教える)ことが、実は相手のニーズを聞き出すのに大事だということを気づかせてくれます。
・「人は長く生きていれば、誰にでも他人に教えられることが必ずある。体験談だけでも、救われる人がいる。人に教えることで、人生は豊かになる。」
・「知らなかったことを教えてもらう。気づいていないことを気づかせてもらう。そうした企業の行為に対し、顧客は売買の関係を超えて感謝する。感謝の度合いが高ければ金額はあまり気にならなくなり、付加価値が高い。」
・「顧客が気づいてないことを教えれば、顧客は企業の応援者に変わる。企業と顧客が一体化すれば、経営的にこれほど強い形はない。リピート率向上、価格競争からの脱却、社員のモチベーション向上の効果が高い。」
【本のハイライト】
・人は長く生きていれば、誰にでも他人に教えられることが必ずある。体験談だけでも、救われる人がいる。人に教えることで、人生は豊かになる。
・「教える」という要素を組み込むことが、新しい時代の時代の一つの方向性。顧客に何かを「教える」という観点で眺めると、各社のビジネスモデルが整理できる。
〇顧客に教えることは楽しい
・知らなかったことを教えてもらう。気づいていないことを気づかせてもらう。そうした企業の行為に対し、顧客は売買の関係を超えて感謝する。感謝の度合いが高ければ金額はあまり気にならなくなり、付加価値が高い。
・顧客が気づいてないことを教えれば、顧客は企業の応援者に変わる。企業と顧客が一体化すれば、経営的にこれほど強い形はない。リピート率向上、価格競争からの脱却、社員のモチベーション向上の効果が高い。
〇消費者は何を求めているのか
・顧客と一体化すると、簡単な作業は顧客が進んで引き受けてくれるので、経費が抑えられる。
・ターゲットを絞ると経営的には手っ取り早いが、長くは続かない。非効率も時には受け入れる。
・顧客のニーズに応えるために、売り手の発想からとことん抜け出す。自分だったらしとほしいと思うことをする。
・簡単ではないが、「教える」という要素を加えれば、市場を一気に広げられる。後発企業も追いつけない。「教えすぎない」ことが大事。
・顧客とビジョンを共有し、プロジェクトチームのように共に成長していく。
〇カスタマーサクセスが鍵
・顧客1社あたりの獲得コスト、解約率をきちんと計算していれば、広告費をかけても、きちんと利益が出せる。顧客を「教育」し、解約させないことに力を注ぐ。顧客を成功に導くためにしっかりサポートする。
・顧客と一緒にソリューションを考えるようになると、顧客からもどんどんアイデアが出てくる。その貴重な情報が、新たな商品やビジネスを生み出す。顧客からもらったアイデアを商品開発に生かすと、顧客はその商品に強い愛着を持つ。
・人材をいかに早く育てるか。深刻な人手不足の中、社員教育は企業競争力に直結する。育て方のノウハウが、新たな自社の強みとなり、ビジネスチャンスが開けることもある。
・目先を優先するか、本質を追求するかの差が、大きな競争力を生む。膨大なデータの収集・分析は、どこまで生かせるかはわからないが、それをしなければ問題の本質にはたどり着けない。
〇本質的な欲求の満たし方
・まず、顧客の「本質的な欲求」を想像する。顧客自身もそれを知らない。ただ、顧客と話すことは必要。ヒントは語る。雑談の中の「つぶやき」「「ぼやき」などの「小さな言葉」の中にヒントがある。視野を広げ、いろいろな人の意見を聞き、いろいろな方向から時間をかけて探っていく方が見つかりやすい。
・次に、欲求に「教育化」を当てはめてみる。本質的な欲求は自分自身では容易に気づかないので、必ず教育化というキーワードと合致する。顧客の欲求を顕在化させ、アドバイスをしながら、顧客と一体となってゴールに向かう。モノやサービスを売るだけで満たされる欲求は、本質的な欲求ではないので、顧客の欲求を再考する。
・それから、自分たちが「教えられること」を幅広い視点で考える。仮説を考えた顧客の本質的な欲求が正しそうなら、それを満たすために自分たちが何ができるかを考える。まず自社の強みを抽出し、当てはめてみる。うまくいかない時は、視野を広げてみる。顧客と共にノウハウを積み上げるパターンもある。
・「社長と社員の意識」を変えて、教育化を始動する。リーダーの姿勢が問われる。まず「すぐに売上につながらなくても、顧客が喜ぶので、焦らず時間をかかえて頑張ろう」と宣言し、社員を安心させる。仕事のやり方も変える。手間がかかる分、従来のコスト配分も見直す。
・最後に、顧客から「教えられたこと」を事業に生かす。教育化の事業モデルが顧客の欲求に刺さると、リピーターの増加などで次第に業績面に効果が表れる。指標は、顧客からの「ありがとう」という言葉。あまり聞こえなければ、ビジネスモデルを修正する。社員の表情も指標になる。冴えないなら、修正が必要。うまく機能していれば、社員が顧客と一体化し、これまで以上に顧客の声が現場に上がってくる。それを商品企画などに反映すれば、ノウハウがたまっていく。
・顧客の本質的欲求は時代環境により微妙に変化する。潜在顧客そのものの減少も起こりうる。事業モデルの改善は怠らないこと。続きを読む投稿日:2021.01.14
・教えるという要素を、事業に組み込む。
・製麺機メーカーが、麺の学校を開設。生徒たちが、製麺機を購入。
・一緒に協力して、住みやすいマンションを作ってくれる会社。
・一緒に事業そのものをつくるプロ…セス自体が尊い。
・地域は絞ったが、ターゲットは絞らない。ターゲットを絞ると、経営的には手っ取り早いが、長くは続かない。
・売った後に対する不満、不安を解消したサービスが「家ドック」。自分だったらしてほしいと思うことをする。
・顧客とチームになることが、究極。
・お客様にとって一番モチベーションが高いのは、契約直後。その後の2か月間をフォローする。
・B2Bは、事例がすべて。既存のお客様向けのイベントに毎回大きな予算をかけている。
・様々な取引先の状況を把握できる立場を活かし、他社事例を伝える。
○これは、LWでもやろう!
・星を見せることが、集客力を高める大きな武器になっている。
・人材をいかに早く育てるか。深刻な人手不足の今、社員教育は、企業競争力に直結する。
・うわべの顧客ニーズではなく「本当は何を求めているのだろう」と一段掘り下げてみる。
・手間を惜しまずに、顧客の欲求を満たそうとする真摯さと努力が必要。
・教育化は、答えではなく、ヒントを提供するもの。問題の解決ではなく、発見。続きを読む投稿日:2021.02.08
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