敗者烈伝<文庫版>
伊東潤(作者)
/コルク
作品情報
信長も光秀も皆敗者だ――
“敗れた英雄”に学べ!
歴史に学び、現代を勝ち抜くヒントがこの一冊に!!
河合敦さん絶賛!(『早わかり日本史』著者)
本能寺で織田信長を討った明智光秀は、なぜ数日で勝者から敗者へ転落したのか――
歴史小説界の旗手・伊東潤が、古代から戦国、幕末・明治まで、
日本史上に燦然と輝きを放ち、敗れ去った英雄たち25人の「敗因」に焦点を当て、
真の人物像、歴史の真相に迫る歴史エッセイ。
源頼朝、徳川家康ら、最後まで勝ち抜いた歴史の勝者を語る「勝者烈伝」併録。
【本書で取り上げた人物】
蘇我入鹿――頂点から一気に没落した国際派
平 将門――調子に乗りすぎた野心家
藤原頼長――厳格に過ぎた摂関政治の護持者
平 清盛――事を急ぎすぎてすべてを失った独裁者
源 義経――己の力量を過信した天才武将
高 師直――建武の新政をぶち壊した婆娑羅者
足利直義――愚兄への甘えから墓穴を掘った賢弟
足利義政――戦国時代を招いた無気力将軍
太田道灌――己の手腕を頼みにしすぎた大軍略家
今川義元――一瞬の油断が命取りになった海道一の弓取り
武田勝頼――人間洞察力に欠けた最強の侍大将
織田信長――己を克服できなかった史上最強の英傑
明智光秀――白と黒の二面性を併せ持った謀反人
北条氏政――慎重さが足枷となった名家の四代目
豊臣秀次――独裁者に操られた悲劇の後継者
石田三成――有能でありながらも狭量な困った人
豊臣秀頼――時代の波に押し流された賢き人
天草四郎――勝算なき戦いに駆り出された美少年
徳川慶喜――思いつきで動き回って自滅した小才子
松平容保――将軍に利用されて捨てられたお殿様
大鳥圭介――最後まであきらめない理系指揮官
榎本武揚――薩長政府に徹底抗戦した気骨の人
江藤新平――正義を貫きすぎた硬骨漢
西郷隆盛――肥大化した人望にのみ込まれた人格者
桐野利秋――西郷への敬愛に殉じた最後の志士
コラム「勝者烈伝」
源頼朝――恐妻家の墓穴
足利尊氏――気分屋天下を取る
徳川家康――敵を知り、己を知れば――
大久保利通――そして誰もいなくなった
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 3.5 (6件のレビュー)
-
内容が面白いので一々感心しながら読み進めたが、同時に“日本史”のキーパーソンと言って差し支えないかもしれない人物達の話題を読み易い形で紹介してくれる、非常に価値在る一冊になっている。或いは、「“時代モ…ノ”の作家として作品化してみたい人達を列記」という面も在るかもしれない。作者の作品に関しては意外に好きで、色々と読んでいるので益々そう思った側面も在るが…
「勝敗」というようなモノは、「一定のルール」の下に争われる、例えば野球、サッカー、バスケットボールというようなモノの試合でもない限りは、些か抽象的で、同時に相対的ということになってしまうかもしれない。そういう意味で、本書で取上げられる人物達の中には「或る意味で勝者」という人達も多く挙がっているような気もする。が、それでもそういう「或る意味で勝者」という人達も含めて本書では「敗者」と位置付け、「“敗因”というようなモノ?」を考えようとしているのである。それが酷く面白く、なかなかに読ませるのだ。
「歴史を学ぶ」とでも言えば、何やら人名、地名、事件名、年号というような「無駄!!」な何かを「無理に覚える」というように、勝手に貶められているような気がする。「歴史を学ぶ」というのは、過去の人達が紡いだ物語の中から、自身の人生や社会の在り方、自身を含む社会の未来を考える材料を探り出すということなのではないであろうか?この『敗者烈伝』は、そういう「歴史を学ぶ」ということに意義に即した内容であると思う。
小才子であるだけでは足りない?大人(たいじん)であるだけでも足りない?真直ぐ過ぎるのも足りない?ブレ過ぎるのも足りない?色々と「“敗因”というようなモノ?」は上がるであろう…或いは、本書に挙がる人達のような、その時代の政権を担うとか、領国等での覇権を賭して争うとか、そういう次元のこと等「無関係!」という人が読者の圧倒的多数かもしれない。が、本書で示される「敗者」の物語は、多くの「普通の人達」にとっても「人生の在り様」とでも呼ぶべき様々なことを示唆してくれると思う。
多くの皆さんに御薦めしたい感の一冊だ。続きを読む投稿日:2020.09.30
このレビューはネタバレを含みます
思いつきで動き回って自滅した小才子
レビューの続きを読む
この評が我が意を得たりで満足です(´▽`)
バランスを欠いている人は敗者になるのか?
個人的には藤原仲麻呂あたりも欲しかった
戦いに敗れた25人
(大久保利光は暴…漢に暗殺)
戦には負けたけど政府に雇われた
榎本武揚や大鳥圭介も場違い続きを読む投稿日:2021.09.14
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