小説
風樹の剣―日向景一郎シリーズ1―(新潮文庫)
シリーズ内の平均評価:
(27)
完結
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日向(ひなた)景一郎と森之助の対決の刻は迫づていた。そのような中、彼らが身を置く薬草園に隠されたある物を求め、一波、二波と武士の群れが押し寄せる。幕閣の頂点をめぐる対立。江戸に吹き荒れる戦国の風。兄弟は剣客たちと共に豪刀を振るい、圧倒的な戦力に立ち向かった。必殺ゆえ世に容れられず、滅びゆく日向流。最後に大地を踏みしめている者は、兄か、弟か。著者入魂の剣豪小説、完結篇。
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命ぎりぎりのところで、見切る。景一郎を敬い、そして恐れながら、日々成長してゆく森之助。彼は薬種問屋の使いとして糸魚川を訪れた。だが、のちに到着した兄とともに壮絶な血戦に身を投じることに。彼らの前に立ちはだかるのは闇に潜む柳生流だった。日向(ひなた)景一郎の愛刀来国行は今日も冴えわたり、日向森之助の一文字則房は闘いごとに鬼気を増す。滅びゆく必殺剣を伝える兄弟の運命を描く。
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ここは地獄だ。そう感じた。薬草種を届けに一関を訪れた日向(ひなた)景一郎は、医師・丸尾修理と共に山間の村に向かう。そこで遭遇したのは目を疑う光景だった。隠し金山の秘密を守るため、藩が猛毒と武力で一つの村を壊滅させようとしているのだ。積み重なる屍。悲憤。生き残った民に襲いかかる兵に景一郎が立ちはだかる。奥州、そして江戸――。闘いに憑かれた男たちの群像を描く、白熱の剣豪小説。
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「死ねば、薬草の肥しだ」。日向(ひなた)景一郎は、向島の薬草園で焼物に心を注いでいた。幼き森之助、伯父格の小関鉄馬との静かな暮らし。それがある日、破られる。陶酔と富をもたらす禁制品阿芙蓉が人々の魔性を呼び起こしたのだ。陸続と襲来する敵。男と女の愛憎。北の譜代藩の策謀。そして、剣士・榊原征四郎との対決が迫り来る。景一郎、鉄馬の振るう豪刀の向こうに明日は見えるのか――。
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「父を斬れ。斬らねばおまえの生きる場所は、この世にはない」。謎めいた祖父の遺言を胸に、日向(ひなた)景一郎は流浪の旅に出た。手挟(たばさ)むは二尺六寸の古刀来国行(らいくにゆき)。齢(よわい)十八の青年剣士は赴く先々で道場を破り、生肉を啖(くら)い、遂には必殺剣法を体得。そして、宿命の父子対決の地、熊本へと辿り着く――。獣性を増しながら非情の極みへと向かう男の血塗られた生を描く、凄絶な剣豪小説シリーズ、第一弾。
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