正しいものを正しくつくる-プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について
市谷聡啓(著)
/ビー・エヌ・エヌ
作品情報
従来のソフトウェア開発とは、「既に正解があり、記述された正解をそのまま形にする」というものづくりであり、いかに効率よく作るかという観点が主眼でした。そのため、正解の見えないなかで手探りで進んでいくことが必要となる不確実性の高い現代においては、うまく噛み合わない状況になっている開発現場も少なくありません。本書では、共創を実現する具体的な手段としてのアジャイル開発を下敷きに、これからのソフトウェア開発/デジタルプロダクトづくりに、作り手(エンジニア、開発者、デザイナーなど)と、それを必要とする人(クライアント)がどのように臨むべきなのか、その考え方と行い方を具体的に提示する一冊です。「正しいものを正しく作る(著者の掲げる理念)」とは、すなわち「正しくないものを作らない」戦略をとることであり、そのためには粘り強く「正しく作れているか?」と問いに置き換えながら探索的に作っていく必要があります。問いを立て、仮説を立て、チームととともに越境しながら前進していく。本書はそのための力強い手引きとなるでしょう。
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商品情報
- 著者
- 市谷聡啓
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - コンピュータ・インターネット
- 出版社
- ビー・エヌ・エヌ
- 書籍発売日
- 2019.06.01
- Reader Store発売日
- 2019.06.26
- ファイルサイズ
- 10.9MB
- ページ数
- 328ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (32件のレビュー)
-
300ページを超える本書は、特に初めてプロダクトオーナーなど「プロダクトでの視座を求められる」エンジニアに勧めたい。
第一章 なぜプロダクトづくりがうまくいかないのか ではどこの現場でも失敗や混乱が…起きていることを伝え
第二章 プロダクトをアジャイルにつくる ではアジャイル開発の基本について解説され
第三章 不確実性への適応 では「暗黙的な期待」「成り立たないトレードオフ」といったアジャイルを導入してもなお立ち上がってくる不確実性と向き合い、ひとまず「正しくつくる」方法を身につける。
第四章 アジャイル開発は2度失敗する では文字通り、2つの壁が提示され「正しくつくる」だけでは不十分であることが示され
第五章 仮説検証型アジャイル開発 では「正しいもの」を探索する方法を知り
第六章 ともにつくる で「目的に忠誠を誓う。しかし心中はしない、問いを持ち続け共創する」という価値観が掲げられ、またそのためには「正しいものを正しくつくれているか」という問いの重要性が説かれる。
上上下下左右左右過去未来、視座と視野を動かし
正しいものを探し
正しくつくる
300ページを超える重厚な本書を読めばたちどころにプロダクトがよくなるわけではないが、本書の内容を咀嚼し、実践し、失敗し、カイゼンし、血肉としていくことで「正しいものを正しくつくる」力がついていくのではないだろうか。
2019年、エンジニアにとって令和最初の必読書である。続きを読む投稿日:2019.06.12
いわゆるアジャイル開発の進め方をスクラムをモデルとして具体的に解説。チームビルディングからチームにおける役割、日々のスプリントの回し方、マインドなどが解説される。
私は本書が想定する読者ではなかったた…め、あまり刺さらなかったけれど、アジャイル・スクラムを具体的に導入したい方には実践的ガイドとなっているだろう。
とはいえ、守破離に言及する文脈で、あえて不確実性を残すことも必要という観点は面白かった。新規プロダクト開発はややもするとみんなが想像できる安定感のあるプロダクトに落としてしまいがちだけれど、それをあえて揺さぶるために不確実性を残す、取り込むという観点は忘れてはならないだろう。何のために新規事業開発をつくろうとしているかはスプリントを回している内に見失いかねないけれど、それを思い出させてもらえるからだ。続きを読む投稿日:2024.02.20
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